kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

SBGへの依存度

2021-05-23 06:55:13 | 日記
千秋の日経平均は21日の上昇で何とか週間ベースでは233円の値上がりで
取引を終えました。もっとも先々週の下げ幅に比べ戻りも小さく上値の重
さも感じられる1週間でした。今後も26週移動平均にあたる2万8500円が壁
として意識されているようです。

頼みの米国株も5月10日に一時3万5000ドルを越えましたが、その後に急落
しました。3万4000ドルの揉み合いを放れ上値を試す展開だったのが一転の
大幅下げで振り出しに戻った格好です。当面は3万4000ドルあたりでの神経
質な値動きも予想されます。

米国株の急落の影響が大きかったのでしょうが、5月第2週に海外投資家は
4215億円の大幅売り越しでした。第1週は2152億円の買い越しでした。8か
月ぶりの大きな売り越し額だった海外投資家が東京市場の大幅下げの原因
です。海外投資家の買いが復活しなければ少なくとも3万円への道は遠そう
です。

一方製造業の回復もあり日本企業の業績は回復基調です。TOPIXベースでは
株価下落もあり足元の水準では前期のPERが20倍、今期は16倍まで低下しま
す。しかも期初には慎重な見通しを出す日本企業が多いことから上方修正が
期待できアベノミクス時の14倍から17倍の下限に近い水準まで低下すると
いう見方もあるよです。

もっとも足元の緊急事態宣言の延長や拡大で内需企業の業績に再び不透明感
が出てきたことには注意が必要です。やはりワクチン接種の加速でどのくら
い早く経済正常化できるかがポイントになります。

それに加えもう一つ重要な問題があります。前期決算で上場企業の純利益は
28兆円でした。今期は3割増の36.4億円の予想です。PERが16倍まで低下す
る根拠です。もっともSBGの純利益は前期でおよそ5兆円です。全体に占め
る割合は12%、今期は4.5兆円の予想ですから8%まで低下しますが、1社で
8%を占めるということはかなりの比率です。

しかも米国のようなFANG+Mといった成長銘柄ではなくSBGは投資会社で
す。しかも業績に反映させるのは市場の評価が定まらない変動の激しい公開
して間もない企業や未公開株の評価益です。SBGの1年前の決算では1兆円近
い赤字決算でした。

市場を取り巻く環境次第で業績のブレが大きくなります。SBGの利益が今期
で8%を占める利益を物差しに使っての評価が妥当なのか、やはりある程度の
ディスカウントは考慮すべきでしょう。SBGの将来性を買う相場とは分けて
考えるべきです。投資家としては表面的な数字だけでなく中身もよく吟味する
必要はありそうです。

次回の更新は25日を予定しています。
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