日米欧市場で3月まで日本株が一人負け状態だったのは昨年までの追加
緩和頼み、円安頼みの相場の限界を物語るもので今年は脱緩和、脱円安
相場元年になるこの欄でも書いてきました。日本株は世界の景気敏感株と
いう位置づけですから世界景気の行方も大きく相場に影響します。上げる
時も下げる時も大きな価格変動を伴うのも海外投資家の物差しが日本企
業の固有の業績よりマクロ景気が株価判断の材料になることが多いからで
す。
では日本株が安定した値動きになるにはどうしたらよいのでしょうか。一つは
潜在成長率を引き上げ内需主導の経済成長を目指すべきです。企業も個人
も過去に蓄積した金融資産をたくさん抱えています。今やほとんどが投資や
消費に回らず国内のマネーがうまく循環しない状態です。世界の投資マネー
を引き付けるベストな政策は国内市場の活性化です。輸出依存度が下がれ
ば円高株安の負の連鎖も軽減されるでしょう。円高が株安の元凶にされて
いる間はなかなか良質な海外マネーを日本に呼び込めません。
一人負けだった日本株が一転急上昇したこの2週間の動きの裏にはマクロ
系ファンドの活発な動きがあるようです。今月末日銀は追加緩和に動くとい
う予想から先回りして日本株を積極的に売買しているようです。22日に上昇
の目立った不動産株や金融株がそんな流れを象徴しています。売買代金も
活況の目安の2兆5千億円(2兆7889億円)を超えました。
それまで活況だった新興市場が下げマネーは過熱感の強まった小型株から
出遅れが著しい大型株へとシフトしているようです。つい1週間前には105円
までの円高に怯えていましたが22日の海外市場では一気に111円台まで円
安が進みました。株高が円安を引き起こし円安を好感して株高が進むという
好循環になってきました。
年初来の大幅な調整、悲観ムード一杯だった市場が追加緩和期待から俄か
に活況になり先物主導で株高が進むというこの流れ。ちょうど昨年8月突然の
人民元切り下げやその後の中国景気不安から急落、9月末の配当落ち後に
安値を付けその後日銀の追加緩和期待もあり先物主導で12月1日に2万円ま
で駆け上がった相場と何やら似てきているように感じます。あの時も売買代金
は余り膨らまず叩かれた銘柄のリバウンドが続きなんとなく余り熱狂も感じら
れず指数だけが上昇したと記憶しています。歴史は繰り返すと言いますがあの
時と同じ結末が今回も待ち受けているのでしょうか。
理由はどうであれ株高に文句を言う投資家は余りいないでしょう。しかし敢え
て言うなら既に緩和頼み、円安頼みの株高の賞味期限は過ぎています。出
がらしの材料を囃しての上昇には脆さも見え隠れします。期間限定の追い風
が止んだ時のことも考えての対応が不可欠です。
明日は所用のため更新はお休みします。
緩和頼み、円安頼みの相場の限界を物語るもので今年は脱緩和、脱円安
相場元年になるこの欄でも書いてきました。日本株は世界の景気敏感株と
いう位置づけですから世界景気の行方も大きく相場に影響します。上げる
時も下げる時も大きな価格変動を伴うのも海外投資家の物差しが日本企
業の固有の業績よりマクロ景気が株価判断の材料になることが多いからで
す。
では日本株が安定した値動きになるにはどうしたらよいのでしょうか。一つは
潜在成長率を引き上げ内需主導の経済成長を目指すべきです。企業も個人
も過去に蓄積した金融資産をたくさん抱えています。今やほとんどが投資や
消費に回らず国内のマネーがうまく循環しない状態です。世界の投資マネー
を引き付けるベストな政策は国内市場の活性化です。輸出依存度が下がれ
ば円高株安の負の連鎖も軽減されるでしょう。円高が株安の元凶にされて
いる間はなかなか良質な海外マネーを日本に呼び込めません。
一人負けだった日本株が一転急上昇したこの2週間の動きの裏にはマクロ
系ファンドの活発な動きがあるようです。今月末日銀は追加緩和に動くとい
う予想から先回りして日本株を積極的に売買しているようです。22日に上昇
の目立った不動産株や金融株がそんな流れを象徴しています。売買代金も
活況の目安の2兆5千億円(2兆7889億円)を超えました。
それまで活況だった新興市場が下げマネーは過熱感の強まった小型株から
出遅れが著しい大型株へとシフトしているようです。つい1週間前には105円
までの円高に怯えていましたが22日の海外市場では一気に111円台まで円
安が進みました。株高が円安を引き起こし円安を好感して株高が進むという
好循環になってきました。
年初来の大幅な調整、悲観ムード一杯だった市場が追加緩和期待から俄か
に活況になり先物主導で株高が進むというこの流れ。ちょうど昨年8月突然の
人民元切り下げやその後の中国景気不安から急落、9月末の配当落ち後に
安値を付けその後日銀の追加緩和期待もあり先物主導で12月1日に2万円ま
で駆け上がった相場と何やら似てきているように感じます。あの時も売買代金
は余り膨らまず叩かれた銘柄のリバウンドが続きなんとなく余り熱狂も感じら
れず指数だけが上昇したと記憶しています。歴史は繰り返すと言いますがあの
時と同じ結末が今回も待ち受けているのでしょうか。
理由はどうであれ株高に文句を言う投資家は余りいないでしょう。しかし敢え
て言うなら既に緩和頼み、円安頼みの株高の賞味期限は過ぎています。出
がらしの材料を囃しての上昇には脆さも見え隠れします。期間限定の追い風
が止んだ時のことも考えての対応が不可欠です。
明日は所用のため更新はお休みします。