美しいと感じる心は誰にでもありますが、美しくするという心は必ずしもすべての人にあるようではありません。
感じることは受動的ですが、美しくするということは能動的で意志の働きが必要だからでしょう。
学校ではすべての人に美術を教えます。
すべての人が、美しい絵、美しい字、美しい工作などを自分でかいたり、つくったりすることを学びます。
ところが大人になると、美術とは美術家のすることと思う人が多くなります。
美術品が高く取り引きされていますから、美術は、金持ちではない自分とは関係ないと錯覚する人が増えます。
別の価値観に心を奪われて美術の価値観を忘れてしまう人が多くなります。
こうして住宅も町も美とは全く無縁の雑然としたものになってしまいます。
美術とはお金の有無関係なくすべての人が自分のすることに取り入れた方が人生が楽しくなる方法です。
どうせ何かするなら美意識をもってすることです。
たとえば、住宅の周りに、ものを雑然と置いている人が多いのですが、それらを整理するだけでも住宅も町も美しくなると思います。
整理するだけならお金はなくてもちょっと意志と時間があればできることです。