まずは2014年1月クールのドラマを総括してみたい。
刑事物、医療物が大部分を占めていた今クール、
案の定、メリハリのない毎日を過ごさせていただいた。
『明日、ママがいない』に対するクレーム問題が話題となったが
結局さほどの影響はなく、ドラマ自体もたいしたことはなかった。
例によって今クール全ドラマを少なくとも初回は視聴たものの
結局継続視聴できたのは、
『福家警部補の挨拶』
『僕のいた時間』
『緊急取調室』
『わたしの嫌いな探偵』、の4つのみ。
不作は予想されていたので大して失望もしなかった。
3月7日までの視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]に基づき
上位作品から順に勝手な寸評を加えてみたい。
(括弧内は平均視聴率、大河ドラマを除く)
『相棒(12)』(17.13%)
相変わらず視聴率は好調で今クールトップと獲ったが、新年早々のスペシャルを見てがっかり。で本編は視聴せず。もはや相棒が『相棒』でなくなっていた。撮影現場でもこの二人の不仲説が噂されているようで、ここまで相棒間の年齢が離れるとさすがにもう『相棒』は無理?
『S ~最後の警官』(13.99%)
初回と2話目を見たが、そこが限界。初回こそ18.9%と好調な滑り出しに思えたが以後急速に低下。向井理演じる主人公・神御蔵一號が炸裂し過ぎ。警察ドラマにはある程度の抑えとリアリティーが必要だろう。
『明日ママがいない』(12.93%)
番組内容への抗議で話題になったものの日テレが強硬に継続するが視聴率は上がりも下がりもしなかった。2話まで見て断念。シリアスなドラマかと思えば中途半端にコメディ・シーンもあり、結局何を伝えたいのか理解できない。演技力のあるはずの子役たちの演技が逆に鼻について不快。
『緊急取調室』(12.76%)
一応続けて視聴した。取調室で犯人を追及する天海ねえさんはピッタリはまっていたと思う。しかし、いかんせん他のメンバーがおっさんだらけで若い女優は皆無、花がない。シリーズ化するには地味過ぎ。
『失恋ショコラティエ』(12.23%)
2話途中で断念。月9 &嵐メンバーでこの低視聴率!個人的にはストーリーからして無理。松潤演じる主人公・小動爽太にどうしても感情移入できなかった。松潤には視聴者が主人公を応援したくなるような演技を期待したい。さらに言えば原さとみの魅力が生かし切れていなかった。
『医龍4~Team Medical Dragon』(12.01%)
1話で断念。新鮮味ゼロ。朝田龍太郎のゴッドハンドぶりはもうよくわかったから、回りの人たちにいちいちそのすごさを説明させるのはやめてほしい。このシリーズ、もうホントに終わりでいいでしょう。
『戦力外捜査官』(11.56%)
1話で断念。TAKAHIRO の演技力を心配したが、思ったより安定しており、MAKIDAI レベルよりはるかに上だった。しかし内容的には全く面白くなく、武井咲の魅力も薄れるばかり。よく2桁獲れたなと思うが、土曜夜という時間帯のおかげかも?
『チーム・バチスタ4~螺鈿迷宮』(11.34%)
1話で断念。いつもどんなドラマでも同じ顔つきで登場する伊藤淳史、大げさな演技の仲村トオル。個人的にはこのコンビに全く魅力を感じない。これに柳葉敏郎が加わると、もはや見続けるのは苦痛でしかない。
『福家警部補の挨拶』(9.80%)
視聴継続した。倒叙ミステリーということだが、檀れいの『福家』は、『コロンボ』や『古畑』には遠く及ばない。一生懸命キャラを作ろうとしているのはわかるが無理がある。また犯人を落とす決め手が視聴者を唸らせるものとなっていない。シリーズ化は難しそうである。
『僕のいた時間』(9.79%)
視聴率は伸びなかったが個人的には今クール一押しのドラマ。これまでさほど好きな俳優ではなかったが今回改めて三浦春馬の演技力に感心した。難病ものでは細部にこだわる視聴者がいるかもしれないが、大筋さえ通っているなら、それを基にしっかりと人間を描くことでいいドラマになるのだと思う。
『わたしの嫌いな探偵』(6.83%)
トリックは稚拙でミステリーとしては全くつまらなかったが期待するところがそこでなければ金曜夜にそこそこ楽しめたのではないか。剛力彩芽のコメディ台詞は見ていて辛いものがあった(半ばあきれた)が、玉木宏、渡辺いっけいらがよくカバーしていたと思う。何とか見続けることができた。
『Dr.DMAT』(6.69%)
1話で断念。『一瞬の迷いが人命救助の可否を分ける究極の現場』とはよう言うた。災害現場であれだけもたついて迷って DMAT とは、見ている方がイライラする。視聴率は 5.0%まで下がったがなんとか打ち切りだけは回避した。
『夜のせんせい』(6.61%)
1話で断念。最低 5.1%まで下がるなど予想通りの低視聴率。最近のTBSは一体何を考えているのだろう。もはや観月ありさに説教されたいと思っている視聴者などいないことに気付くべきである。
というわけで2014年1月クールはどれも低調なままに
終わろうとしている。
4月からの新番組に期待したい。
フジ月9 4/14~ 『極悪がんぼ』 尾野真千子、椎名桔平、三浦翔平、仲里依紗、小林薫、竹内力、板尾創路、三浦友和、宇梶剛士
原作は作・田島隆、画・東風孝広のコミック『極悪がんぼ』。尾野真千子がフジテレビ連ドラ単独初主演。原作は広島が舞台となっており主人公は神崎守という男性になっているが、ドラマでは架空の町・金暮市を舞台に女主人公・神崎薫(かんざきかおる)が裏社会の一筋縄ではいかない他人の揉め事や争い事など最悪なトラブルを解決していく。タイトルの“がんぼ”は広島の古い方言で『いたずらっこ』『やんちゃ』『悪い奴』といった意味。薫は幼い頃、お好み焼き店を営む母親が不渡りを出したことで一気に貧乏になる。中学卒業後は貧乏人生から脱出するため職場を転々とし、節約に節約を重ね、やっと貯金出来たお金が100万円。 その矢先、人助けの気持ちから同僚に100万円を貸したことで多額の借金を背負わされることとなり、薫は再び人生のどん底に落ちる。 そんな時、薫は“小清水経営コンサルタント”のメンバーと知り合い、ひょんなことから、その世界に足を踏み入れることになる。 裏切りや出し抜き合いなど、ずる賢い人々の中で懸命にもがき、持ち前の“負けん気根性”でどん底から這い上がろうと努力する。共演陣には、元警察庁の官僚で小清水経営コンサルタントのナンバー2である冷静沈着な策士・冬月啓(ふゆつきひらく)に椎名桔平、薫の元同僚で何かと薫に絡んでくるニートの茸本和磨(たけもとかずま)に三浦翔平、政財界を裏から支えるフィクサーで小清水経営コンサルタントの所長・小清水元(こしみずげん)に小林薫、カネにがめつい小清水経営コンサルタントのベテラン所員・金子千秋(かねこちあき)に三浦友和、スナック『まやかし』のママで薫や金子に依頼人を紹介するという副業を持つ真矢樫キリコ(まやかしきりこ)に仲里依紗といった面々。その他、同コンサルタントの所員として板尾創路、竹内力らも出演。我々の日常に潜む盲点が暴かれ指摘されていくドラマ。義理と人情と愛が交錯しながら、笑いと涙と人情にあふれる“裏社会”エンタテインメント。これまでの月9のイメージが壊されていくドラマ。
フジ火9 4/15~『ビター・ブラッド』 佐藤健、池沢美緒、渡部篤郎、吹越満、田中哲司、皆川猿時、KEIJI(EXILE)、高橋克実
原作は雫井侑介の小説『ビター・ブラッド』。新人刑事と、彼が少年時代に別離した実父である刑事とがコンビを組んで事件の解決をめざす刑事ドラマ。佐藤健演じる新米刑事・佐原夏輝は困った人を放っておけない誠実さを持ち、気持ちが入りすぎて涙を流してしまうこともあるほどの優しい性格の持ち主。銀座警察署刑事一課に配属となった夏輝は、皮肉にも 13才のときに別離して以来会ったこともなかった父・島尾明村(渡部篤郎)とコンビを組むことになる。夏輝は自分とは正反対なこのキザでオシャレでプレイボーイ風(ジャケットプレイが得意とか)で変わりもののベテラン刑事に最初は反発しながらも次第に刑事としてのあるべき姿を学んでいくという展開。周囲からは変人に見られてしまう明村だが、実際は事件解決への情熱は人一倍強く、夏輝と別々に暮らすようになったのも、家庭より仕事を優先するという明村と妻の価値観の衝突から離婚に至ったという経緯があった。以来一度も会っていなかった息子といかにして関係修復を果たすのか?そのやりとりにはコメディ要素もあるそうである。親子でバディを組むという時点ですでに視聴意欲がかなりそがれてしまうのだが、果たしてこのコンビで視聴率が獲れるのだろうか?
フジ(関西テレビ)火10 4/8~ 『ブラック・プレジデント』 沢村一樹、黒木メイサ、国仲涼子、門脇麦、永瀬匡、高田翔、高月彩良、澤部佑(ハライチ)、青木さやか、永井大、白川由美
最近『ブラック企業』という言葉をやたら耳にするが、そんな企業を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマ。急成長を遂げているアパレル企業の創業社長・三田村幸雄(沢村一樹)は会社の利益を第一に社員を酷使。ワンマン社長の彼は、社員個々が努力することは当然の義務であり、そのための過酷な労働は当たり前と考えており、自社がブラック企業だとの自覚はない。45才になった三田村は、会社経営について基礎から勉強し直そうと大学に入ることになる。その大学で新米講師・秋山杏子(黒木メイサ)と出会う。知性的な杏子に惹かれる一方、環境も考え方も全く異なる彼女とはたびたび反発しあう。また『ゆとり世代』と呼ばれる大学生たちに対しては、自分の会社では使えない輩ばかりだとバカにするものの、ある時、三田村はひょんな事から彼らと交流を持つようになり、人間同士の付き合いをし始めることで、やがて逆に刺激を受け、学ぶ事も多いことに気付かされる。毎回、様々な事件が起き、尊大だった三田村も、そして周りの人たちも徐々に意識が変わっていく。一方、社内では三田村を追い落とそうとする勢力が強まり、社内での勢力争いが始まる。そして三田村は自社がブラック企業だったということを知る。三田村の会社で働く有能な秘書を国仲涼子、専務を永井大、三田村の母親を白川由美、妹を青木さやかが演じる。また杏子の助手に澤部佑、大学生らに門脇麦、永瀬匤(たすく)、高田翔、高月彩良らがキャスティングされている。刑事ものでも医療ものでもない久々の人間ドラマでひょっとしたら当たるかも?
TBS火10(新設枠) 4/15~ 『なるようになるさ。2』 舘ひろし、浅野温子、志田未来、安田章大(関ジャニ∞)、紺野まひる、渡辺美佐子、南沢奈央、伊野尾慧(Hey!Say!JUMP)、泉ピン子
2013年7月クール金曜10時枠で放送された橋田壽賀子先生脚本による連続ドラマのシーズン2。TBS金10枠はここのところ視聴率低迷が続いているのだが、さすが橋田先生、この枠で平均視聴率12.6%(関東地区・ビデオリサーチ)、しかも全話2桁。今回は火10枠に移って第2弾を、となったようである。自宅を改装したカフェレストランを舞台にしたホームドラマで、橋田先生お得意の(『渡鬼』の岡倉家、野田家のように)他人同士が一つ屋根の下で暮らす人間模様が描かれる。舘ひろしと浅野温子が夫婦役を演じ、『自宅レストラン』を舞台に他人同士が織り成す人間模様をコメディタッチで描き、現代の家族のあり方を問うホームドラマとして人気を博した。主婦層にとって『渡鬼』なきあとの貴重なお気軽ドラマと言えそうだ。シーズン1では三人の息子たちが結婚、独立した後に、自宅を改造したレストランを始める主婦・綾(浅野温子)とそれを支える夫・大悟(舘ひろし)を中心に、住み込みで働く従業員たちの人生模様を織り込みながら物語が進められた。シーズン2では、まず初回スペシャルにて、新たに人生をスタートさせた内田陽子(志田未来)、大竹昇(安田章大・関ジャニ∞)、千葉恵理(紺野まひる)ら元従業員のその後と、新しく加わることになる従業員たちが抱える困難や課題に立ち向かっていく姿が描かれる。新しい従業員役として渡辺美佐子、南沢奈央、伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)らが登場。一方、老後を考える熟年夫婦が、独立した3人の息子たちとどう向き合っていくかにも焦点が当てられる。ちなみにタイトルの『なるようになるさ。』タイトル内の句点には橋田先生のこだわりがあるに違いない(意味は不明だが…)。『脚本は時代が書かせてくれる』と豪語される先生だが、ご高齢の先生から見た現代の日本人や日本社会の姿、それに対する鋭い風刺は素直に見れば楽しみなドラマと言えるのかもしれない。
テレ朝水9 4/16~ 『TEAM~警視庁特別犯罪捜査本部』 小澤征悦、田辺誠一、塚本高史、神尾佑、渡辺いっけい、西田敏行
小澤征悦(ゆきよし)民放連続ドラマ初主演となる刑事ドラマ。小澤が演じるのは、熱い正義感を胸に秘めながらもクールに捜査の指揮を執る怜悧な管理官・佐久晋吾(さくしんご)。管理官とは殺人や誘拐など重大事件が発生したときに設置される捜査本部の指揮を執る役職。警視庁捜査一課にわずか10人ほどしかいないという。捜査本部には警視庁、所轄、隣接署から40~100人規模の捜査員が集められるが、彼らを統率し確固たる捜査方針を打ち出す能力が求められる。主人公の佐久は、ノンキャリアながら異例の若さで管理官に昇進。淡々と職務を遂行するが、その一方で中間管理職的な立場に悩み、葛藤を抱える。捜査員の些細な報告から違和感を覚えたり、被疑者のわずかな言動から嘘を見抜いていく。佐久の司令塔としての活躍が描かれる。共演には、佐久にライバル心を抱く捜査一課13係係長で警視総監の甥である島野誠に田辺誠一、佐久管理官付運転手兼刑事で、何故か刑事部長・谷中との間に不穏な繋がりのある屋敷大地に塚本高史、捜査一課13係のベテラン刑事で佐久の先輩でもある小菅光晴に渡辺いっけい、そして、表向きには佐久のよき理解者で事件解決に向けアドバイスもするが、実は警視総監の座を狙う野心家の刑事部長・谷中寿也に西田敏行など贅沢なキャスティング。『相棒』並の視聴率が獲れるかが見どころ。
日テレ水10 4/16~ 『花咲舞が黙ってない』 杏、上川隆也、生瀬勝久
原作は池井戸潤の小説『不祥事』『銀行総務特命』。『半沢直樹』で大当たりした“銀行もの”に日テレが追随。これまた銀行内での勧善懲悪的ドラマで『女性版・半沢直樹』の活躍が描かれる。NHK 朝ドラ“ごちそうさん”で大好評を博した杏が演じる主人公は地位も権力もない一女性銀行員・花咲舞。しかし、思ったことをはっきり言う性格で、その正義感の強さから上司に対しても間違っていることは「間違っている」と言い放つ。そんな舞が『臨店』という業務に就く。これは事件や不祥事を起こした支店に行き解決に導くのが任務である。舞は、不正に対して見て見ぬふりできず、虐げられている弱い立場の人たちのために相手が誰であろうとも構わず立ち向かっていこうとする。この舞とコンビを組むのが出世コースから外れてしまったベテラン行員・相馬健。この凸凹コンビが、現金紛失、情報漏えい、融資トラブルなど銀行内で起こる様々な事件や不祥事を、銀行内で最大派閥を持つ執行役員・真藤毅と対立しながらも解決していくという展開。脚本は『ごくせん』『1リットルの涙』の江頭美智留。
