「籠の鳥」に住むことが出来るのも、あと2週間ぐらいであろうか?
9月末から10月初めごろには、稲刈りをしなければいけない。自分が帰った所で、
どれほどの仕事が出来るだろうか?近所のお世話になった人達に、感謝をすることしかできない。
ここでの生活も終わりになるのかと思うと、一つ一つの出来事が、名残惜しい。
ツバメさんは、短期間の間に、歩くのが不安定になり、歩行器から車椅子になった。
本人には、こだわりがあるらしく、車椅子は使用しないで、部屋の前に放置してある。
食事中も体位を保つことが出来ず、右に傾斜する。嚥下が、うまくいくかどうかが心配である。
全員と、会話でのコミュニケーションは出来ないが、
せめて笑顔と挨拶での、人間関係は出来るようにと努力している。
脚力を回復するために、廊下を数往復している。すると、「歩かれるから、いいですね!」と言われる。
なんと返事をすればよいのか戸惑う。いつの日にか自分も、歩く力も無くなることになる。
とにかく今は歩ける。それを感謝しよう。もう少し働かせてください。