ラグビーW杯の日本対アイルランド戦が行われて、戦前の予想を覆して日本が19対12で勝ちました。アイルランドは現在の世界ランキング2位の強豪で、僅差の試合すら難しいのではないかと思っていただけに信じられない結果です。しかし、前半の終盤以降はむしろ日本が攻めに攻めた内容だったので、これが奇跡の勝利ではないのは確かです。
試合は、相手の突進を止めきれずに20分までに2トライを奪われ、日本は1PGの3点のみで12対3とリードされる。この辺から日本のタックルが決まり始めて、アイルランドがゲインラインを得られなくなって攻めあぐねだす。前半30分で故障した選手と交代でリーチ・マイケル選手が入ってくると連続攻撃も決まり始めて相手陣地での攻撃の時間が多くなってくる。PG2本を追加して12対9で前半終了。
後半、攻める日本は遂に18分にトライを奪って逆転。更に1PGを追加して19対12での勝利。特に後半はゴール前に攻め込まれても守備に安定感があり思ったよりも怖さは感じませんでした。前回大会の南アフリカに勝ったのと同じ大番狂わせではあるのですが、個人的にはその時ほどサプライズや劇的勝利という訳ではなかった。それぐらい後半は押していたからです。
理由は色々ある。日本は日程的に試合間隔は理想的に組まれているのに比べて、アイルランドはライバルとなるスコットランドとの戦いを日曜日にやって中4日という厳しい日程でエースSOをはじめ何人かの主力選手を休ませた事。それだけ力に差があって、それでも勝てるとアイルランドは思っていたに違いなかったのですが…。
あとは夕方開始のゲームで、暑さもあってアイルランドは後半はスタミナ切れというのも多分にあったように見えました。日本は夏の合宿で徹底的にスタミナも強化しているそうでこれぐらいの暑さなら平気なのも大きかった。
また、ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカといった強豪国に比べると、世界ランキングは2位とはいえ英国系のチームとは昔から何度か奇跡的に接戦してきた歴史もあってか、やる前から怖さを感じるという面もあったのではないかと想像したりもした。
前回大会では、初戦で南アフリカに勝ちながら、2戦目が強行日程でスコットランドと対戦して敗れてグループリーグを敗退した。今回はかなり突破に近づきましたが、これからは故障者も出てくるでしょうし簡単には勝てないでしょう。何とか決勝トーナメントに出てほしいものです。