フジ水 10 4/9~『SMOKING GUN~決定的証拠~』 香取慎吾(SMAP)、西内まりや、中山優馬、安藤玉恵、濱田ここね、鈴木保奈美、倉科カナ、イッセー尾形、谷原章介
原作は2012年より『グランドジャンプ』に掲載されている、横幕智裕(よこまくともひろ)・作、竹谷州史(たけやしゅうじ)・画なるコミック『Smoking Gun 民間科捜研調査員・流田縁(ながれだえにし)』。“Smoking Gun”とはタイトルにもあるように『決定的な動かぬ証拠』の意。警察が取り合わない身の回りの些細な事件を扱う『民間科学捜査研究所』の活躍を描くサイエンス&ヒューマン・ミステリー。『“疑惑”の念に苛まれた方々。身の“潔白”を証明したい皆様。知られざる“原因”を究明したい諸氏諸賢。弊社では“真実”の科学的証拠をお売りしています』。世間を賑わすような大事件ではないが当事者からして見れば人生を左右しかねない重大な案件が依頼者より持ち込まれる民間科捜研。そしてそこの調査員たちには『直接依頼人や関係者の不安や痛みを背負う』覚悟が求められる。彼らは巧みな科学技術で鑑定と調査を行いながら、一方で相応の『熱意』と『思いやり』を持って、独特の思考と発想力を活かしながら依頼に向き合う。主人公は千代田科学捜査研究所の調査員・流田縁で香取慎吾が演じる。元科捜研のエースとして活躍していた縁は過去に傷を持つ。偏屈で、愛想も悪い彼は、もじゃもじゃ頭がトレードマーク、 ドーナツが大好物という独特のキャラの持ち主。超ぐうたら、超ズボラで整理整頓が大の苦手、デスクは散らかり放題。しかし科捜研技官としての腕はピカイチで、DNA鑑定、画像分析、筆跡鑑定、指紋照合など科学技術を駆使し、保険金問題や痴漢の潔白証明、ストーカー被害など、さまざまな難事件に挑み、決定的証拠をつかんでいく。ヒロインの石巻桜子役には西内まりや。科捜研にいながら科学の技術を持っていない桜子は視聴者と同じ目線で民間科捜研の実態を知っていくという役どころ。千代田科学捜査研究所の所長・千代田真紀には鈴木保奈美。強引だがしっかり筋が通ったキップのよさを持った女性。さらに縁と対立する柏木は原作では女性となっているが、ドラマでは男性の柏木夏生として登場させるが、これを谷原章介が演じる。ここ数年、視聴率の獲れない香取慎吾だが、この風変りなキャラクターで人気挽回となるか?
TBS木9 4/10~ 『MOZU Season1~百舌(もず)の叫ぶ夜』 西島秀俊、香川照之、真木よう子、生瀬勝久、吉田鋼太郎、伊藤淳史、有村架純、池松壮亮、長谷川博己、石田ゆり子、小日向文世
原作は逢坂剛のハードボイルド小説『百舌の叫ぶ夜』。2012年のドラマ『ダブルフェイス』に続くTBSとWOWOWの共同制作ドラマの第2弾。ご覧の通りの超豪華キャストだが本作は2本立てとなっており Season 1 の『百舌の叫ぶ夜』が4月からのこのTBS木9で、Season 2 の『幻の翼』がWOWOW 夏の連続ドラマWで放映予定と、WOWOWを契約していない人にとってはハードルの高いドラマとなる。最愛の妻を爆弾事件で失った公安のエース・倉木(西島秀俊)、愚直なたたき上げの刑事・大杉(香川照之)、事件の謎を解く鍵を握る公安警察官・美希(真木よう子)らが、捜査の過程で、殺し屋『百舌』の存在の謎、公安の秘密作戦にまつわる悲劇、国家を揺るがす陰謀など様々な壁に立ち向かう。でもやはり、地上波ドラマは地上波だけで完結していただきたいものである。
テレ朝木9 4/10~ 『BORDER』 小栗旬、青木崇高、波瑠、野間口徹、浜野謙太、遠藤憲一、古田新太、滝藤賢一
死者と対話する能力を身につけた主人公の刑事が正義と法の境界など様々な局面で命と向き合おうとする新機軸の刑事ドラマ。直木賞作家・金城一紀氏の原案&脚本。生死の境をさまよったことをきっかけに、『死者と対話することができる』という特殊能力を身に着けた主人公の刑事が、無念の死を遂げた人々の声に耳を傾け、生と死、正義と法、情と非情の『BORDER(境界線)』で揺れ動きながら事件に立ち向かっていく姿を描く。主人公の刑事・石川安吾を小栗旬が演じる。物語は、様々な事情で予期せぬ最期を迎えた死者たちが、石川にメッセージを託すことで、思いも寄らない方向へと突き進んでいく。そして、死者の声を聞いた石川は、時に刑事として許されない領域にまで踏み込み、ギリギリの葛藤を繰り広げる。超自然的な要素を取り入れた一話完結型の刑事ドラマだが、死者の声が聞こえるのなら捜査は要らない、のではないだろうか?
フジ木10 4/17~ 『続・最後から二番目の恋』 中井貴一、小泉今日子、坂口憲二、内田有紀、飯島直子
岡田惠和による完全オリジナル脚本で 2012年1月クール同枠で放映された連続ドラマの続編。“大人(中年)の恋愛ドラマ”ということだったが、前作は不完全燃焼で中途半端に終わった感じだった(タイトルにある『最後から二番目』の意味もよくわからなかった)。とはいえこのドラマでキョンキョンは見事に復活を遂げた。小泉今日子演じる48才の吉野千明と中井貴一演じる52才の長倉和平は会えば口論を繰り返す相変わらずの関係。和平の妹・典子(飯島直子)、弟・真平(坂口憲二)、妹万理子(内田有紀)らも変わりなく登場ということのようだ。古都・鎌倉を舞台に、彼ら中年男女のすったもんだが描かれる。若い人たちは見ないだろうと思っていた前作の視聴率は、全話で10%越え、平均12.4%(関東地区・ビデオリサーチ)と意外に健闘している。ただ続編も前回と同じ様な展開だと視聴者は離れてしまうのではないかと危惧される。
TBS金10 4/11~ 『アリスの棘』 上野樹里、オダギリジョー、栗山千明、中村梅雀
女主人公が、大学病院を舞台に父親を死に追いやりミスを隠蔽した医師達に復讐するというオリジナルサスペンスドラマ。『冷酷な復讐鬼』であるダーク・ヒロイン・水野明日美を上野樹里が演じる。明日美が14才のときに手術ミスで父親が死去。復讐の鬼と化した明日美はミスが隠蔽された大学病院に新人医師と就職、父の死に関わった一人一人に復讐を果たす。患者に寄り添おうとしない大学病院の傲慢な医師達に切れ味鋭い頭脳で立ち向かい、容赦なくぶった斬る。『半沢直樹』病院版が狙い?シリアスなドラマなようだが心配は主演の上野樹里。『のだめ』や『江』風なセリフ回しだったら一気に醒めて終わってしまいそう、である。
テレ朝金11:15(金曜ナイトドラマ) 4/18~ 『死神くん』 大野智(嵐)ほか
原作は1983年から1990年までフレッシュジャンプ、月刊少年ジャンプで連載されていた、えんどコイチのコミック『死神くん』。これまでアニメ化もされていない。主人公は“死神くん”こと死神413号という死神で嵐の大野智が演じる。彼の役目は死亡予定者に死を宣告し、魂を霊界に送ること。黒いスーツに蝶ネクタイの姿で死を迎える人の前に現われ名刺を差し出し『おめでとうございます!お迎えにあがりました』と告げるのだが、一方で自殺しようとする人間を説得したり、想定外の死(誤死)を阻止するのも仕事の一つ。しかしこの413号、死神業では新米のためしばしば人間寄りの判断をしてしまい、冥界のルールを破ってしまい上司に叱責されてしまう。ドラマは一話完結で、回毎に登場する対象人物に対する413号の奮闘が描かれる。死神でありながらも“生きることの尊さ”を訴えたり、昇天させたり、あるいは現世に戻したり…。一方、厳しくうるさい上司もいて413号には中堅サラリーマン的悲哀も漂う。大野クンにとってははまり役かもしれない。コメディ要素を取り入れながらも、死の宣告を受けた人々が残された時間を輝かしいものにするため精一杯生きようとする姿と、それを温かく見守る死神くんの姿がハートフルに描かれる。なお監督は『リング』『L change the World』『クロユリ団地』などで知られる中田秀夫。
