“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「死んだ動物の体の中で起こっていたこと」(中村進一著/ブックマン社)

2024-03-28 09:36:01 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:死んだ動物の体の中で起こっていたこと

著者:中村進一

発行:ブックマン社

 「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、亡骸と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと。動物たちが最期に伝えた言葉とは。コロナ禍のステイホームで急増したペット需要。ネット上に拡散される野生動物との触れ合い動画の数々。容易く供給される「かわいい」「癒される」のその先に、病気や事故、そして決して避けられぬ「死」があることを、私たちはどのくらいちゃんと理解できているか。動物も生きている限り、死に至る。それは、ごく自然の営みの中で起こることが大半だが、ロードキルや誤飲、中毒、寄生虫やウイルスへの感染、栄養不足、虐待や飼育放棄といった、直接・間接的に人間が関わっていることもある。そのことに目を背けず、「かわいい」だけではない動物たちの現実を知るということ。同書は、「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、遺体と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと、最後の診断で聴いた動物たちからのラストメッセージを綴ったエッセイ。起きた出来事をただ嘆くのではなく、たくさんの「生」につなぐために―「命」への希望と責任を問う一冊。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●日産とホンダ、自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始

2024-03-28 09:35:41 |    輸送機器工学
 日産自動車と本田技研工業は、自動車の電動化・知能化に向け、戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書を締結した。

 カーボンニュートラルおよび交通事故ゼロ社会に向けた取り組みをさらに加速するためには、環境対応技術・電動化技術・ソフトウェア開発などの領域に関する強化が不可欠となる。

 そこで両社の強みを持ち合い、将来的な協業を見据えた検討が必要と考え、今回の合意に至ったもの。

 具体的には、自動車車載ソフトウェアプラットフォーム、バッテリーEVに関するコアコンポーネント、商品の相互補完など、幅広いスコープで検討を進めていく。<日産自動車>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●産総研、化学品生産におけるCO2排出量と製造コストを最小化する溶媒の評価方法を開発

2024-03-28 09:35:14 |    ★炭素ニュース★
 産業技術総合研究所(産総研)化学プロセス研究部門 山木 雄大 主任研究員、片岡 祥 研究グループ長らは、化学品を生産する全工程を通してCO2排出量と製造コストを最小化する溶媒を、シミュレーションにより選択や評価できる方法を開発した。

 この方法は、合成反応に用いる溶媒について、目的化学品の反応収率だけでなく、物質の抽出や使用後のリサイクルプロセスまでも考慮している。

 化学品の合成反応では、反応収率の一番良い溶媒が用いられている。しかし、リサイクルプロセスの性能が悪い場合、反応収率が高く合成反応に最適と選択した溶媒が、生産プロセス全体ではCO2排出量と製造コストについて最適でないことがある。

 今回開発した評価方法では、目的化学品の反応収率だけでなく、抽出や溶媒のリサイクルプロセスまでシミュレーションを行うことで、化学品生産プロセス全体のCO2排出量と製造コストを数値化し、最適な溶媒を特定することが可能となった。

 N-メチル-2-ピロリドン(NMP)とIPAは、相対的な収率がともに1であっても、化学品生産プロセス全体のCO2排出量と製造コストは、NMPを用いた方がIPAと比較してそれぞれ15%と17%削減できることを見いだした。

 また、トルエンを用いた場合の収率は0.42だが、収率1のNMPを用いた場合と比較して、CO2排出量と製造コストはそれぞれ1.3倍と1.4倍程と、収率の違いから予想されるほどには増加しなかった。これは、トルエンのリサイクルがNMPよりも容易なため。

 ここでは、反応収率の高い溶媒が、CO2排出量と製造コストの点で優れている結果となったが、シミュレーションでは、トルエンの反応収率が向上したと仮定した場合、NMPやIPAを用いるよりもCO2排出量と製造コストを下げられる可能性があることも示した。

 これらの知見は、反応収率だけでは得ることができず、化学品生産プロセス全体の性能を考慮することで初めて明らかとなった。

 この方法は、さまざまな合成反応にも応用できる可能性があり、反応開発の段階から化学品生産プロセス全体のCO2排出量と製造コストを最小化するため、溶媒選択の最適化につながる。

 今後、反応開発や触媒開発と連携して、開発した評価方法の検証実験を行う。さらに、反応溶媒だけでなく抽出溶媒など適用範囲を広げていき、反応開発や触媒開発の指針の一つとして貢献できる技術開発に取り組む。<産業技術総合研究所(産総研)>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「実践 生成AIの教科書」(日立製作所 Generative AIセンター監修/リックテレコム)

2024-03-28 09:34:46 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:実践 生成AIの教科書~実績豊富な活用事例とノウハウで学ぶ~

監修:日立製作所 Generative AIセンター

発行:リックテレコム

 生成AI活用の最前線部隊が得た知見を大公開。日立グループは2023年、データサイエンティストやAIの研究者、広範なスペシャリストをGenerative AIセンターへ集結。全社での生成AI活用を推進し、そこで得た知見を顧客へ提供している。同書ではそうしたナレッジをいち早く紹介。一般的なデスクワークからコールセンター、システム開発、社会インフラの維持・管理、データサイエンスまで、国内屈指の実績に裏付けられたAI活用のノウハウを惜しみなく開示する。【対象読者】①生成AIによって業績をアップしたい経営企画部、DX推進部、情報システム部の方々②生成AIをソフトウェア開発やシステム開発に活用したいシステムエンジニア③生成AIを業務でフル活用したい一般の業務担当者④生成AIを活用して生産性を高めたいデータサイエンティスト⑤プロンプトエンジニアリングやRAGなど、生成AIの活用テクニックを学びたいエンジニア
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする