おやじ特別便

ひまじんおやじの日常

1961年 外車への招待

2020-12-21 10:54:56 | 本と雑誌

【今日の 古いものシリーズ】

先日は、正田美智子さんの結婚を祝う毎日グラフの記事を紹介した。

皆さん(お年寄りは)面白がっていただいたようである。

今日は車のグラフ誌が出てきたので、その話をする。

写真が多くなるがそのつもりで。

まずは表紙

 値段250円なり

上の文を要約すると

1954年にほんのわずかな数量の外車が輸入された経緯があるが、その対象はタクシー会社や新聞社にだけだった。

1961年の今回は、現実的には戦後初めて一般の人のための車の貿易が自由化になったといえる。

今回の輸入規模は1267台である。

東京晴海の東京国際貿易センターで入札が行われる。エンジンの排気量2000cc以下の小型車は40万円、2000cc以上の大型車は60万円の保証金とともに入札に参加すること。

てなことが書いてある。

いずれにしても大金持ちでなけりゃ「お呼びでない」のだ。

だけんど小学生のワシはこのグラフ誌をみて外車にあこがれたってわけだ。

上は入札に当たっての具体的な手続きを書いてある。

さて車のカタログを抜粋で見ていく

赤色の車はポルシェ1600、下の左はMGA,その上、青色はジャガーXK150、上右はオースチンヒーレー・スプライト

上からルノー・カラベル、フォルクスワーゲン・カルマンギア、ベンツ300SL、プリムスXNR(これは未来の車ということで参考展示)

左ページはキャノンの広告、キャノンレフレックス・ズーム8、という8mmカメラである。47,700円なり。

 

ロータスセブン・シリーズⅡ、2台入荷、ロータスエリート・2ドアクーペ、3台入荷

 

左はMGA1600ロードスター 3台入荷、右はモーリス ミニマイナー850、2台入荷

 

オースチンセブン850スーパーマークⅡ 2台入荷

 

上はポルシェ クーペ1600 1台入荷

下はポルシェ ハードトップ16002台入荷

 

こんな珍車もありまっせ

アンフィーカー水陸両用車1100型 コンパーチブル 4台入荷

4人買った人がいるんだ。すごいぞ。

 

左上から

メルセデス・ベンツ220S 19台入荷

同        190  27台入荷

同        180  4台入荷

 

中央上はフォルクスワーゲン・セダン 71台入荷

中央中はフォルクスワーゲン・マイクロバス デラックス 1台入荷

右に少し顔出ししているのはフォルクスワーゲン・カルマンギア 9台入荷

 

アバルト1600スパイダー 2台入荷

 

ランドローバー・ステーションワゴン サンプルカー(見せるだけ)

車の写真だけでは飽きるので

ソニーのこれ

ソニーの「トランジスタ」テレビ8-301型  69,800円なり

グッドデザインである。

これは今も人気があって1万3千円ほどで現在落札(現在はオークションでこの価値だ)

あとですねえ

これ

チャイルドシート、あ、違う、ベビーシートと書いてある。

さいごはアメリカ車

ポンティアック・テンペスト 入荷3台

フロントエンジン+リアにトランスミッション

米車には珍しい4気筒、6人乗り

 

プリムス・フューリー 入荷35台

プリムスラインのリーダーシップだそうだ。

当時のアメリカは、一般的にこのような大仰なデザインが好まれる。

まあ、今だってトランプなんかを見れば変わっちゃいないかも。

 

出ました。フォード・サンダーバード

アメリカを代表するスポーツカーと書いてある。

8気筒 6,391ccエンジン

オプションで左右に移動するハンドルだって。車検は通るんかい?

このような、当時のアメリカの自動車がワシの夢だった。

デカイ、広い、大馬力、格好よく見えたのだぞ。

サンセット77というロスアンジェルスを舞台にした私立探偵のサスペンスTVドラマが大好きだった少年じゃ。

シボレー・コルベア 入荷3台

空冷・水平対向エンジンをリアに積んでいる。いわゆるRR(リアエンジン・リアドライヴちゅうやつ)

操縦安定性に難があると問題視された。

1961年に戻っていろいろと考えたが

アメリカン・ドリームもすぐに飽きてワシはヨーロッパ車が気になり始めたのであった。

昔のことよ。

 

さてこの写真誌も、とっても捨てられんので保存だな。

 

 

 

 

 


