kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

いつか来た道

2016-04-24 09:00:48 | 日記
日米欧市場で3月まで日本株が一人負け状態だったのは昨年までの追加
緩和頼み、円安頼みの相場の限界を物語るもので今年は脱緩和、脱円安
相場元年になるこの欄でも書いてきました。日本株は世界の景気敏感株と
いう位置づけですから世界景気の行方も大きく相場に影響します。上げる
時も下げる時も大きな価格変動を伴うのも海外投資家の物差しが日本企
業の固有の業績よりマクロ景気が株価判断の材料になることが多いからで
す。

では日本株が安定した値動きになるにはどうしたらよいのでしょうか。一つは
潜在成長率を引き上げ内需主導の経済成長を目指すべきです。企業も個人
も過去に蓄積した金融資産をたくさん抱えています。今やほとんどが投資や
消費に回らず国内のマネーがうまく循環しない状態です。世界の投資マネー
を引き付けるベストな政策は国内市場の活性化です。輸出依存度が下がれ
ば円高株安の負の連鎖も軽減されるでしょう。円高が株安の元凶にされて
いる間はなかなか良質な海外マネーを日本に呼び込めません。

一人負けだった日本株が一転急上昇したこの2週間の動きの裏にはマクロ
系ファンドの活発な動きがあるようです。今月末日銀は追加緩和に動くとい
う予想から先回りして日本株を積極的に売買しているようです。22日に上昇
の目立った不動産株や金融株がそんな流れを象徴しています。売買代金も
活況の目安の2兆5千億円(2兆7889億円)を超えました。

それまで活況だった新興市場が下げマネーは過熱感の強まった小型株から
出遅れが著しい大型株へとシフトしているようです。つい1週間前には105円
までの円高に怯えていましたが22日の海外市場では一気に111円台まで円
安が進みました。株高が円安を引き起こし円安を好感して株高が進むという
好循環になってきました。

年初来の大幅な調整、悲観ムード一杯だった市場が追加緩和期待から俄か
に活況になり先物主導で株高が進むというこの流れ。ちょうど昨年8月突然の
人民元切り下げやその後の中国景気不安から急落、9月末の配当落ち後に
安値を付けその後日銀の追加緩和期待もあり先物主導で12月1日に2万円ま
で駆け上がった相場と何やら似てきているように感じます。あの時も売買代金
は余り膨らまず叩かれた銘柄のリバウンドが続きなんとなく余り熱狂も感じら
れず指数だけが上昇したと記憶しています。歴史は繰り返すと言いますがあの
時と同じ結末が今回も待ち受けているのでしょうか。

理由はどうであれ株高に文句を言う投資家は余りいないでしょう。しかし敢え
て言うなら既に緩和頼み、円安頼みの株高の賞味期限は過ぎています。出
がらしの材料を囃しての上昇には脆さも見え隠れします。期間限定の追い風
が止んだ時のことも考えての対応が不可欠です。

明日は所用のため更新はお休みします。

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続ビックリポン

2016-04-22 15:26:04 | 日記
三連騰で1100円近く上昇、NYダウは113ドル安そして週末とこの条件では
22日の東京市場は一旦利益確定売りもする投資家が増え200~300円安
でも仕方ないという寄り前のムードでした。寄り付き直後には下げ幅が170
円程まで拡大しましたが、その後は下げ渋りました。それでも午前中は水
面下の展開で流石に今日は上昇も一休みと思われましたが2時前から円
安・株高が共鳴するように急上昇しました。

欧州勢が市場に参加する2時前後から急騰するという強い相場時の色濃い
一日でした。来週の日銀による追加緩和を市場では囃しているようです。
それにしてもこんなに急に市場の雰囲気って変わるものなのですかねえ。
週明け時点では105円台の円高懸念、日経平均も1万5000円程度までの
下げという最悪のシナリオも決して夢物語ではない雰囲気でしたけど。

今週の大幅高は先週の大幅高よりもびっくりな結果でした。海外投資家が
俄かに日本株を再評価して買い進めている背景には何があるのでしょうか。
現状では買い戻し主導との声も聞こえますが、それにしては予想外に腰の
座った買いです。あれよあれよと言う間に1万7500円越えましたが逆に余り
にも急激な値上がりでただ見ているだけの投資家も多いでしょう。GWに向
けて一気に出遅れ修正が進んでいる日本株は果たしてどこまで戻るのでし
ょうか。

