風だけは秋

　孫娘のＮが、北海道から秋風と共に来た。
太陽の下では真夏日であるが、木陰の風は秋である。
孫娘は夏休みを利用して帰ってきたが、毎日、”友達と会う”と言って市内に出かける。
時にはお泊まりまである。一日として家でゆっくりすることはない。
何しに帰ったのであろうかといぶかる。”実家はいいなー！”と言いながら、今日もお出かけ！

　若者の成長には、目を見張るものがある。
Ｎは、漫画が好きだったが、それを卒業して、思索的な本を読んでいる。
「聖書」の話もできるし、”リトルボーイ”を知らない人が多いとも話していた。
また、フランクルの「夜と霧」の話をしたら、食いついてきたので、
テーブルの上にそっと本を置いたら、次の朝には自分のベッドに運んでいた。

　子供だと思っていたが、２０歳になったばかりの大人である。
沢山の本を読み、悩みながら大人になって欲しい。

　昨年、月下美人の挿し芽をして更新した。二本とも根付いて元気が良い。
しかし、なかなか蕾が付かないので、今年はダメかなと諦めていたが、
一個だけ付いた。きっと咲くであろう。咲き終わったら一回り大きな鉢に移そう。

タカサゴユリ

　Ｙ氏の写真集より、タカサゴユリの姿を紹介しよう。
海を見降ろすユリ、空を見上げるユリ、アスファルト路面の真ん中に立つユリ、
と様々な姿を撮っている。
高砂百合は生命力の強いユリであるが、昨年育った場所に今年も咲くとは限らない。
アスファルトの割れ目に咲く力はあっても、耕作放棄地は好きでないらしい。
昨年、放棄地に3本ほど咲いたので、今年はもっと沢山咲くだろうと期待したが、
1本も育たなかった。その代わりに庭に飛んできて、2本咲いた。
”生命力がありそで　なさそで　ウッフン”である。

船頭は一人でよい

　町内運動会に向けての会議をする。老若男女20人ばかりが集まる。
会議が始まった途端から、我勝ちに意見を言うので、船は進路が定まらない。
国会では、多くの聞き苦しいヤジが飛ぶが、意見発表者は決まっている。
我々の会議は、意見発表者が決まらないので、烏合の衆である。
会のトップの方が隣に座られ、”耳が悪くなって、意見が聞き難くなった”と言われた。
81歳になられるのだから無理もないと思ったが、それで許される問題ではない。
耳が遠くなったと感ずる時が、その職を辞める時である。カイロスである。
1時間30分、喋りもせず、ジーッと耐えて座っていた。

　我が家の百日紅は、ようやく咲き始めた。
以前は盆の花として使うこともできるほど、早い時期に咲き始めたが、今年は遅い。
今年は何もかも狂っているのか？
雨が降らないので、白菜や大根の種を蒔くことができない。

マメの支柱

　モロッコ豆が食べ頃である。油揚げや揚げ豆腐と煮ると、柔らかくて美味しい。
人間が美味しいと思う物は、鹿も好物である。
鹿に盗られないようにするには、鹿が背伸びをしても届かない所に、
モロッコ豆を成らせると良いのだと考えて、長ーい竹を切ってきて支柱にし、
それを登らせた。３ｍ以上ある所に豆が成り始めた。
鹿は盗らないが、私も採れない。長ーいハサミを使うか、脚立が必要となった。
独り占めしようと思ったが、ちょっと欲張り過ぎた。

交通止め

　アスファルトは、我が家の入口で終わり、それからは山道に入る。
その山道は、墓参りの人が通るだけで、日頃は”猪鹿街道”となっている。
荒れに荒れて、道なのか小川なのか分からない状態である。
アスファルトにしないまでも、車が通れる道にするために、工事をすることになった。
工事期間は、12月7日までとなっている。
その期間　我が家から奥の道は、交通止めである。
車だけではなく、猪鹿も交通止めであると嬉しいのに！

続けてお出まし！

　もち稲が黄色に熟れた。刈り取りには少し早い。
二晩続けて猪がお出ましになった。
鉄板の柵を倒し、網を押しのけて、強引に田圃に入っている。
夜中、犬達が吠えるので、飛び起き、金属を叩いて威嚇する。
田圃から逃げるがすでに稲を踏み込み、穂を食べて汁だけ吸い、かすを吐きだしている。
犬達を放すと、猪は来なくなるが、犬達の命が危険である。
今夜も”イノシシごっこ”をするのかな？　安眠妨害である！

ポルテからラクティスへ

　Ｔ先生のポルテは、二回目の車検となるので、５年間使用したことになる。
走行距離は、約14,000Ｋｍである。今から調子の出る車であるが、嫌気がさしたらしい。
トヨタのお店に行き、「ラクティスが良いと思うから、あなた乗ってみて！」となった。
買うのは、私ではなくてＴ先生である。
私が乗ってみて、いくら乗り心地が良くてもダメである。Ｔ先生が試乗しなくては意味がない。
安い車ではない。下取りに出しても、１５０万円～１６０万円はする大きな買い物である。
もっと小さくて小回りのきく車が良いと思うが、Ｔ先生は聴く耳持たずである。

　人のお世話をすることは難しい。
悪気のない純粋な子供が、そのまま８０数歳のおばあちゃんになったようである。
「考えるのが面倒なので、あなた考えて！」と言われても、ちょいと困る。
これが最後の自動車になると思う。最期まで大きな事故がないように祈るだけである。

スーパーダケン

　ロン・ポロの散歩中、知人と出会う。
知人　「二頭仕立てとは、勇ましいですね。力があるでしょう」
ブーコ「力持ちです。朝晩の散歩は、良い運動になります」
知人　「そうでしょうね。柴犬ですか？」
ブーコ「いいえ、スーパーダケンです」
知人　「そうですか。１頭、どのくらいな値段ですか？」
ブーコ「勿論、０円です。喜んでもらい受けました。スーパー駄犬ですからね」
知人　「わかった！駄犬ですね。スーパーダケンという種類かと思いました」

　グワッハッハ……………！！笑いが止まらない。
スーパー駄犬たちは、洗濯もしているし夏バテもしていないから、
毛の艶も良く、一見上等に見える。しかし、すぐに駄犬としての生地を出す。

コスモスの背も伸びて、本格的に咲き始めた。ノボタンの色も冴えて来た。

高砂百合

　「処暑」なる季節に移っても、暑さは一向に和らぐ気配なし。
毎日カンカン照りで、雨も降らない。真夏日が続いている。
しかし、昼間の時間は確実に短くなり、それを感知して、秋の花が顔を出している。
毎年盆過ぎごろから咲く”タカサゴユリ”が、咲き始める。
鉄砲ユリは夏の初めに咲くが、形の良く似た高砂百合は、夏の終わりに咲く。

ダツラ

　今、我が家で一番元気の良い植物は、ダツラ（チョウセン朝顔）である。
鉢植えのバラの下に生えているので、バラのおこぼれをもらって、元気なのであろう。
毎朝、真っ白い十数個の花を付ける。根は一つなので、咲いた時は圧巻である。
早朝咲きそろうが、陽が高くなると萎れてしまう。
咲いている時間は短い。花後は。イガイガの実を付ける。



　サボテンに、２個の蕾を発見したが、成長が早く、今朝一つ咲いた。
明朝もう一つも咲くであろう。淡いピンクの花が、朝日を受けている。