kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

東芝迷走は止まらない

2017-02-15 08:11:13 | 日記
14日の東京市場は東芝にまたも振り回された一日になりました。
東芝の決算発表は正午に予定されていましたが、一向に開示さ
れたという情報がなく14時30分になり決算発表の1ヶ月間延期が
明らかになりました。結局6時半30分から開かれた綱川社長の会
見の中で12月末時点で1912億円の債務超過に陥ったと「会社側
の見通し」として公表しました。

不適切行為」の疑いが再び発生したことが延期の理由らしいので
す。今度の舞台は傘下の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)
であることから一層事態は複雑になってきました。これまで市場の
関心は原発関連の損失がどのくらいの額まで膨らむのか。3月末
の債務超過は避けられるのか。資産売却は半導体子会社一部売
却だけなのかそれとも追加で上場子会社の売却があるのかどうか
でした。

決算内容とともに東芝再建の行方を占う決算発表になる筈でした。
それだけに市場の関心も高かったのです。それが「ドタキャン」に
なるとはガバナンス不在は深刻のようです。米原子力大手WHを
日本の本社はコントロールできていないことを改めて露呈しました。

WHは東芝の将来を担う買収劇だった筈です。しかし現実は巨額
な資金をつぎ込んで買った後は現地の経営陣任せでどこにリスク
がありどう対処するのかといった重要な点は欠けたままだったよう
です。昨年の新生東芝の経営再建策で半導体事業と原子力事業
は二本柱だった筈です。それにしては内部管理がお粗末という指
摘をされても反論できません。

社長会見の中で参加者が最も驚いたのが、分社化する半導体事
業にへの外部からの出資割合についてでした。これまで2割未満
としていた比率を過半数を割り込んでも良いと示唆したことでした。
現在の東芝で国際競争力があり大きな利益をあげることが出来る
唯一の事業である半導体事業の主導権を失うことを意味します。

もし社長の示唆の通りになれば半導体子会社はもはや東芝の連
結子会社ではなくなります。大きな収益の柱を失い残った事業で
とても大企業東芝の屋台骨を支えることは難しいでしょう。そんな
状況は経営陣も承知している訳です。虎の子の孝行息子を手放
さなければならないほど現在の東芝の状況は深刻だということな
のかも知れません。

3期限の月末にかけてまだまだいろんな動きが出てくるでしょう。
どんな再建策が出るか分かりませんが少なくとも東芝は総合重
電3社の一角という看板は下ろさなければならないようです。将
来性がある事業を次々に切り売りしまう東芝という会社の未来
は見えないようです。
コメント
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