86歳のHさんは、寒くても必ず畑仕事をする。
「歩かないと筋力が減って、歩けなくなり寝たきりになってしまうから、
仕事が出来る時には頑張る」と話している。 自分も見習わなければと思う。
霜の降りた寒い朝は、犬の散歩だけは仕方なくするけれども、
その後はストーブの番をしたくなる。歳を取るにつれて、動ける時には動かなくてはいけない。
寒い時、暑い時、雨の時には、家の中でゴロゴロ・ウトウトするのが最高と思っていたが、
高齢者になると、筋力は3日間ジーッとしていると急速に下がると聞いた。
ピンピンコロリを実行したいと思うと、人一倍の努力が必要である。
施設に勤務している娘が高齢者の様子を話すのを聞くと、
ピンピンコロリがいかに難しいかが解る。
86歳のHさんは、沢山の種類の野菜を沢山作り、土・日曜日に開かれる朝市に出している。
朝7時には会場に持ち込む。すでに中国からの実習生達が5~6人待っている。
代に並べる前から、手に取って野菜の重さ・大きさ・器量良さ等を品定めしている。
当然であるが、質の良いものから売れていく。近所の人が来た時には、良質な物は売れている。
中国の実習生達は、自分の必要品を確保したら、商品並べを手伝ってくれる。
スーパーユアーズの大安売りの日である。ポイント5倍デーでもある。
「詰め放題の物があるので、荷物持ちに行こう」と娘に誘われ、9時20分頃に入場する。
朝なのに、駐車場を見つけるのに一苦労。詰め放題の場所には大勢の人が群がっている。
チョコレート、味付けのり、ピーナツ、納豆、豆腐、ヤクルト等が詰め放題となっている。
男性は見かけなかった。女性は老いも若きも、詰め込んでいる。
Ⅰ個でもたくさん入れようと真剣である。豆腐は9個も詰め込める。納豆は12個ぐらいであろうか。
老女の詰め込み作業を見ながら、全部消費できるのかしらと思ってしまった。
家族が多い場合はよいが、高齢者が2人では毎日食べても何日間も掛りそうである。
K氏の”賀茂鶴工場”の絵である。20年ぐらい前まではこの工場わきを通って、
O先生の家に通ったものである。
最近になって気が付いた?ことがある。高齢者になってという意味でもある。
羞恥心、虚栄心が薄らぎ、 努力しようとの真面目さが少なく、
労せずして情報を得ようとの気持ちが表面に出た。
例えば、電車やバスに乗車すると、空いている席を探す。”ゆずり合いの席”かどうかを考えなくなった。
何とか一人座れると思ったら躊躇することなく、「ごめんなさい」と言って座る。
広島駅前のビッグカメラに額縁を買いに入店した。始めた入ったので何も分からない。
入口でキョロキョロしたが、店員さんを捕まえて訊ねることにした。
「額縁は何処にありますか?」 「二回のカメラ売り場です」 二階に上がろうとするがエスカレーターが見つからない。
「あのー、2階に上がりたいのですが!}店員さんが案内してくださる。2階に上がるとまた「あのー・・・」を始める。
考えようとか探そうとかの気持ちなし。”このバーさんはボケているのかな”と思われそうである。
本屋に入り、「イシグロさんの本は、何処に置いてありますか?」丁寧に探しもしないで店員に尋ねる。
努力もしないし、恥ずかしげもない態度に、自分ながら呆れている。老人の厚かましさか!
太陽は顔を出しているが、風が冷たい。フード付きコートを着て、白大豆の処理をする。
菅原洋一さんのCDを聞きながら、歌詞によって過去や大過去に思いをはせている。
埋もれていた思い出がよみがえる。思い出の中で遊ぶことは、以前はタブー視していた。
若い時には、過去を振り返るよりも、未来に向かっての夢を描くことに夢中であった。
人生の厳冬期に入ると、思い出の中に暖かさと優しさがある。
未来を考えると、重苦しい気分になる。死が来るまでにしなければいけないことを考えると・・・・。
イシグロ氏の「日の名残り」を読んでから、思い出の中を旅する事は楽しいことなのだとの気分になった。
内容は、老執事がイギリスの田舎を旅しながら、時には過去に、更に大過去へと心の旅をする。
その本を読んでから、思い出の中に生きることも許されるのだと、気分が楽になった。
菅原洋一 「知りたくないの」
”あなたの過去など知りたくないの 済んでしまったことは仕方ないじゃないの”
の歌が流れると、遠い遠い大過去に心が飛ぶ。思い出しながら微笑むことが出来る。
ストレプトカーバスとは、花の名前である。
寒さも暑さも嫌いで、風通しの良いところが好きというわがままな品種であるらしい。
はこちゃんちの部屋に、鎮座ましましている。
寒い寒い雨の一日であった。幸いなことに、1回目のトラクター作業は昨日で終わっていた。
雨が降っても気分はラク! はこちゃんちにお喋りに行き、コーヒーを頂く。
被害をこうむったのはシェリの君。自動車の中に押し込められて、眠るしかすることがない状況。
一緒に遊びたいけど、体力の差が大き過ぎる。リェリには遊びでも、私には戦いとなる。
シェリのディープキスも、すべすべの肌さわりも、一歩間違えると怪我のもと。
31.5Kgの2歳の若者は強い。勝ち目がない。