kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

自動車販売は米国堅調、中国軟調

2012-10-09 08:31:15 | 日記
日産(5日終値669円)と富士重工(708円)の2社の株価逆転が世界の景気
動向を代弁しているようです。ご存知のように日産自動車の中国事業での
収益依存度は大手3社の中で最も高くここ数年日本メーカーでもっとも中国
事業を伸ばしました。今年はこれまで中国市場の販売も昨年までの勢いを
失っているところに不買運動が起こり中国依存度の高さから株式市場では
大手3社ではもっとも業績下方修正が心配されています。

片や富士重工は米国事業が収益の柱です。輸出依存度が高く円高の影響を
もっとも受ける企業ですが、米国市場でレガシーやフォレスタ、インプレッサと
言った車種が相次いでヒットしてプレミアム市場でスバルブランドが定着して
売り上げを伸ばしています。

また車の競争力のバロメータとして販売奨励金の額も日本大手3社が2000ドル
から3000ドルと言われているのに対してスバルブランドの車は500ドル程度と言
われています。それだけ値引きをしないでも売れるという結果になっています。
円高面のマイナスを売り上げ増と稼働率の高さでカバーしていて増額修正が
高いと市場では見られているようです。自動車各社の株価不振の中で富士重工
だけ1社気を吐いている格好です。

勿論トヨタやホンダも米国市場の販売増で恩恵を受けていますが、中国市場の
不安が足を引っ張っているようです。スバルも中国での販売は他の日系メーカー
と同じように苦戦していますが、現地生産はしておらず販売台数も少ないため
相対的に影響は軽微のようです。

10月から12月期も米国市場の堅調さと中国市場の苦戦と言う構図は続くで可能
性は高そうです。中国市場の不振を米国市場の好調でどれだけカバーできるか
が各社の明暗を決めそうです。先週年初来の安値を更新した日産と年初来高値
を更新した富士重工は世界の1位、2位の自動車市場の今年の動向を象徴して
いる出来事からも知れません。

自動車業界はご存知のように裾野の広い業界です。何しろ2万点もの部品が
必要な訳ですからその影響は部品各社だけでなく素材メーカーの化学、非鉄
鉄鋼それに電子部品といった業界にも大きな影響が出ます。国内市場はエコ
カー補助金の終了で今後の販売減は避けられません。今後発表される決算で
企業が下期どのような見通しを出してくるか注意深く見る必要がありそうです。

コメント
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