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日々是好日16

2010年12月16日 | Weblog
12月8日

 昭和16年(1941年)『12月8日未明、帝国陸海軍は西太平洋において、アメリカ、イギリス軍と戦争状態に入れり』。私が生まれる6年近く前の話だけれど、その年私の母は22歳、1児の母であった。母は米国との開戦のニュースに体が震えたという。武者震いではない。

 一方、昔テレビでも随分と活躍された政治評論家の藤原弘達氏*16)は当時、郷里広島から岡山の旧制高校を経て東京帝国大学法学部の学生であったそうな。開戦当時氏は、米国との戦争に負けるとは全く思っていなかったそうである。

 その話は、氏が昭和56年(1981年)8月に広島県大竹市の市民大学講座の講師としてこられ、1時間半熱弁を振るわれたのだけれど、その中で語っておられたものだ。氏と同世代の庶民である一主婦であった私の母が、怖さに体を震わせたのとは好対照である。氏は敗戦後自分の不明を恥じ、戦後は現実の社会を内から外から知る為に世界をまわり、各国のリーダーから庶民の生活ぶりまで見て歩いたそうである。外国を見る時、特に女性の有り様に注目したそうである。女性が幸せに暮らす国はいいというわけである。この視点は流石と思う。

 一般に女性は本能的な感性に優れるように思う。だからその在り様は自分の環境を敏感に反映する。ただ、自身の色恋に関しては別のように見えるが。例えば女性のいる職場では、上司や男性同僚の質が、みごとに職場女性の雰囲気に反映されるものだ。勤めていたころに工場内他部署をいろんなことで訪問する機会があったけれど、女性社員(パート社員も含む)の雰囲気から、その職場の善し悪しを感じたものだ。

 多くの情報を持ってはいてもそれぞれを検証せず、都合よく解釈するのは存外エリート族に多いのではないか。当時東大生の藤原氏もそうであった。現代日本の政治家にはそのレベルで止まって人が多いと見る。テレビで拝見する特に民主党の代議士にはそれが言える。政治家に対する「優秀」の判断基準を間違えている人も多い。だから国政を誤る。

 先の大戦については、識者の間にも評価が大きく分かれるところがある。結果としてかけがえのないあまりに多くの人命が露と消えたけれど、ひとつ言えることは「戦った民族は滅ばない」ということではなかろうか。敗戦後のわが国の復興をみればそれが分かる。ただ、占領下に統治された相手国が米国で良かったということもある。ソ連であれば、現在の北朝鮮になっていたのではないか。

 政治にベストはない。世界が軍事同盟から平和共同体に移行する潮流の中で、なぜ日米同盟堅持なのかという意見が民主党政権になって、さらに喧(かまびす)かったが、ここに来てようやくその意義の理解が国民に浸透してきた。中国、北朝鮮そしてロシアの動きをみれば、日本がいかに軍事的に不安定な地理的位置にあるかが認識されるであろう。このような無法者国家に囲まれている国は、世界の先進国では日本ぐらいなのだ。同じような価値観を共有する国との連携はお互いに効率的なのである。他国の横暴には備えなければならないのである。

 戦争は絶対にいけない。平和が大切だ。と100万遍唱えても、それは侵略を目論む国からすれば思うつぼでしかない。戦う気力をなくした民族ほど攻略するに易きことはない。逆に、たとえ弱くとも刃向ってゆく子はいじめの対象になり難いといわれるごとく、領土の侵略許さじの気迫は重要な抑止力である。「馬鹿な戦争をして」の結果を見てからの批判は容易いが、アジアでただ一国、有色人種を徹底的に見下していた欧米の列強に立ち向かった大和魂はやはり貴重だったと思う。12月8日である。



*16)(1921-1999)細川隆元氏(1900-1994)とのTBSテレビの「時事放談」は人気を集めた。著書「創価学会を斬る」の出版にはいろいろな妨害工作があったとされるが、押し切った。
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