満足死（2）

自分の死にざまは自分で決めておく、と言いつつ
その場になれば、節操なく変わるのかもしれない
ですね。それがまた人間というもの、なのでしょ
う。

65歳を前に、中学卒業50年記念同窓会をやろうと
していますが、この50年ではじめての同窓会であ
り、また、名簿が無かったので開けない！と諦め
てきた企画でした。それをひとりづつ家を探し、
兄弟や親戚筋、職場から探しだしてみると、その
中には病気の友も多くいました。

ＣＯＰＤで息がもたないから旅などは行けないぞ！
怒り半ばの実情を書いてきたスポーツマンの友が
おりました。

また、女性に産まれたにもかかわらず、名も姿も
男性になったと伝えきく彼との再会を楽しみにし
ておりましたら、欠席通知に亡くなったとのご家
族からの一文がありました。

同窓会などでは必ず世話をしてくれた友と連絡が
つかない、電話しても出てこない、なぜなのだ、
ほなさんが世話人だからなのかしら？
とよけいなことを考えていると、急逝の通知が。
肺がんが急に進行し、入院して2週間でなくなっ
たそうな。

「電話しても出てこない」のは、転移したガンの
ために声が出ないから、電話に出れなかったんだ
と聞いて、棺桶の彼に、
「すまなんだなぁ、なんにも理解してなかった。」
と泣きました。
葬式の読経の最中に、
「彼はどんな男だったの？」
と尋ねねばならぬ自分のあさましい、友達がいの
ない姿に、己でウンザリしました。