【今日の 現場見学会】
早いもので今年もあと11か月で新年になります。
これまでの皆様のご厚情に感謝して2月を迎えたいと思います。
今日は土曜日なのに現場に行きます。
大井川を横断する農業用水の管を取り壊している現場であります。
▼この農業用水は昭和22年から数年間をかけて、当時の最新鋭工法で作った日本の農業土木工事の遺産であります。
これが60年を経過していよいよ老朽化したので、その下流に現代の最新鋭土木工事で施工した新鋭管が出来たので
古くなった管を撤去する工事です。そのため今でしか当時の工事の様子がみられなくなる、という事で見学に行ってきました。
9時30分集合、10時から説明が始まるのでその間牧之原おろしの吹きすさぶ河原で、今か遅しとブルブル震えて待っていたのです。
事前の宣伝もあり、たくさんの市民の方々がやってきています。
土木屋さんは少数です。
国土交通省や農林水産省のえらい方の挨拶もそこそこに現場へ向かいます。
ABCDと4班に分かれての見学です。
ワシと岩ちゃんとダイチャンはD班ね。
この四角くて豆腐みたいなのが件の管です。丸が2つ見えるがこの中を農業用水が通っていたのです。丸の直径は1650mmという事でした。
この豆腐、長さは1本が11mほどでそれを一本づつ並べて、そのすきまを埋めて2連の函にしてあります。
こういう管渠のことをサイフォンといいます。覚えておこう。
11mの豆腐と豆腐の間はこないになっています。木を並べて河原に打ちその間の砂利を手作業で取り除き、空洞にしてコンクリート管を入れて、すきまにコンクリートを流し込んだようです。下部には水を止めたであろう筵(ムシロ)も残っていました。
わざわざ通り抜けられるように見学用通路を準備してくれていました。もち我々も歩きました。
左岸から右岸まで全長840mもありました。今日はこのうち左岸の200mほどを見ました。
残りは一昨年と昨年に撤去したそうです。
60年も経過すると遺跡のようです。
▼ワシの母方のジサマも八丁艪カツオ漁師を引退してから土方になって、大崩のイノチガケ国道維持工事現場で働いていました。
そう言うわけで、ワシはガキの頃から土木現場に興味を持っていたのです。そのせいか土木屋になった(らしい)のですが、現場を引退した今も土木への情熱は尽きませんです。ハイ。
▼今も昔も土木屋はPRという概念に貧しい人が多いです。そのせいでなかなかなり手がありません。
農業と同じで「担い手不足」の業界です。でも、今日の様に市民対象の現場見学会を開催して、古(いにしえ)の工事や、最新鋭の現場をお見せして土木工事の重要さを知っていただくことはとてもいいことだと思います。
今日も少ないながら子供も参加していて、わしは「おい、大きくなったら土木屋になるんだぞ」と心のそこで思いました。
超大型重機の運転席に乗せてくれる体験試乗もあったのですが、ある子どもは親が乗れ乗れと言っても嫌がって泣き出した子供がいました。残念です。