kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

期待外れの日本株高

2023-02-04 15:44:08 | 日記
昨年末時点では日本の2023年相場は欧米市場に比較して堅調な展開になるという見方が
多かったようです。背景には日米欧の経済成長率は日本が一番高いという見方があった
からです。欧米が高インフレ退治で金融引き締めを強める一方、日本の物価上昇率は欧米
に比べれば低く急激な金利上昇の懸念もありません。

コロナ禍での行動制限もなくなり経済正常化が期待できる。また中国が12月初旬にゼロコ
ロナ政策を転換したことから経済回復が期待でき中国からのインバウンドも復活するとい
う見通しがあったからです。

しかし株式市場では欧米市場が1月の上昇率が1割に達したのに対して日本市場は5%の上昇
に止まり物足りない動きです。背景には日本企業の業績不安があるのでしょうか。続々と発
表される決算では化学セクターは下方修正ラッシュです。電機セクターもスマホ向け電子部
品やデータセンター向け電子部品の不振で圧倒的に下方修正の企業が多いようです。

そして目立つのが業界の勝ち組と負け組との業績の格差が広がっていることです。電機で
はソニーが上方修正する一方、パナソニックは下方修正でした。化学でも信越化学が独り
勝ちで既に決算を発表した大手の三井化学や住友化学は急激に収益環境が悪化しています。

大幅な円安を支えに今期業績の期待が高かった日本企業でしたが、世界景気の減速で露に
なったのは稼ぐ力が低下して構造改革が待ったなしという現実です。業績不振で明らかに
なるといち早く人員整理などリストラ策をまとめ早めに手を打つ欧米企業との差は歴然で
す。

確かに日本では雇用形態の違いから欧米のような人員整理は出来ません。しかし業績改善
が欧米企業に比べて遅れるのは経営陣の危機感のなさとの指摘もあります。もう少し株主
からの圧力が強くないと日本企業は変われないのでしょうか。日本企業でも欧米企業と遜
色ない経営をしている企業は存在します。

しかし残念ながら欧米企業に比べてその割合は圧倒的に少ないようです。プライム市場に
上場している企業のうち4割がPBR1倍割れという現実を何とかしなければ海外投資家の評
価は高くならないでしょう。企業が稼ぐ力を高めなければ従業員の賃金も継続的に上昇し
ません。

4日付の経済紙には「米テック5強、全社減益」という見出しが躍っていますが、それでも
ダウは11月の水準まで戻してきています。大型テックが不振でも他の企業がある程度カバー
出来ている米国企業の底力を感じます。

次回の更新は7日を予定しています。
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