多くの予想は26週移動平均の1万7700円どころか、マイナス金利導入で2月
1日につけた1万7905円あるいはキリの良い1万8000円あたりでしょうか。き
っと来週にはGW明け1万9000円なんて強気の予想も出てくるのでしょうね。

明日の更新はお休みして24日に更新します。
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やっぱり外人サマサマ

2016-04-22 08:14:05 | 日記
きっと相場には目に見えない流れがあるのでしょう。産油国総会で当初増産
凍結合意という事前予想がちゃぶ台返しで見送りになりG20総会でルー財務
長官が日本の為替介入に対して厳しい態度が伝わり週明け18日の東京市場
は572円安と急落しました。折角先週1000円弱の大幅上昇で一安心のムード
が出てきた東京市場は再び先行き不安が台頭したかに見えました。

ところがどっこい8日のミニSQ当日のバラ場安値(1万5471円)を底とした相場
反転は本物だったようです。気が付けば21日の東京市場は1万7363円となり
1万6000円台からあっという間に1000円上の水準での相場展開になりました。
多くの市場関係者が上値の重さを指摘し円高定着による今期企業業績不安を
口にしていましたが相場の展開は全く違うものでした。

日経平均が3月29日以来の1万7000円台に復帰できたのは今回も海外投資家
の日本株買いの再開でした。12週連続で売り越しを続けていた海外投資家は
4月第1週に326億円の小幅買い越しに転じました。第2週は買い越し額が3848
億円と急増しました。この週日経平均が1000円弱上昇した立役者はやはり海
外投資家だったことが裏付けられました。

個人投資家は2015年11月第3週以来の大幅売り越し(3465億円)を記録しまし
たが海外投資家がそれ以上の買いを入れ売りを吸収しました。やはり東証の
売買高の7割を占める海外投資家の動きは絶大です。おそらくの今週の大幅
高の背後には海外投資家の大幅な買い越しがありそうです。海外投資家の売
買動向は買い越し、売り越しとも継続する傾向がみられます。13週ぶりに買い
越しに転じたことで今週買い越しだったとしても3週目です。数千億円台の金額
で買い越しがまだ続けば日経平均1万8000円前後まで上昇する可能性は高ま
ります。

結局順張りの海外投資家がどう行動するかで東京市場の株価は決まります。
ただし円高基調の定着で今期企業業績は輸出関連銘柄中心に厳しいものと
なりそうです。先陣を切った安川電機の減益決算と株価下落は売られ過ぎの
水準訂正もそれほど上値余地が大きくないという市場のサインなのでしょうか。
海外投資家のどこまで本気で日本株買いを継続するのかどうか。次第に強弱
感が分かれ株価変動も大きくなることには注意が必要です。今期業績見通し
の内容次第では戻りに冷や水をかけられる銘柄も出てきそうです。
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三度起きた不祥事

2016-04-21 08:00:34 | 日記
企業の不正体質の根は簡単に変える事は出来ないのでしょうか。三度発生した
三菱自動車の燃費不正問題はそれ程根の深い問題のようです。どうして燃費不
正問題が三菱自動車で起きたのか。おそらく軽自動車業界で起きている激しい
燃費競争とは無縁ではありません。

問題の発生は2013年以降生産した軽自動車という報道から何が分かるかというと
国内販売市場における軽自動車シェアが燃費の良さや維持費の安さから4割程度
まで上昇した時期でした。軽自動車業界では永らくスズキとダイハツが首位の座を
争い2強体制が続いてきました。

今まで軽自動車の企画製造を子会社に任せていたホンダはシェア低迷が続きま
した。二輪車から軽自動車そして普通車へと領域を広げてきた過去を持つホンダ
は軽自動車市場を軽視していたのかもしれません。ところが国内販売に占める軽
自動車比率の上昇で国内生産の稼働率維持や販売網の維持のためには軽自動
車の販売を強化するしかありませんでした。

そして市場に投入したのがNシリーズの第一弾であるNボックスでした。Nボッ
クスの大ヒットとその後のNシリーズ数車種の投入で軽自動車市場は2強の争い
から三つ巴の争いに発展しました。国内販売2位を争っていたホンダの躍進に危
機を感じた日産はそれまで三菱自動車やスズキからOEM調達していた軽自動車
の自社開発を模索しました。

