またもソフトバンクが

海の日で休日だった18日大きなM&Aのニュースが飛び込んできました。
ソフトバンクグループは半導体設計の英アーム・ホールディングスを３兆
3000億円で買収すると発表しました。買収額はソフトバンクグループが過
去に手掛けた英ボーダフォン日本法人や米携帯電話子会社スプリントの
規模を巨額な買収劇で日本企業が絡んだ買収としては過去最高額です。

ソフトバンクは今年中国ＥＣ最大手のアリババやフィンランドのゲーム企業
のスーパーセルそれに日本のスマホゲーム企業のガンホーの売却で総額
2兆円近いキャッシュが転がり込むことになり市場はその使い道を巡って様
々な噂が囁かれていました。総額12兆円の負債の返済に充てるとか追加
の自社株買いを実施するとか、米ヤフーの持ち株を買い取るとか様々な
憶測が飛び交いました。

様々な機器がネットに繋がるＩｏＴ事業には大きな将来性があると言われて
います。機器に搭載されるCPUの需要はうなぎのぼりに増えるとの見方が
されています。モバイル機器のCPU設計で85％のシュエアを占め業界標
準を握っているアーム社にはライセンス収入も確実に増加します。また日
米の通信子会社が持つ通信網を活用して車や家電メーカーと新たな通信
サービスを共同開発するケースで傘下に収めたアーム社の半導体設計技
術が活用できるという見方もあるようです。

巨額買収に踏み切った背景にはBrexitショックでポンドが急落したこともあ
るようです。対円でポンドは昨年高値から先週末時点で28％、2015年末時
点でも22%円高ポンド安が進みました。孫社長はポンド急落を千載一遇の
チャンスと考えたのでしょう。この買収劇がソフトバンクの将来にどのくらい
貢献するか現時点では答えは出ません。しかし通貨高は日本企業が経営
方針に上げている海外M&Aでは大きな追い風となります。円高のデメリッ
トばかりがこのところは市場に蔓延していますが円高メリットに照準を合わ
せればまた違った見方も出来ます。ＡＩやＩｏＴぼ未来に会社の未来を託すと
いう孫社長の狙いがあるようです。