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診断士のひとり言8

2009年06月22日 | Weblog
人生の旬

 6月17日の読売新聞夕刊に面白い記事を見つけた。面白いと言っては関係者にお叱りを受けるかもしれないけれど、新聞の論調も通常の犯罪を伝えるものとは異なり、何となくほほえましく報じていた。以下全文を引用する。

 『札幌市厚別区で無許可のスナックを開いたとして、札幌厚別署が「ママ」を務めていた女子高生(18)らを風俗法違反容疑で逮捕、送検していたことが17日わかった。捜査幹部によると、この女子高生はホステスとして働きながら食品衛生責任者の資格を取るなど勤務態度を評価され、2年生だった今年1月、店長に昇格。年上のホステス8人を使いながら店を切り盛りする“敏腕”ぶりで、売り上げが月200万円を超える時もあったという。

 摘発されたのは同区厚別中央のパブスナック「ムーン」。捜査幹部によると、女子高生は今年5月、経営者の男(34)とともに、北海道公安委員会の許可を受けずに同店を営業、女性従業員に接客させた疑い。

 女子高生は親元を離れ、札幌市内で一人暮らしをしながら通信制高校に在学。生活費と学費を稼ぐため、市内の複数のスナックなどで働き、昨年10月、同店に移ったという。ママに昇格した後も、飲み放題メニューを設定したほか、ホステスの誕生会を開くなど気配りも忘れない商才を発揮したが、学校は休学状態になっていた。

 女子高生は現在、少年鑑別所に収容されており、「働いているうちに学校が面倒になってしまった。今はちゃんと高校を卒業したい」と反省しているという。』

 単なる無許可営業であれば、オーナーであろう34歳の男のみが逮捕されればいいわけで、女子高生ママは風俗店で働くには年齢不足で補導されたものと思われる。普通の商売に従事していたのであれば、休学状態になっていたとはいえ、また家庭の事情がどのようなものであったかは知らないけれど、これは二宮金次郎ばりと言えば大仰だけど、苦学の士と褒められても良かった。飲み放題メニューの設定やホステスの誕生会を開くなど、企業経営の才覚も立派なものである。彼女は自身の人生の旬の時期を生きていたのではないか。

 以前から気になっていることなのだけれど、義務教育は中学三年生までの15歳で終わりながら、風俗関係の仕事となると18歳から。また飲酒や喫煙、選挙権は20歳からと、なにかちぐはぐな規制が横行しているようで疑問である。ただでさえ、栄養状態の向上や情報の氾濫によって、高度経済成長以前の未成年者と現代のそれでは全く異なる条件下にある。

明治、大正の時代であれば、平均寿命の短さもあってか10代で嫁ぐ女性も多かったように聞く。現在はといえば結婚適齢期などという言葉は死語になり、婚活などの言葉が現れたり、草食男子に肉食女子など、面白おかしく若者の生態が揶揄されるけれど、結果少子化対策大臣くらいが産休で手本を示さねばならぬ時代。恋愛の自由さえ制服の下に閉じ込めるようなことはせず、もっと思い切って男女とも子供扱い年齢を下げてもいいのではないかと思う。政治やマスコミがやたら一方的に保護すべき対象を量産しているようにさえ感じる。

 人生旬の時期は人それぞれで、大器晩成もあれば早熟な人もいる。それぞれが生まれ持った才能を如何なく発揮するためには、それぞれの個性を尊重する意味からも、ここでも少し規制緩和が必要なように思う。世間の荒波に抗してたくましく生きていこうとする芽をつぶしてはならない。法で縛ることより義務教育9年間の内容を充実して、若者が人生を踏み誤らない精神を陶冶することこそ肝要ではないか。
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