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自らの手は汚さず

2021-08-18 | 日記・エッセイ・コラム

 お盆休みを過ぎた早朝、ヒグラシの鳴く声が聞こえてきた。私の住んでいるところは、子供の頃はニイニイゼミとアブラゼミときてクマゼミがそれぞれ盛期を少しづつずらしながら共存していましたが、温暖化が言われるようになってからはクマゼミだらけと言っていいような状況になってしまっていました。

 そもそも、私の住み所にはいないはずのヒグラシが、何故お盆休み以後にいるのか。それは、お盆休みで帰省していた子供が家の近所で逃がしたからだと私は勝手に思っている。同じような時期に、同じくいないはずのミンミンゼミの声もよく聞くのもそう思った理由だ。

 セミの寿命は短いから、最後は逃がしてあげるというのはいい。しかし、仲間もいないところで逃がされてもメスもいないのにどうしろというのだろうか。実質的には、その場で殺しているのと大きな変わりはないのではないか。

 その場で逃がすのはなんかもったいない。でも、自分が死ぬのは見たくないという、ある意味自分勝手な思いがそうしているのだろう。ミドリガメを飼っていて、大きくなって可愛くなくなったから川に逃がすのと同じだ。もっとも、ミドリガメは大繁殖して日本の従来種を駆逐する勢いですが。

 自らの手は濁さずというのは、個人的には一番卑怯なやり方だと思っています。自分で虫の処分を決める事も大事な教育だと私は考えます。

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