日テレ土9 4/12~ 『弱くても勝てます~青志監督とへっぽこ高校球児の野望』 二宮和也(嵐)、福士蒼汰、有村架純、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、山崎賢人、本郷奏多、間宮祥太朗、桜田通、鈴木勝大、柳俊太郎、平岡拓真、薬師丸ひろ子
原作は高橋秀美の『弱くても勝てます: 開成高校野球部のセオリー』。日本のトップクラスの進学校・開成高校の監督や選手たちへのインタビューをもとにして書かれたノンフィクション。ドラマでは、日本有数の進学高校にやってきた青年教師・田茂青志(たもあおし)が同校の超軟弱野球部の生徒たちと勝利をめざして奮闘する姿が描かれる。東大で生物の研究を続けてきた田茂(二宮和也)は自身の母校である進学校に勤務することになり、そこの超へっぽこ野球部の監督に就任する。部員は5人、創部以来勝利したことはない。グラウンドでの練習は週一回、3時間だけ。キャッチボールすらままならない選手たちだったが、このチームになんとか勝利させたいと田茂は『異常なセオリーで異常なことをして異常な勝ち方をする』をモットーに奇抜な策を弄して勝利を目指す。野球部員・赤松公康役に福士蒼太、野球部マネージャー・樽見柚子役に有村佳純、柚子の母・楓役に薬師丸ひろ子と『あまちゃん』メンバーが揃う。野球部員の面々には、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、山崎賢人、本郷奏多、間宮祥太朗、桜田通、鈴木勝大、栁俊太郎、平岡拓真ら、若手注目株の俳優陣が揃う。
フジ土11 4/19~ 『ファースト・クラス』沢尻エリカ、中丸雄一(KAT-TUN)、佐々木希、菜々緒、三浦理恵子、板谷由夏
沢尻エリカが 2006 年7月期 TBS ドラマ『タイヨウのうた』以来8年ぶりとなる地上波連ドラ出演。ファッション業界で働くことを夢見ながら、下町の衣料材料店で日々地道にボタンや生地を売っていた沢尻エリカ演じる主人公、吉成ちなみ(よしなりちなみ)は、あるとき自分には縁のない世界だと思っていたファッション雑誌の編集部で働くこととなる。大きな期待を胸に新たな世界の扉を開けたが、実際のそこは日々女たちがお互いを捕食しあう恐ろしき伏魔殿だった。雑用をやらされるだけの底辺から、雑誌や広告を自由自在に操るトップレベルまで、格差の激しい業界。そして、日々ランキングが変わる女の世界“マウンティング”=“人間の格付け”地獄。この厳しいピラミッドの中で生き抜く唯一の方法は、“ファースト・クラス”の地位を得ること。そんな非情な“女の世界”で、ちなみは仕事でも恋でも、そして経済的にも、どんな地位を築いていけるのか? 彼女を取り巻く天敵には、ファッション業界のカリスマで、強烈な性格の編集長、大沢留美(板谷由夏)をはじめ、ティーンに絶大な人気を誇るトップモデルMIINA(佐々木希)、帰国子女のエディター川島レミ絵(菜々緒)、大沢と同期で一見ふんわりとした印象だが実はしたたかな副編集長・八巻小夏(三浦理恵子)らがいる。一方、ちなみの唯一の味方で、後に恋愛関係へと発展するアシスタントフォトグラファー・西原樹を KAT-TUN の中丸雄一、業界ナンバーワン・モテ男のスタイリスト磯貝拓海を平山浩行が演じる。 最新の社会事象とも言える女性同士の“マウンティング”を主軸に、壮絶な格差業界に立ち向かう底辺女子が、頂点の“ファースト・クラス”を目指して成り上がろうとする現代版・裏シンデレラストーリー。復帰後、かつての輝きが見られない沢尻エリカが今後の連ドラ常連となれるか、正念場となる主演ドラマである。
