kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日銀本当にそれ必要?

2016-04-05 08:22:41 | 日記
発表直後は比較的前向きな評価が多かったマイナス金利導入でしたが先に
導入した欧州で銀行の収益が圧迫される懸念から金融銘柄が売り込まれた
連想から東京市場でも金融銘柄の売りが止まらなかったこともあり円安株高
期待はあえなく消えました。

すっかり市場から信頼を失った黒田日銀の次なる一手は何が出てくるのでしょ
うか。これだけマイナス金利政策が市場から不評を買ったことからマイナス金
利の一段の引き下げという政策は取れなくなったとの見方が市場では多いよ
うです。しかし昨年まで日銀頼みの株高で美味しい思いをしてきた市場は日銀
に恨み節を言える立場なのでしょうか。永遠に上げ続ける相場がないことを考
えれば遅かれ早かれ日本株の賞味期限切れは避けられなかったのでしょう。

円安トレンドが途切れた途端海外投資家からそっぽを向かれてしまう日本株の
根本的な問題解決なくしていつまでたっても為替連動の強い相場から抜け出す
ことは出来ません。円安という追い風が止んだ今こそ企業はもう一度収益力を
高めるには何が必要なのか再考する必要がありそうです。

4月3日付の経済紙によると年末明らかになった新たな金融緩和策に対応した
ETFが5月にも登場することになりました。賃上げや雇用拡大、設備投資に前
向きな企業の株式を主な投資対象とする新型ETFは日銀の肝いりで組成され
ることになりました。新たに上場される新型ETFは日銀が年間3千億円を買い
入れることが既に決まっています。日本経済活性化を狙い設備、人材投資に
積極的な企業を応援するというのが日銀の言い分です。

その志は賛成できても設備投資や雇用は民間企業が独自の経営判断で実施
するものです。企業に勝算があるから行うもので将来その積極策が裏目に出
て業績の足を引っ張ることになるかもしれません。わざわざ日銀が資金まで投
入するのはいささかやり過ぎではないでしょうか。経営危機に陥ったシャープや
2期連続で7000億円超の最終赤字に陥ったパナソニックは液晶やプラズマ事業
に巨額な設備投資を行ったことが裏目に出た訳です。

巨額な設備投資や賃上げや雇用拡大は一歩間違うと業績の大幅な足枷ともな
ります。それ程経営者にとっても重要な意味を持つものです。巨額な設備投資
は間違った決定の場合過剰生産に陥ったり大幅な人員増や賃金引き上げはコ
ストアップから競争力低下を伴ったりします。市場の先行きを読むのは難しく常
にリスクと背中合わせです。株価下支えとして最近ではめっきり話題にならなく
なった日銀のETF購入ですが新型を導入する意味がどれ程あるのか。市場も
そろそろ日銀離れをする時なのかもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする