kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

コングロマリットを考える

2020-09-09 06:04:14 | 日記
菅政権誕生が確実になり政策期待からオンライン診療のメドレー地銀
再編期待から多くの地銀が値を飛ばしました。一方菅官房長官が旗振
り役になっていた携帯料金値下げへの風当たりが一層強くなるという
懸念から通信キャリア各社には売りが増えました。

もっともこれは短期的な動きに止まるかもしれません。地銀再編で地
銀株高という図式には疑問符が付きます。たとえ再編が実現したから
と言って業容拡大で株高が続くかは甚だ怪しいところがあります。

再編が実現したコンコルディアや九州フィナンシャルふくおかフィナ
ンシャルグループと再編しなかったグループを比べると短期的には再
編で収益力が高まると株高傾向がみられましたが数年単位で見ればほ
ぼ同じ動きです。

銀行業界だけでなく数年前大規模な再編が相次いだ石油元売り銘柄も
再編期待で上昇した株価はほどなく下落に転じました。結局再編期待
が高まるような業界は過当競争で利益率が低いという共通の問題を抱
えています。製品とかサービスの差別化も難しい業界です。

再編で生き残ることはできても成長期待が再編後も高まることがなく
次第に失望売りが増え株価も下落するパターンが一般的です。あくま
でも短期筋が好む値鞘稼ぎの対象です。再編で成長力が高まったケー
スもありますが、稀なケースです。

政府による通信料金の値下げ圧力の高まりは携帯キャリアにとって当
面はマイナス材料です。しかし世界を見渡せばニューヨークに続いて
通信料金が高いという現実は値下げ圧力が今後も続くと考えるべきで
す。通信キャリアが主張している値下げで巨額な5G投資へ悪影響があ
るという主張は国民の理解を得られません。

ほぼ国内事業に基盤がある通信キャリアがとるべき道は通信料金だけ
に依存する体質から非通信分野の収益化の加速です。決済事業への参
入は収益多角化への正しい選択です。海外投資家はコングロマリット
ディスカウントを批判しますが、業種や置かれている自社の環境も含
めて良し悪しを判断すべきです。

単品経営は外部からも収益動向が分かりやすいです。しかしGAFAでも
アップルはパソコンからスマホそれに近年では配信など課金ビジネスを
拡大しています。アマゾンはEC主体からWEBサービスを急拡大し成長
を加速させました。グーグルもネット広告からスマホのOS開発で課金
サービスを収益の柱に育てました。

大事なのは強い事業なら多角化することも市場から評価されるというこ
とです。日本の通信キャリアも国内通信事業だけでは収益の壁にぶつか
ります。通信料金値下げ圧力を非通信分野の拡大に結び付けられれば新
たな成長シナリオも見えてきます。


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