しかし軽自動車に求められる限られた規格で安く作る能力の不足していた日産は
三菱自動車との共同開発会社を立ち上げ生産は三菱自動車が担当するという体制
で軽自動車に市場に参入しました。その第一弾のルークス(三菱ブランドはEKワ
ゴン)でした。中身はほぼ一緒なのに国内販売網の強い日産は三菱の3倍売れ軽
自動車業界は三つ巴から四強時代になりました。

おそらく激しい販売競争で優位にたつには他社の車と同様あるいはそれ以上の
燃費でなければ競争に取り残されます。共同開発会社の主導権を取っていた三菱
自動車には他社に負けないくらいの技術が不足していたのでしょう。それが三度
不正に手を染める原因におそらくなったと思えます。この構図はVWのケースと
同じです。
不正が発覚した時にどれ程の企業イメージの失墜が起こるか過去の事件であれ程
経験した三菱自動車で起きたということは軽自動車業界の燃費競争が如何に激し
いものであるかを改めて証明しているようです。不正をしてでもこの燃費競争から
脱落することは許されない。特に日産との共同開発の主導権を維持するためにも
必要だったのかもしれません。

車のユーザーにとっては当事者でありまた被害者でもある日産が今後どのような
行動に出るのか現状では想像の域を出ませんが、今や日産にとっても軽自動車は
国内販売で欠くことのできないジャンルです。今回の不正でそのダメージも決し
て浅くはありません。共同開発会社が存続すると仮定したら今後日産に主導権が
移ることが考えられます。

軽自動車業界は2強体制からホンダや日産の躍進も有り4強体制になり市場活性
が軽自動車市場急拡大させました。しかし市場の飽和とともに一層競争は激しく
なりました。ダイハツがトヨタの完全子会社になることもあり現在の4強体制に
も変化が出てくるかもしれません。日産の次の一手に注目が集まりそうです。
今回の一件で三菱自動車の単独での生き残りは益々厳しいものとなりそうです。
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海外投資家がカギ

2016-04-20 07:43:10 | 日記
産油国の増産凍結合意見送り、108円割れの円高、熊本地震の被害拡大でサプ
ライチェーンの寸断、その影響でトヨタなど主要企業の工場操業停止、それに加え
自然災害による訪日観光客減少の懸念と悪材料のオンパレードで週明け18日は
572円の大幅安でした。この時点では先週の大幅高の反動もあり19日以降も再び
下値模索の展開も予想されていました。

ところが欧米市場で原油価格が一時的な下落に止まり米国株は1万8000ドル回復
し今年の高値を更新しました。原油価格の下げ渋りや欧米株高から円相場もリスク
オンで108円後半の円安で戻ってきました。東京市場は朝から大幅に上昇して始まり
終わってみれば18日の下落分を完全に取り戻す598円高の1万6874円と僅か一日で
買い方と売り方の立場がまるっきり逆転しました。

新年度相場入りした4月以降13営業日中半分近い6営業日で300円以上の変動を記
録し短期筋の売買で相変わらずボラの大きな相場となっています。長期投資家が様
子見を決め込み個人投資家の動きも鈍くどうしても短期筋の影響が一日の相場の
方向性を決めしてしまいます。そのことが日々の動きは大きくとも相場の方向性
は今ひとつはっきりしない原因です。

もっとも19日の東京市場が急反発したのは海外投資家の売買動向に変化の兆しが
出てきたからでしょうか。海外投資家は4月第1週に14週ぶりの買い越しに転じま
した。買い越し額は326億円と決して多いほうではありませんが、3月までが数千億
円単位の売り越しの週もあったことを考えれば雲泥の差です。日本株大幅下落の
犯人だった海外投資家の売りが少なくとも止まり買い越しに転じたことが4月第1週
以降の株価上昇の要因です。

その背景として欧米市場の株高から海外投資家がリスク許容度が増し日本株にも
買いが目立つようになったことかもしれません。短期筋が空売りを仕掛けても実需の
海外投資家の現物売りが追随しないことで買戻しを迫られたと言うのが18日の大幅
安から一転大幅高した19日の東京市場の動きだったようです。海外投資家が買い
越しに転じれば上昇し反対に売り越せば下落する傾向の強い日本株は分かりやす
い流れです。

米国株は「sell in May」の格言のように5月高値に向かって一段の上昇を続けるの
でしょうか。遅ればせながら日本株も欧米株高のおこぼれから戻りを試す展開が
GW前後まで続くのでしょうか。これまでも今後もやはりポイントは海外投資家
の売買動向次第のようです。


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