goo blog サービス終了のお知らせ 
不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

日々是好日10

2010年11月28日 | Weblog
続、テレビ

 子供の頃のわが家にテレビが来たのは、私が小学校5年生の時、年末には聖徳太子の一万円札が発行された1958年。翌年(昭和34年)には当時皇太子であられた天皇陛下がご成婚されたことで、パレードを見るためテレビが大幅に普及した。しかし、以前からすでに富裕層には普及しており、理髪店なども置いていた。昭和30年代は大相撲が全盛時代で、理髪店の窓の外にテレビの大相撲見物をする人だかりが出来たり、「月光仮面」などは知り合いの家を頼ってテレビを見せて貰いに行っていた時代だった。

 テレビは相撲、プロレスに野球とスポーツ中継に当時から威力を発揮したけれど、ドラマでは西部劇やウォルト・ディズニーものから「パパは何でも知っている」などアメリカ発のものが多く、アメリカ文化の影響を強く受けるツールともなったのではないか。その後、NHKの大河ドラマが始まったのが昭和38年(1963年)で、第1回は「花の生涯」とあるけれど、3年目の緒方拳さんが主演した「太閤記」は見た記憶がある。信長を演じた高橋幸治さんが嵌まり役で、視聴者から延命コールが起こり、NHKもこれに応えた。大河ドラマも来年50回の節目となる。

 ハナ肇とクレージーキャッツが活躍したバラエテー番組「シャボン玉ホリデー」や藤田まことさんの「てなもんや三度笠」、坂本九さんらが活躍したNHKの「若い季節」も1960年代初期の人気番組だった。先日クレージーキャッツの谷啓さんが亡くなられたけれど、往年のテレビ界を支えた名タレントの多くがすでに鬼籍に入った。

 大宅壮一氏の「テレビで一億総白痴化」現象は確実に進行したとは思うけれど、それはテレビの罪ではなく、番組の制作者にあり、視聴者の活用の仕方に問題がある。それにしても昨今のニュース番組のコメンテーターの質は悪い。尖閣漁船問題で中国とこじれた時には、「小沢さんに仲介を頼めばいいのに」というコメントがあったのにも驚いた。相変わらず小泉改革で格差が広がったと根拠を示さないままのコメントも多い。そのような評論家を使うテレビ局のレベルが低いことはいうまでもない。そんなことだから安易な政権交代につなげて国益を損なっている。今頃現政権を批判してみても、昔にも流行った「マッチポンプ」でしかありはしない。

 しかし、テレビはドキュメンタリーなど、良質な番組も多い。製作者の渾身の意気込みが伝わるものも多い。先日NHKで放映された「天空の一本道~秘境・チベット開山大運搬~」にも感動した。真夏の2カ月間だけ通行できる幅1mにも満たなく見える断崖絶壁の山道を、村人はそれぞれの荷を背負い、委託された米などを馬の背に、家族の待つ秘境である自分たちのを目指す。気温0℃の標高4650mの峠を越えて、麓は30℃を超える多湿のジャングルを経る3日がかりの過酷な旅だ。5000km離れた中国の学校に進学する娘を送り出す母親の涙。その旅もまずはその峠を歩いて越えなければならない。

 このような民族がまだ世界には居る。一方わが国民は、これほど物とインフラに恵まれ欲ボケ平和ボケして、格差社会だと大騒ぎする。挙句、もうダムは要らない道路は要らない、戦争はご免だから基地は要らないとお経のように唱えて、その上国民には借金を重ねるバラマキをやると訴えれば代議士に成れて、政権さえ取れる民族であるらしい。

 もっともこのようなドキュメンタリーを、機材を抱えて撮影取材したスタッフも凄い。まさに彼らも命がけの仕事であったことを思うと、政治家は兎も角この民族のテレビ局スタッフにもまだまだ骨のある人材がいることで心強い。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々是好日9 | トップ | 日々是好日11 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事