井上 靖著 文藝春秋 昭和41年
小玉杵太郎は、自動車設計の仕事をしているサラリーマン。
自己中心的で、怠け者、金がないのに贅沢好きで、少々おっちょこちょいであるが
一途なところもある面白い青年。お金がないので最高級の物は持てないが、
一つでもとの気持から、トルコ製の高級品らしい耳かきを持っている。
他の男と同棲している「あずさ」なる女に、最高級の真物の真珠を、
一個だけ10万円で買い与えたいと思い、志摩半島の旅に出る。
彼が身に着けているカバン、レインコート、靴は友人からの借り物での旅行である。
眉崎高子は、銀座で洋服店を経営しているが、いつも赤字である。
また若いチャラチャラした恋人の心をつなぎとめるために、いつもお金に追われている。
今回も、亡夫の友人塩屋冬一郎に、最後の所有物である3連の真珠ネックレスを
買ってもらい金を得ようとして、待ち合わせ場所として志摩半島のホテルを選ぶ。
樫田鵬之助は、実業界の実力者であったが、妻を失い子供3人のうち2人を
戦争で失い、残る一人も去年の夏交通事故で失ってしまい、生きていく意志が、
彼の体から脱落してしまっていた。そして自分の生涯というものに、
終止符を打とうと考えて旅に出た。
讃岐大乗は自称土木屋で、年に一度仕事を離れてのんびりした旅行を楽しんでいる。
真珠ブローカー氏は、全財産を真珠に換えて儲けようとしている。真珠買い付けの旅である。
6人が志摩半島のホテルに宿泊している時、大型台風に襲われる。
その台風は、各自の人生を変えてしまった。
台風によって海も傾いたが、影響を受けた人々の人生も傾いた。
後半はユーモア小説を読むようである。古き良き時代を懐かしみながら一気に読める。
現在では失われてしまった心豊な時代の人間讃歌である。
小玉杵太郎は、自動車設計の仕事をしているサラリーマン。
自己中心的で、怠け者、金がないのに贅沢好きで、少々おっちょこちょいであるが
一途なところもある面白い青年。お金がないので最高級の物は持てないが、
一つでもとの気持から、トルコ製の高級品らしい耳かきを持っている。
他の男と同棲している「あずさ」なる女に、最高級の真物の真珠を、
一個だけ10万円で買い与えたいと思い、志摩半島の旅に出る。
彼が身に着けているカバン、レインコート、靴は友人からの借り物での旅行である。
眉崎高子は、銀座で洋服店を経営しているが、いつも赤字である。
また若いチャラチャラした恋人の心をつなぎとめるために、いつもお金に追われている。
今回も、亡夫の友人塩屋冬一郎に、最後の所有物である3連の真珠ネックレスを
買ってもらい金を得ようとして、待ち合わせ場所として志摩半島のホテルを選ぶ。
樫田鵬之助は、実業界の実力者であったが、妻を失い子供3人のうち2人を
戦争で失い、残る一人も去年の夏交通事故で失ってしまい、生きていく意志が、
彼の体から脱落してしまっていた。そして自分の生涯というものに、
終止符を打とうと考えて旅に出た。
讃岐大乗は自称土木屋で、年に一度仕事を離れてのんびりした旅行を楽しんでいる。
真珠ブローカー氏は、全財産を真珠に換えて儲けようとしている。真珠買い付けの旅である。
6人が志摩半島のホテルに宿泊している時、大型台風に襲われる。
その台風は、各自の人生を変えてしまった。
台風によって海も傾いたが、影響を受けた人々の人生も傾いた。
後半はユーモア小説を読むようである。古き良き時代を懐かしみながら一気に読める。
現在では失われてしまった心豊な時代の人間讃歌である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/fuki_osusume.gif)
会話時の必要条件とは、相手の話を聞くことであろう。
自分の事ばかり喋りたくなったら、心が年老いている証拠か。
じっくり相手の話を聞き、その後に自分の意見を言うならば、