毎日グラフ 皇太子ご結婚特別号

2020-12-17 17:15:31 | 本と雑誌

【今日の 古いものシリーズ】

先ずはこの写真を

1959年の毎日グラフである。61年前だ。

お年寄りは簡単にお分かりと思うが

天皇の結婚式の様子を特集したグラフ誌である。

明仁上皇(当時は明仁皇太子)と正田美智子さんである。

このグラフ誌の値段は100円、当時はこのような大判の写真雑誌が結構あったのである。

次のページは

表紙だけカラーグラビアで、次のページからはモノクロームの写真になっとる。

だから察してほしいがオールモノクロ写真なのである。

話は変わって

上の写真の右側に注目してほしい

三菱電機の冷蔵庫のコマーシャルである。もう少し拡大すると

今は普通に冷蔵庫と言っているが

当時は”電気”冷蔵庫と言っていたのだ。なぜなら、氷を上の段に入れた木製の2ドアの氷冷蔵庫が普通であったのだ。だから電気と言っている。

値段に注目すると

一番高額なのが左上の250リットルタイプで19万3千円

一番安いのが右下の93リットルタイプ5万9千百円

 何じゃあ、今の値段とあんまり変わらんのう。

でもね消費者物価指数で比較すると

だいたい4.5倍ほどになっているみたい。

つまり

約87万円から27万円であるぞよ。

すっげー高い!!

で、気が付くまいと思うのだが

値段が表示されていることだぞ。

今は値段が記載されていることが無い。

当時は「定価」と呼んでいた。定価からいくらまけるかが購入時の駆け引きであった。

(駆け引きは今もしっかりとしとるが)

時代の変化を感じちゃうのだ。

その他のページの、電気製品を調べると

これは東芝電気のCFである。東芝の古いロゴもある。

アップでと

左上の電気釜(今は炊飯器)は、今でも十分に通用する(とワシが勝手に思ってる)グッドデザインだ。電気釜と言えばこれでしょう。

左下の電気ポット(ポッド?)1000円のデザインも秀逸ですなあ。

おっと!電気フライパン1980円もありましたぞ。これはワシャ知らんかった。

右下には変わった形のクリーナー(掃除機)14400円もある。

ワシんちには他にアサヒグラフもあるぞ

それにしても美智子さんは美しかったのです。

捨てるつもりで片付けを始めたが

これじゃあどうなることやら。

結局は再び仕舞い込んで、子供・又は孫にお任せかもね

50年持っていればなんでも「値」が付くというじゃんね。

じゃあな。成功を祈る。

 

 

 

 

 

 


交通誘導員・派遣添乗員・メーター検針員の日記

2020-08-11 13:47:57 | 本と雑誌

【今日の 読書】

本日の題は一冊の本の題名ではありません

3冊ともにそれぞれ立派な名前がありまして

その一冊目は

「交通誘導員ヨレヨレ日記」と言うものであります。

副題は「当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます: 柏耕一」である。

 

このウイルス感染の拡大で「エッセンシャルワーカー」と言う言葉を覚えたばかり。

ワシも土木の世界に身を置き、家族を養っていたので交通誘導員については全く関係がないこともない

新聞の広告欄でこの本の存在を知った時から「ああ、いつか読むんだろうな」と思ってはいた。

 

読みました。

予想通りの内容だったが、やっぱり過酷な仕事でありますなあ。

会社からは絞られ、誘導した車のドライバーからは罵声を浴びせられ、近隣からは文句を言われる

もちろんのこと夏は暑く、冬は寒い、トイレの我慢もせにゃならん。日当は一日9千円ほど。

この世界も人材不足であって、本人が健康で日本語が出来れば不採用になることは無いようだ。

職にあぶれた人ならば手を上げれば雇ってもらえて、充分ではないけどまあなんとか食っていけそうではある。

 

この本を読んでからは「道で交通誘導員に出くわしたとき、全く違った見方をしている自分がある」と連れ合いが言っておりました。

調べてみるとベストセラーになっていて、メルカリなどでは即売れる本だそうだ。

なんたって面白いもの。

 

2冊目

「派遣添乗員ヘトヘト日記」

副題は、当年66歳、本日も、”日雇い派遣”で旅に出ます。梅村達

前回の「ヨレヨレ日記」が面白かったので図書館で予約待ちの列に並んで借りてきた。

 

誰もツアー旅行に行った経験があるだろうと思う、行っていない人でも修学旅行には行ったでしょう。

これらについてきてくれる旅行会社の人が添乗員と言う人だ。

ワシは、この人たちはその旅行会社の社員だと思っていた。ところが全くその考えは間違いで

この人たちのほぼ100%が派遣だそうだ。添乗業務を請け負う派遣会社と言うものがあるのだそうだ。

 

