1月31日に日立は上場子会社の日立ハイテクノロジーズをTOBで
完全子会社化すると発表しました。総額5311億円を投じ子会社化し
たのち事業再編で図るようです。市場では市況変動が激しい半導体
製造装置事業を売却するのではないかと言われています。
このニュースを受けて3日の日立株は3%下落し2019年の年末に上昇
した分を吐き出しました。週明けの東京市場は先週末のNY市場の大
幅安を受け下落したとはいえ大引けの下げ幅は233円に止まりました。
中国や東南アジア市場で幅広ビジネスを展開している日立株には逆
風ですが、既に先週末まで高値から10%程度下落していたことを考
えるとこのディールに対する市場の反応はネガティブなものと判断
できそうです。さらなるTOB価格引き上げ懸念で会社側の負担増に
繋がるという懸念もあったのかもしれません。
日立ハイテクノロジーズ株の31日の株価に対してのTOBプレミアム
は1%程度ですが、日立化成株の売却方針が市場に伝わった昨年3月
以降の上昇率は45%です。決して買い得な価格ではありません。
今回のグループ人事からは日立金属は業績を立て直しの目途が立て
ば外部企業に売却するでしょう。売却できれば4000億円近い金額は
期待できます。半導体製造装置事業の売却が実現できれば十分カバ
ー出来、現金の社外流出はないでしょう。
日立ハイテクノロジーズは半導体製造装置事業以外に高収益事業の
科学・医療システムも抱えていて会社丸ごとの売却は考えられなか
ったのでしょう。市場変動が激しく研究開発費も膨らむ半導体事業
の売却は日立が掲げる売り切り事業から課金できる事業に舵を切る
という方針に沿っています。
今回の日立ハイテクノロジーズの完全子会社化は避けられないこと
だったとしても5000憶円という巨額な金額には市場からの評価は低
かったようです。おそらく日立に求められるのは本体との相乗効果
の見込めない子会社を売却する方向は歓迎ですが、売却で売り上げ
は減少するので本体との相乗効果が見込める企業の取り込みに資金
を使うことだったのでしょうか。
既に日立は選択はかなり進んでいます。日立の課題は抱えている事
業で世界で首位を争えるものがないことです。注力している鉄道事
業も世界首位のシーメンスが1兆円規模ですが、日立は半分程度で
す。社会インフラであるエレベーター事業も世界のトップに比べて
売り上げ規模でかなり差をつけられています。
利益率の高い情報・通信システム事業も国内ではトップクラスの売
り上げ規模ですが、世界の巨人と比べると規模の劣勢は明らかです。
日立は売り上げ規模よりも利益率を重視する方向に舵を切っていま
すが、売り上げ増が伴わなければ中長期の成長は期待できません。
今後の課題は集中でどれだけ強い事業を育てられるかです。
完全子会社化すると発表しました。総額5311億円を投じ子会社化し
たのち事業再編で図るようです。市場では市況変動が激しい半導体
製造装置事業を売却するのではないかと言われています。
このニュースを受けて3日の日立株は3%下落し2019年の年末に上昇
した分を吐き出しました。週明けの東京市場は先週末のNY市場の大
幅安を受け下落したとはいえ大引けの下げ幅は233円に止まりました。
中国や東南アジア市場で幅広ビジネスを展開している日立株には逆
風ですが、既に先週末まで高値から10%程度下落していたことを考
えるとこのディールに対する市場の反応はネガティブなものと判断
できそうです。さらなるTOB価格引き上げ懸念で会社側の負担増に
繋がるという懸念もあったのかもしれません。
日立ハイテクノロジーズ株の31日の株価に対してのTOBプレミアム
は1%程度ですが、日立化成株の売却方針が市場に伝わった昨年3月
以降の上昇率は45%です。決して買い得な価格ではありません。
今回のグループ人事からは日立金属は業績を立て直しの目途が立て
ば外部企業に売却するでしょう。売却できれば4000億円近い金額は
期待できます。半導体製造装置事業の売却が実現できれば十分カバ
ー出来、現金の社外流出はないでしょう。
日立ハイテクノロジーズは半導体製造装置事業以外に高収益事業の
科学・医療システムも抱えていて会社丸ごとの売却は考えられなか
ったのでしょう。市場変動が激しく研究開発費も膨らむ半導体事業
の売却は日立が掲げる売り切り事業から課金できる事業に舵を切る
という方針に沿っています。
今回の日立ハイテクノロジーズの完全子会社化は避けられないこと
だったとしても5000憶円という巨額な金額には市場からの評価は低
かったようです。おそらく日立に求められるのは本体との相乗効果
の見込めない子会社を売却する方向は歓迎ですが、売却で売り上げ
は減少するので本体との相乗効果が見込める企業の取り込みに資金
を使うことだったのでしょうか。
既に日立は選択はかなり進んでいます。日立の課題は抱えている事
業で世界で首位を争えるものがないことです。注力している鉄道事
業も世界首位のシーメンスが1兆円規模ですが、日立は半分程度で
す。社会インフラであるエレベーター事業も世界のトップに比べて
売り上げ規模でかなり差をつけられています。
利益率の高い情報・通信システム事業も国内ではトップクラスの売
り上げ規模ですが、世界の巨人と比べると規模の劣勢は明らかです。
日立は売り上げ規模よりも利益率を重視する方向に舵を切っていま
すが、売り上げ増が伴わなければ中長期の成長は期待できません。
今後の課題は集中でどれだけ強い事業を育てられるかです。
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