ハローお馬ちゃん

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言えない本音

2018-05-30 | 映画

 映画「最強のふたり」をまた見た。最初のパトカーの追跡を振り切ろうとする、アースウィンド&ファイアー 「セプテンバー」のオープニングから軽快な映画です。 粗筋らしい粗筋は特になく、大金持ちだが事故で首から下がマヒした男性と、世話係となった移民である黒人が過ごした日々というもの。2人のやりとりで最後まで見せてしまう。

 実話に基づいているというのもあって普通ならお涙頂戴の映画になるのですが、この映画はシリアスなはずなのにむしろコメディのようなユーモラスな印象すら受けます。何故そうなるのかといえば、必ずしも道徳的でなく、この2人が本音を語っているからでではないでしょうか。

 車いすの雇い主に「立たないで」と言ったりとか、脚の感覚がないので熱いコーヒーをかけて遊んでみたり。娘の躾で「車いすで轢くぞ」と言ってみたり。前衛的な絵画が41500ユーロもすると、自分で前衛っぽい絵を描いて嘘で11000万ユーロで売りつけたりとか、車いすの雇い主に「どうせ動かない」と言ってみたり、オペラが変だとか拷問だとか。文通相手からの返事を置いて「おやすみ」と去ろうとしたり。そんなブラックユーモアなお互いのやりとりが楽しい。この2人は煙草だってスパスパ吸う。

 主人公は映画の中でこう語る。「私に同情していない証拠だよ。どこから来て過去に何をしたかなんて、僕にはどうでもいいことだよ。」 彼は同情されることに耐えられなかったのだ。

 黒人の世話係が事情で辞めて、新しく世話係になった人は真面目で煙草もやらない。しかし、そんな日々の全てが主人は気に入らない。結局、今度は友人として会いに来た彼と外出したのが冒頭の場面につながっていく。彼と再び会うことで主人公もまた本来に自分を取り戻す。

 最近は差別的表現やハラスメントが細かくて厳しい世の中になっている。煙草にしたって止めるのが当たり前で正義だ。それらが正しい事は分かっている。しかし、あまりにも細かく制限されると抑圧された気分になるのも確かではないだろうか。

 身障者と移民の黒人の主人公たちだから、言っても問題にならない台詞たち。この映画を見て感じるある意味での清々しさは、単に人種を超えた友情というのに加えて、「正しさ」に縛られている我々に少しだけの自由を見せてくれているのもあるに違いない。

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何度見ても

2018-01-18 | 映画

 先週、また映画「グラントリノ」を見た。このブログでも前に書いていますので繰り返しませんが、朝鮮戦争に出征した元軍人で家族にも見放される偏屈男が余命短くなった時にどのような死に方をするのかという話。

 自分が年をとったのがあるのでしょうが、最後の撃たれたところであの歌が流れるところでいつも泣きそうになる。胸がグッとつまるのです。あのベトナム人の少年が同胞の警官から、殺した不良たちが長期刑になるのを聞いたところまでその感動は続く。何度見ても。

 それから、先週見たのは吹き替え版だった。ついこの間、吹き替え版の方が字幕版よりいいとか書いたのですが、この作品に関しては字幕版でノーカットの方が感動が増しました。クリント・イーストウッドの声も私の感動には必要不可欠なんでしょう。

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スナイパー映画

2017-08-22 | 映画

 映画「レニングラード」を見ました。この映画は、もちろんソ連がドイツと戦ったレニングラード攻防戦についての映画なのですが、装備や物資不足で士気が落ちる一方の赤軍(ソビエト軍)を勇気づけるために報道された、ライフルによる狙撃でドイツの将校や兵士たちを次々に射殺していく英雄の物語。この人物は実在し実際に赤軍を勇気づけて英雄になっている。

 映画の冒頭は、「プライベート ライアン」を思わせるような攻撃を受けながらもレニングラードに移送され、すぐに敵に突撃させられる場面から始まっている。とにかく赤軍の将軍たちは兵士の命を全く顧みておらず、これでは士気も上がるまいといったところ。そこでメディア担当の兵士が、主人公の射撃の腕を見て英雄を作り出すことで国民に希望を与えようと思い立つ。そこからは、主人公の狙撃兵としての戦いが続くのですが、ドイツ側も彼を倒すために伝説の狙撃兵を招集して2人の戦いが駆け引きがなかなか面白かった。

