星新一の処女作

「気まぐれスターダスト」(星新一 出版芸術社 2000)。

「ふしぎ文学館」というシリーズの一冊。
短編集などからとりこぼされた作品をあつめた拾遺集。

このなかに、星新一がデビュー以前に書いた、「狐のためいき」という作品が収録されている。
この本の袖の文句では、「真の処女作」。

内容は、自意識過剰な狐の独白。
のちのクールな作風に親しんだ目には、「星新一も最初はこんな作品を書いたんだ…」と、とても驚かされる。
星新一は、最初から星新一だったわけじゃなかった。

「狐のためいき」には、「作者のメモ」という文章がつけられている。
それによれば、これを書いた当時、星さんは22歳。

「子供っぽい感じもあるが、若くないと書けないムードもあるようだ」
と、星さんは、この作品第1号について記している。


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