kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日産の試練

2013-12-17 05:54:40 | 日記
5月以来の円安水準である103円台の円安にも拘わらず自動車株全体の値動
きは先週高値を更新したマツダ以外は芳しくありません。特に大手3社の一角
である日産自動車株は今期業績を下方修正したことから5月22日高値1250円
から16日終値ベースで3割下落しています。11月の米国販売が1割弱上昇した
ことや稼ぎの中国市場の復調という好材料が出たにも拘わらず減益決算発表
で記録したザラバ安値850円に再び近づいてきました。

まあ円安効果で多くの輸出産業が今期大幅増益を達成しそうですからやはり
減益決算企業にはなかなか投資資金が戻ってこないのでしょう。それに加え
トヨタやホンダのHV車が国内市場で普通車販売のスタンダードになりつつあ
る中で日産が力を入れるEV車は価格の高さや航続距離の短さなどから伸び
悩んでいることも今後の日産の不安材料です。

一時はカリスマ経営者ゴーン社長のもと華々しい復活劇を遂げた日産自動車
ですが、バブル崩壊後の1990年後半の業績不振時に研究開発費を削減した
ことがトヨタ、ホンダの2社に対してHV開発で大きく出遅れ対抗上EV開発に
開発資源を集中したという裏事情があったようです。自動車企業は魅力的な
車を開発して売れる車を出せるかどうかが命運を分けます。それには研究開
発費を十分確保しなければなりません。

自動車メーカーで今年業績絶好調な富士重工とマツダは業績が苦しい時期で
も研究開発費を確保し消費者に支持される魅力的な車を出せたことが躍進に
繋がりました。下位メーカーの両社は大手と同じ路線で勝負しても勝ち目は
ありません。如何に限られた経営資源を有効に使い独創的な車を開発できる
かが勝負です。確かに両社の業績好調な背景は日本メーカーの中でも輸出
比率が70~80%と高く円安メリットを最大限に受けたということもありますが
消費者に支持される魅力的な車を世に送り出せたからです。

バリエーション的には800円半ばなら下値は限定的だと思うのですが現在の
東京市場は自動車のような景気敏感株よりも業績のブレの少ない通信や食品
の一角に人気が集まっていますから値ごろ的には魅力的でもなかなか浮上の
キッカケが掴めない状況です。いずれは見直し買いがあるかもしれませんが
その場合でも当面は大幅な上昇は期待できず人気化しても短命に終わるかも
しれません。

追加
今日の東京市場はNY高から反発しそうですが、寄り天になる銘柄も出てきそう
です。FOMCで年内の緩和縮小があるのかどうかまたその結果を受けて市場が
どんな反応を示すのか予想がつかず様子見ムードでしょう。昨日のように先物
主導による荒い展開に今週は注意が必要です。

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