kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

振り出しに戻った観光立国

2020-04-24 04:39:28 | 日記
航空各社のゴールデンウイーク期間(4月29日~5月6日)の予約状
況が明らかになりました。国際線の予約数は前年同期比97.3%減
国内線は88.8%減に落ち込みました。10連休だった2019年の反動
に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国内外で出入国
制限や移動自粛の動きが広がったことが響いたことは間違いない
ようです。

コロナ対策として人との接触を8割削減が目標となり3密を避け
ることが連日のようにニュースとなってはこの数字も仕方ないで
しょう。不要不急の外出と言われれば真っ先に旅行はやり玉にあ
がります。日本国内だけでなくこれを世界中の国々が政府主導で
推進している訳ですからもはや航空各社だけでなく観光業全般に
未曽有の打撃になっています。

星野リゾート社長がテレビで話していたようにインバウンド回復
は一番最後になるというのはおそらく真実になりそうです。観光
立国は安倍政権の成長戦略で唯一と言っていいくらいの成功事例
でした。しかしコロナショックで振り出しに戻ってしまったよう
です。

観光業は中小企業が多くまた地方経済への影響も大きいという特
性があります。経営体力の弱い中小企業には時間の猶予は余りあ
りません。海外からの観光客の需要が当面期待できないとなると
国内客に期待するしかありません。

政府もコロナの終息の目途が立てば観光産業の再生に力を入れる
でしょうが当面は感染拡大を阻止することが最優先されます。時
間が掛かれば掛かるほど観光業の再生は難しくなります。

2014年から2019年の6年間で訪日観光客は3.7倍に急増しましたが
中国、香港、韓国、台湾で全体の7割を占めるなど地域的な偏り
も大きく近隣からの観光客は滞在日数も短いという側面がありま
した。滞在日数が短いために結果的に一人当たりの消費額は少な
く必ずしも理想的な姿とは違っていました。量だけでなく質も追
求しようとした矢先にコロナショックの直撃を受けました。

既にコロナの影響やオリンピックの延期もあり2020年の訪日観光
客はかなりの落ち込みが予想されています。政府目標の2020年で
訪日観光客4000万人は完全に幻になりました。コロナの終息時期
が先延ばしになれば2019年の半分にも到達しないということもあ
るかもしれません。

しかし人口減や製造業の海外移転もあり日本の成長には観光業は
重要な産業です。またイベントリスクは観光業にとって避けられ
ない課題です。如何にリスクを分散し事業継続を続けれれるのか
コロナ後の宿題です。

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