ピンポン玉のように会話が弾む。
カンセリングについての心得が少しでもあれば、
人間関係を更に深めることになるであろう。
今、我が心はみずみずしさを失っている。興味のあることには反応するが、
関心のない事柄には、ガラス戸が締まるように、話し声が遠のく。
相手が発信する言葉を、急がないでじっくり聞くような心のゆとりが欲しい。
来年と言わず明日から、訓練しよう。
省エネと言いながら、イルミネーションは年々派手になる。
写真は宏紀カメラマン提供のイルミネーションである。
自分の事ばかり喋りたくなったら、心が年老いている証拠か。
じっくり相手の話を聞き、その後に自分の意見を言うならば、
ピンポン玉のように会話が弾む。
カンセリングについての心得が少しでもあれば、
人間関係を更に深めることになるであろう。
今、我が心はみずみずしさを失っている。興味のあることには反応するが、
関心のない事柄には、ガラス戸が締まるように、話し声が遠のく。
相手が発信する言葉を、急がないでじっくり聞くような心のゆとりが欲しい。
来年と言わず明日から、訓練しよう。
省エネと言いながら、イルミネーションは年々派手になる。
写真は宏紀カメラマン提供のイルミネーションである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/11/559e72f5d6ecf7750f0b561cfedf02b7.jpg)
ヴィクトル・E・フランクル著 霜山 徳爾訳 みすず書房発行 1961年3月初版
ユダヤ人であるためにアウシュビッツ収容所に囚われて、
奇蹟的に生還した心理学者・精神医学者フランクルの著書である。
強制収容所での事実報告よりも、日々の暮らしの中で、絶える事のない苦悩が、
多くの一般囚人(選ばれた囚人ではない)の心に与えた影響を、
冷静に述べている。
限界状況における人間の姿を、理解しようとする心理学者の筆に、人間の偉大さを見る。
悲惨きわまりない収容所の中で、汚れた紙片に細かく、
速記の記号で原稿を書いたという話も出ている。
また、一日に一つ愉快な話を見つけることをお互いに義務付け、
自己維持のための心の武器としたとある。
読者の理解を深めるために、各強制収容所について、解説と写真が付けられている。
見るに耐えないページもある。人間は状況によってなんでもする。
悪魔に心を明け渡すこともする。しかし一方、どのような悲惨な状態においても、
人間としての精神の高さと、冷静に対処するする能力の存在に、勇気を与えられる。
この本は、あまりにも重すぎて、書き表す事が出来ない内容である。
是非、一読を薦める。
明るい写真を入れた。宏紀カメラマンからのイルミネーションである。
ユダヤ人であるためにアウシュビッツ収容所に囚われて、
奇蹟的に生還した心理学者・精神医学者フランクルの著書である。
強制収容所での事実報告よりも、日々の暮らしの中で、絶える事のない苦悩が、
多くの一般囚人(選ばれた囚人ではない)の心に与えた影響を、
冷静に述べている。
限界状況における人間の姿を、理解しようとする心理学者の筆に、人間の偉大さを見る。
悲惨きわまりない収容所の中で、汚れた紙片に細かく、
速記の記号で原稿を書いたという話も出ている。
また、一日に一つ愉快な話を見つけることをお互いに義務付け、
自己維持のための心の武器としたとある。
読者の理解を深めるために、各強制収容所について、解説と写真が付けられている。
見るに耐えないページもある。人間は状況によってなんでもする。
悪魔に心を明け渡すこともする。しかし一方、どのような悲惨な状態においても、
人間としての精神の高さと、冷静に対処するする能力の存在に、勇気を与えられる。
この本は、あまりにも重すぎて、書き表す事が出来ない内容である。
是非、一読を薦める。
明るい写真を入れた。宏紀カメラマンからのイルミネーションである。