旅行会社とそれを取り巻く業界の暗黒なこと、この本を読んでそう感じた。

ひとつ忠告しておく

ホテルの宴会係が忌み嫌う3つの職業とは何でしょう

1は警察

2は教師

3は銀行員だそうだ

ほかに建設関係と消防団(署)関係もこの本では立派だとは書いてない。

うーんうなづける。

読み終わって、今度ツアー旅行(ツアーと旅行、ダブってない?)に行った際には帰り際にねぎらいの言葉を掛けようと思う。

たいへんな職業だと分かったからさ。

三冊目

「メーター検針員テゲテゲ日記」

副題は「1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました」川島徹

この職業もエッセンシャルワーカー

著者は鹿児島県でこの仕事をしている、鹿児島県と言えば九州電力ではあるが

直接には書けないのでQ電と書いてある。ほんにそのまんまやん。

この検針員は、Q電から検針業務を請け負っている「錦江サービス興行」と言う会社との「個人請け負い」と言う形の職業である。

電気メータの検診をする職業で一件40円だそうな。

 

この職業の敵は天候、放し飼いの犬、イラついた若い男、ヒステリックな奥さんである。

でも一番の敵は(間接的には)Q電と検針業務を請け負っている「錦江サービス興行」であろう。

何しろ請負なので(ひとり親方ってやつ)、各種の保険は出ないし、事故、事件、ケガ、病気は全部自分持ち、当たり前だが継続請負契約されないと明日の命もない

犬にかまれても、「ハンディー」と言うメータ数字の入力機(50万円だそうだ)の壊したのも自己責任

 

田舎の1軒1軒が離れているところの検針も、都市部の家屋の密集しているところの検針も同じ40円だそうだ。

いつでもやめて結構ですと言われながらやっている。また、先の2冊同様、客先からのいわれなきクレームにも耐えなけりゃならない。

読み終わってそれぞれの仕事に頭が下がります。というかすべての働く人々に敬礼だ。

予約して、すぐに購入してくれた図書館職員にも感謝を申し上げる。

 

ホントは自分で買わニャンだめよ、本はよ。

そのおかげで静岡駅前の戸田書店(ワシの贔屓書店)がやめちまったぜ。

 

 

 

 


童話:病気の魔女と薬の魔女、ローズと魔法の薬

2020-03-07 17:46:44 | 本と雑誌

【今日の 童話2冊】

タイムリーな童話を読んだので紹介する。童話なんて久々である。

両方ともに、魔女の修業をする若い魔女の物語である。

魔女にはいろいろと専門があって、病気を起こす魔女とその病気を治す薬を開発する魔女がいるのである。

と言う筋立てで、感染症やワクチンのことなど、ストーリー仕立てで児童に(年寄りにも)分かりやすく解説することを目的に書いた本である。

同じシリーズで4作あるということだ。うち2冊を読みましたぞ。

 

新型インフルエンザの頃に出版しているから迫真である。

この本の著者はなんとあの「岡田晴恵」という学者(ウイルス学)である。

この人ね

この写真は、昨日のテレビ朝日「朝のニュースショー」から勝手に撮影したもので

この人が著者の岡田晴恵である。

今回、新型コロナウイルスの解説でテレビに出ずっぱりである。一気に有名になったかも。

医学博士 白鳳大学教授、詳しくはここをクリック

感染症のことを楽に知りたのならお勧めの本です。

 

時期が時期だけに図書館は休館中が多いかも。

童話と言っても、重要なことは文中のコラムでしっかりと解説している。

ある人はここだけコピーしたそうだ。

 


あたらしい憲法のはなし 文部省

2017-05-03 07:47:58 | 本と雑誌

【今日の 憲法記念日】

政治と宗教の話は遠慮した方が何かと都合がよいことは承知している。特にこれはブログだからなあ。

だから本日は『本』の話である。

この本は日本国憲法が公布されて10か月後、昭和22年8月に当時の文部省(今は文部科学省)が発行した、全国の中学1年生向けの教科書副読本である。

全53ページの薄い本である。

「みなさん、新しい憲法ができました、そうして昭和22年5月3日から、私たち日本國民は、この憲法を守ってゆくことになりました。」で始まるこの副読本は、

憲法公布からわずか10カ月後に配布されたにもかかわらず、一部の国民から憲法への批判・攻撃が始まっていた時期なのである。

そして、昭和25年(1950年)朝鮮戦争の勃発とともに、この憲法への批判はエスカレートしていくのであった。

 

この「あたらしい憲法のはなし」は、この間わずか2,3年使われただけで

文部省の手で葬り去られたという、悲しい過去を持ったものである。

こほど日本國憲法は今に至るまで、いや今だからこそ「押しつけられた憲法」を変えたいとの議論が続いているのである。

               2円50銭なり

◆ウラ話

実は、こんな古い本をワシが保存している訳ではなくて(ワシが生まれる前の本だぞ)

1972年(昭和47年)に共産党系?の日本平和委員会が復刻したものである。(なあんだ、そうか)

それにしたって1972年といえば45年も前の話である、

だけんどもワシにすれば『ついこの前』という感覚である。年は取りたくないものだ。

憲法記念日にあやかって書庫から引っ張り出してきました。