NHK日8 継続中 大河ドラマ 『軍師官兵衛』 岡田准一(V6)、中谷美紀、桐谷美玲、松坂桃李、南沢奈央、吉本実憂、濱田岳、田中哲司、速水もこみち、田中圭、吹越満、高岡早紀、金子ノブアキ、内田有紀、高橋一生、塚本高史、永井大、谷原章介、春風亭小朝、片岡鶴太郎、竜雷太、塩見三省、竹中直人、江口洋介、黒木瞳、柴田恭兵
始まって2ヶ月あまりだが、率直に言って面白くない。各話ごとの盛り上がりに欠け 45分間が異様に長く感じられる。岡田准一はそのルックスも雰囲気も申し分ないものを持っているのだが、いかんせん滑舌が悪く台詞が視聴者の心に響かない。脚本もいまいち。さらに、織田信長の江口洋介、明智光秀の春風亭小朝、豊臣秀吉の竹中直人、官兵衛の父親・黒田職隆の柴田恭平など、主要な配役がすべてミスキャストと思われる。視聴率も低迷しており3月2日までの平均が 16.6%(関東地区・ビデオリサーチ)。かなり先まで撮影は進んでいると思われるが、このままでは視聴継続がつらくなってきそうである。
TBS 日9 4/27~ 『ルーズヴェルト・ゲーム』 唐沢寿明、檀れい、石丸幹二、六角精児、手塚とおる、児嶋一哉、山本亨、高橋和也、和田正人、マキタスポーツ、峰竜太、立川談春、江口洋介、山﨑努
原作は池井戸潤の小説『ルーズヴェルト・ゲーム』。中堅精密機器会社の存亡とその会社が所有する名門社会人野球部の廃部を賭けた攻防戦を描くエンターテインメント。タイトルの『ルーズヴェルト・ゲーム』は米・ルーズヴェルト大統領の言葉『野球で一番面白いゲームスコアは8対7だ!』に由来しており逆転に次ぐ逆転を見る攻防戦のことをいう。舞台は年商500億円ほどの中堅精密機器メーカー・青島製作所。主人公はこの会社の社長を務める細川充で唐沢寿明が演じる。この会社、不況の波と同業他社との激しい競合で存亡の危機に陥っていた。細川は中途採用で同社に入社していたが、創業者からその手腕を買われ異例の抜擢で社長に就任していた。しかし生え抜きの役員たちからの風当たりは強かった。社長就任後間もなく金融危機に端を発した不況に突入すると青島製作所もその煽りで業績が低迷する。細川は会社存亡の危機から“奇跡の逆転劇”を画策しようとする。社長はじめ新製品開発部の奮闘ぶり、そしてリストラ対象の野球部員が新監督のもとで立て直しを図る姿が描かれる。共演陣には、社内における細川の数少ない味方の一人である秘書・仲本有紗に壇れい、青島製作所の廃部が危ぶまれる社会人野球部の存続に奮闘する同社の総務部長兼野球部長・三上文夫に石丸幹二、青島製作所を潰すことに執念を燃やす同業ライバル会社・イツワ電器の社長・坂東昌彦に落語家の立川談春らが配される。また、青島製作所の役員で、同社の全てを知り尽くしており次期社長の有力候補だった笹井小太郎専務を江口洋介が、細川を抜擢した創業者で現会長の青島毅役として山﨑勉が出演する。『半沢直樹』ほどの人気が得られるか?乞うご期待!
刑事もの、医療ものが多かった前クールに比べると
今クールは多少バラエティに富んでいるようだ。
それにしても池井戸作品を2局で放映するとは、
この業界、一体どういうふうに企画・制作を進めているのか、
はなはだ疑問に思ってしまうのである。
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