【今日の おじさん、済まなかったねえ】
昨日のサイエンスショーは好評のうちに、4回の講演を無事に終了することが出来た。(好評の評価は自己採点)
ショーの幕開け早々に、ドラえもんを空に飛ばした時、小学校高学年の女児童から
「ドラえもんの竹コプターは羽根が一組なのに、この模型は何で2組あるの?」との質問があった。
その時、ワシは「あとで説明しますね」と言って、次に予定された話に移ってしまったのだ。
実はショーの前から、この2組のローターのある理由を説明しようかどうか、非常に迷っていたのである。
ショーを見に来てくれる人の年齢は大人から3歳ぐらいまで、非常に幅がある。誰でも分るように心がけてはいるものの、解説内容の取捨選択は難しい。
結局、2組ローターの説明は省略することにしたのであった。
だ・か・ら、この質問があった時は、ワシは非常に嬉しかったのである。
「あとで説明しますね」と言った言葉の裏には、ショーが終わったらその後で。の意味合いだったのだが
その子には、ショーの後半説明があるぞと聞こえたのかもしれない。
そして何事もなくショーは終了し、ヤレヤレあと1回で終了だと、気が緩んでその子の質問はすっかり忘れてしまったのである。
その子もきっと「おじさん説明しなかったわ」と残念に思いながらも会場を後にしたのであろう。
ああ、すまなかった。おじさん悪かったね。 こういうのを後悔と言う。
帰りの電車の中でも、風呂に入っているときも、ベッドでニュースステーション見ているときにも、申し訳なかった気持ちで一杯であった。
ひょっとしてその時に説明していれば、それがきっかけで物理の道か、流体工学の道にその子は進んで、ゆくゆくはノーベル賞を取る、ひとかどの人物になったかもしれないのに。その芽を摘んだ。
今思えばワシも子供の頃、大人に軽くあしらわれた経験がある。大人ってやだなあと思ったよその時は。
うじうじ考えているダメなおじさんである。後悔ばっかりだよ人生は。
◆ 池上さんみたいに、すぐにその場で「いい質問ですねえ」とやれば、今悩まなくて、かっこよくて済んだのに。
◆ 2段ローターの理由はこうだ。
ドラえもんのたけこぷたーの様に、一段だとローターを回すトルク(ひねる力)の反作用でドラえもん自身が回ってしまう。
これを防ぐためにその下に2段目のローターを付けて、これを反対方向に回すと逆のトルクが発生してドラえもんは回らずに済む。その場合はローターのひねる角度を逆にすることが必要なんだ。
たったこれだけの説明である。
質問した少女よこのブログを読んでくれるように。そりゃないか。