タイでは、寺院などを守っているのはタイ象である。
どこにも像の置物や、彫刻がある。国の動物は、タイ象である。
象は、頭が良いのであろう。色々な芸を教え込み、それを観光客に披露している場所がある。
写真は、絵を描いている様子である。鼻で一筆ずつ描き進んでいく。
旅行中、出発前にNHKから放映された「認知症について」が話題になった。
アルツハイマー病の原因が解明されつつあり、それに対応できる新薬が開発され、
試験段階に入っているので、もうすぐ認可され我々にも手に入るようになりそうである。
Y氏曰く。「この歳になってアルツハイマー病になるのは、神の恵みである。
死の恐怖が、薄れるであろうから。」 納得である。
死や家族のことなど心の痛むことを考えなくなり、穏やかな日々が流れることであろう。
しかし、認知症にはなりたくない。神の恵みはいらない。
バンコクからチェンマイに。飛んだ。ゴミ一つ落ちていない清潔で綺麗な町である。
整頓され掃除されている国に棲む人達は、信頼度の高い国民と思う。
東南アジアにも多くの国があるが、タイ王国も信頼度の高い国と思う。
メディアを賑わしている選挙に関するデモも、大きく軌道を外れることはないであろう。
今回の旅行も、そのあたりを考えながら決行したのである。
年じゅう暖かく暑い国であるから、花々が咲き誇っている。
道路の中央分離帯には、ブーゲンビリアが植えられ、ている。
レストランや公園には接ぎ木をブーゲンビリアが、一枝ごとに色を変えて咲いている。
胡蝶蘭は、鉢にも入れず樹などに吊り下げられたママ大きな花を咲かせている。
胸にランの花びらを着けていると、蝶が飛んできて、とまることもある。
時間がゆっくりと流れているような、穏やかなチェンマイである。
1月21日 関西空港 11時発 気温は一ケタである。
耐えられるぎりぎりまで薄着になって出発。日本との時差は、マイナス2時間である。
15時30分 タイの首都・バンコク着。気温25℃の夏日である。
トイレにて、更に脱げるだけ脱ぎ、身軽になる。
バンコクより国内線を乗りついで、チェンマイに降りる。
チェンマイは高地であり、日も落ちて夜になり涼しさも感じる。
バンコクからチェンマイに飛ぶ機内で、太陽が沈む。
地球は円系であると認識できる海面上に、朱色の太陽が、ガクガクと落ちて行く。
空は、朱色からオレンジ、黄色、薄いブルー、ダークブルーへと変化し、終に暗闇となる。
その間10分間にもみたない神秘的な大空のシアターである。
二十数年前、初めての海外旅行時に、スーツケースを買った。
「大は小を兼ねる」との気持ちもあり、二週間ぐらいの旅行に耐えられるものを求めた。
旅行中に壊れたので一度直しに出したが、現在は元気で使用に耐える状態である。
しかし、持主である自分の方が歳を取り、大きな荷物を持って旅行する気が失せ、
暖かい近場ばかりをうろうろしている。大型スーツケースの出番がない。
今回も小旅行なので、大きなバッグは必要ない。大型スーツケースを使うと、
荷物は中で踊るであろうし、中身よりも入れ物スーツケースが重くなる。
もう一度、大型スーツケースを持って、二週間にも及ぶ旅行をしてみたい。
砂漠、遺跡(廃墟)、教会、美術館、黒・白・黄色と雑多な人々、風俗習慣の違いの驚き等々、
その面白さを垣間見ただけで、人生は終わろうとしている。
滅多にガラス磨きはしないが、年末には中掃除をしてお茶を濁した。
それでも常より、ガラス窓のくもりは薄くなり、見通しがよくなっていた。
外に出ると、窓の下に鳩がうずくまっている。生きてはいるが逃げる気配はない。
捕まえると、チョット抗ったが大人しくされるままにしている。
ガラスに衝突して、意識が朦朧としているように見受けられたので、
他の動物達に見つからないように、植木の陰にそっと置く。
ハトは、農家にとってはあまり嬉しくない存在である。
畑に植えた豆の種を掘ったり、若芽をついばんだりもする。
手に掴んだハトの温かさ、艶々した羽の感覚、
頭から首筋にかけての微妙な色合いを肌で感じると、命が愛おしくなる。
夕方は、寒く雪まで舞い始めたので、まだうずくまっていたら
凍死するのではないかと心配になり覗いたら、居ない。
周囲を広く探してみたが、影も形もない。正気になり元気になって、飛び立ったことと思う。
寒いけど、雨・雪が降らないので田圃は乾いている。
一度田起しをしたが、沢山の稲株が田の表面に転がっている。
このままでは田植まで腐らないで残るであろうと思い、二度目の田起しをする。
午後、トラクターを入れ仕事をし始めると、N氏が田圃に現れて、
「15時から新年会をしようと相談しているのだけど、いかがですか?」。
即座に「O K」である。トラクターを持ち帰り、服を着かえて飛び出す。
幸いなことに、娘が休みである。ロン・ポロの散歩も、夕食準備も娘に押しつける。
飲むよりもおしゃべりが多い。話題は、都知事選、北朝鮮訪問の猪木氏、
白内障手術についての眼科医院、町内の自治連や社協のあり方等々である。
話題は、早いテンポで変化をする。上げたり下げたりしながら話は進行する。
15時前から出かけたのに、なかなか帰らないので、しびれを切らした各家庭から携帯が入る。
やっと腰を上げて帰り支度を始めたのは、20時である。
延々5時間も飲んで喋ったことになる。ご馳走さま!