 こういうスナイパーものは、戦争の直接的な惨さを抑えて狙撃手の超人的な活躍を見せる映画で少し特殊ですが興味深いものですよね。

 似たような映画にはイラク戦争での「アメリカン スナイパー」がありますが、これは先のレニングラードとは違って、祖国防衛という大義の無いイラク戦争だけに賛否は別れましたしラストは事実だけに複雑でした。

 戦争とあまり関係ないスナイパーものなら、深夜にしょっちゅう放映されているそのまんまのタイトル「ザ・スナイパー」が有名でしょう。2㎞ぐらいの遠距離射撃はやられる方には本当におっかない。トム・クルーズ「アウトロー」もスナイパー絡みの映画。これは謎解きもあってワクワクする映画でしたね。

 こういうスナイパーものの映画が作られるってことは、人間っていうものは簡単にできないような超人的な能力に憧れるものなのかもしれませんね。

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2が待ち遠しい

2017-07-07 | 映画

 トップガンの続編が制作決定したというニュースが届いた。2019年7月公開で、2018年に撮影とのこと。トム・クルーズは教官役として出演する。このトップガンはトムにとっても出世作で、映画の権利を彼自身が取得して勝手に続編が作られないようにしたという大事にしてきた作品。遂にトムが続編を決意したということで、期待は高まります。

 第1作めのトップガンは何と31年も前の作品。しかし、つい先月にTV放映していたのを見ましたが全く古臭くなく、今見てもやはり面白くかっこいい映画でした。内容は、かっこいい 天才 凄い、モテる、相棒死んだ、でも復活というもので、ストーリー的にはベタな映画ですがとにかく戦闘機のシーンがかっこいいのです。アメリカ空軍全面協力の映像は、やはり本物の迫力です。31年も前という事でトムも若い。キムタクの元ネタの照れ笑いも炸裂しています。

 戦争は美化するものではないし綺麗事ではないのは分かっていますが、機械の機能美や超人的な能力へのあこがれは映画の中ぐらいではいいのではないでしょうか。

 あと、個人的に2が見てみたいのが、マット・デイモン主演の「ラウンダーズ」。プロのポーカープレイヤーの話で、個人的にはなかなか面白かった。これも一時は2が制作されるというニュースが出ていたのですが、いつの間にか霧散してしまったもの。これはマット・デイモンが売れっ子だからもう少し先でないと無理かな。

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グッバイ、レーニン!

2016-05-20 | 映画

 グッバイ、レーニン!という映画を見ました。時代背景はちょうど東西ドイツの統一の前後になっている。あらすじはこんな感じ。東ドイツに住む愛国心の強い母が息子が反政府デモに参加したことにショックを受けてこん睡状態になる。その昏睡状態の間に東西ドイツが統一してしまった。母は奇跡的に覚醒したのだが、心臓が悪く大きなショックを受けると命が危険だと医者に宣告される。息子は母にショックを与えないために、ドイツが統一した事を彼女に隠し通すことに決めた。それで起こるドタバタや、西側に亡命して消息不明になっていた夫の登場などなどありつつ、息子は最後まで母にドイツの統一を隠し通せるのだろうか・・・。

 正味26年前の話なのですが、東西ドイツの格差の大きさとドイツの統一が驚くほどのスピードで進んだんだなあというのが、フィクションである映画であるとはいえ実感できる映画でした。車とか食料品にしてもあっという間に西ドイツに飲み込まれてしまってて、東ドイツ時代の食品を必死になって探したり、周りは全部西側の車なのに東ドイツのトラバントという小さな車を探してきて乗ってたり。

 近所の人にお金を払って昔通りの東ドイツの演技をしてもらったり、ビデオカメラでニュース番組を作ってビデオレコーダーで流したりと息子の努力はコメディチックに続く。ラストはおもわずほんのり暖かな気持ちになれますよ。

 今では、ああいう「東側」のままな国は北朝鮮ぐらいのものになりましたが、あの当時は結構多かったなあと懐かしさも感じましたね。あと、この映画で感じたのは、西側の方が豊かで自由さはあったかもしれないけど、家族の幸せさとしたら西側も東側もないんじゃないかなと思えてきました。むしろ、ある程度の厳しい規律の中での生活の方がいい面もあったんじゃないか。そんなことも思いました。

 映画としては、シチュエーションがもう歴史的にも特異で、眠ってる間に統一されていたという設定だけでもう面白さは保証されたようなものな映画でした。こういう映画が作られたのも、あんな時代があったから。シチュエーションコメディーを見る気持ちで軽く見ていると、見終わったときに歴史の1ページを見たような気分になる映画。

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