【今日の 科学の実験そうち】
マグデブルクの半球とは
1657年マグデブルクの市長で物理学者のゲーリケ(Otto von Guericke)が,大気の圧力を証明するための公開実験に用いた直径約40センチメートル の銅製の半球。
半球二個を密着させて一つの球として中の空気を抜き,八頭ずつの馬に反対方向に引かせて,容易に引き離せないことを示した。(コトバンクから失敬)
という「おお、聞いたことがあるなあ」と良い子のみんなも
本当に良い子だった中学生の頃に理科で習ったかもしれない。
これを科学館のボランティアのY先輩から
「◎◎さんお願いね、これをあなた作ってきてね」
と『やさしくお願い命令』を受領したので
作ってみた。
①まずは100均でキッチン用のステンレスボウルを2個購入
②中の空気を引き抜くための穴(1か所2mmほど)を開ける。ステンレスはたとい100均の製品でも固くて開けにくいのだ。
③掃除機で空気を引き抜くとき、完璧にボウルの中の空気を抜くため、密着度を高めるクッション材(白いドーナツ状のリング)
および弁を付ける。
弁は先に開けた2mmの穴に密着するようにコンビニブクロを小さく切ってセロテープで上下をボウルに貼った。
④完全に密着すると大気圧で2つのボウルが離れない(つもり)ので、科学館へ来た子供たちに試させるように、ボウルの底に金具を取り付ける。この時そこから空気が漏れないようにボルトナットにはゴム製のワッシャーを取り付け密着させる。(なかなか芸が細かいでしょ)
⑤ボウルがいざパカン!と割れた時、それまで力を込めて引っ張っていたので「あましょをくう」と怪我をすることも考えて
中に紐を通す部品を取り付けておく(なんと、芸が細かいことよとまた自画自賛する)
⑥ボウルの縁の精度がイマイチなので砥石で研いで平面を出し、ボウル同士を密着させるためのクッション材をリング状に作って完成。
⑦いざ実験
掃除機で空気を抜く。完全に真空にはならないけれど、大気との圧力差が少しあればいいだろう。
おお!大成功。ワシの力では割れないぞ。
しばらくすると
どこからか空気が入り込んでパカン!と割れたのである。
理論上永久に割れないはずが・・・・・
厚紙のパッキンかボルトナットかコンビニブクロの弁か
今後追及していくことにする。
研究に終わりはないのであった。
割れたら2020『トキヨ』と、あのIOCのおとぼけ顔の爺さんが出ると面白いなあ。
【実験秘話】
これだけ読むと簡単にできたようだがここまで来るのには長い試行錯誤があったのだ。
常にマグデブルクの半球実験そうちのことを考えて、ああするか、こうするかと。
マグデ(まるで)、ピタゴラスかアリストテレスかダビンチか湯川先生か糸川先生のようになったのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ウソです)