城山 三郎 著 「粗にして 野だが 卑ではない」 石田禮助の生涯 文春文庫
永年三井物産に勤め、最高の代表取締役まで務めた人であるが、
78歳にして国鉄総裁を引き受けた。パブリック・サービスは無給であるとの信念も持ち、
世の中のために尽くす。そこで初めて、
「パスポート・フォア・ヘブン」(天国へのパスポート)を得る事ができると考えた。
生涯にわたって、自分の事を「マンキー(山猿)」と信じていたようである。
マンキーだから「粗にして 野だが」、石田の心意気は「卑ではない。」である。
妻に書き取らせた遺言も、石田の生きざまそのものであった。
昭和 53年7月、数え93歳の天寿を全うする。
読み応えのある本で、繰り返し読みたくなり、勇気を貰う事ができる。