藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)
はなバルーンblog
「ゲゲゲの鬼太郎」第5作 第9話「ゆうれい電車 あの世行き」感想
「ゆうれい電車」4度目のアニメ化。この話は、第2作を除く全シリーズでアニメ化されており、それぞれで異なるアレンジがあるものの、基本的に大筋は原作通りだった。
過去3回で「ゆうれい電車」は、前半をオリジナル展開にして妖怪達の動機付けを描いた第1作、ややコミカルな印象のある第3作、そして原作寄りで徹底的に暗さと怖さを描いた第4作と、一通りやり尽くされた感があり、今回はどのようなアレンジで攻めてくるのか興味津々だったが、結果的に観終わった後の感想としては「してやられた」と、思ってしまった。
今回の話は、第5作で初めて「鬼太郎」に触れるような子供は、単に「怖い話」としてしか認識しないだろうが、原作や過去のアニメ版を知った上で観ると、あの結末には驚くしかない。
観終わってから思い返すと、今回は話の要と言うべき「同じ大きさのこぶでお返しさせてもらう」が無いし、後輩(本話では「木下」)の態度も原作とは異なっており、これでは原作通りのオチになる訳がないのだが、初見では違和感を覚えつつも、あのオチは予測できなかった。よくよく考えれば、話の発端となったアラン捜査官の霊視もきっちり伏線になっていたのだ。
そんな感じで観ていたから、吉永(先輩)への「お前の罪を思いだせ」の問いつめの下りでは、たかだか妖怪の存在を馬鹿にした事が「罪」なのか、今回の鬼太郎はやけに厳しいなと思ってしまった。そうしたら、あのオチだ。見事にだまされた。今回は「ゆうれい電車」の話を知っている人を引っかけるために作ったのではないかとさえ思ってしまった。
今回の大胆すぎるアレンジ&結末改変で、話のテーマが「妖怪を馬鹿にする人間におしおき」から、「吉永の過去の罪を暴く」に変わってしまっており、「ゆうれい電車」のアニメ版として考えると不満もある。それに、ねずみ男が全く登場しないのも寂しい。
ただ、本話に関しては「どうせまたいつもと同じ展開だろう」と思い込んでいただけに、「してやられた」感が強く、ここまで話が変わってしまえば、元の筋とのテーマの違いを気にしても意味がないような気もする。
見事に騙されて、新鮮な驚きを味わう事が出来たと言う点で、今回のアレンジは評価したい。
なお、ゆうれい電車のキモとなる「怖さ」については、描写自体はなかなかよかったと思うが、いちいち妖怪の名前がテロップで出る(ねこ娘まで)ので、ちょっと観ていて醒めてしまった。今回は、無理にあのテロップは出さなくてもよかったのではないか。
ついでに、一つ最後に言っておきたい。「骨壺」を「こつつぼ」にしてしまってはダメだろう。あれは「ほねつぼ」だからこそ味があるのだし、この点については特に変える意味が感じられなかっただけに、残念だ。
過去3回で「ゆうれい電車」は、前半をオリジナル展開にして妖怪達の動機付けを描いた第1作、ややコミカルな印象のある第3作、そして原作寄りで徹底的に暗さと怖さを描いた第4作と、一通りやり尽くされた感があり、今回はどのようなアレンジで攻めてくるのか興味津々だったが、結果的に観終わった後の感想としては「してやられた」と、思ってしまった。
今回の話は、第5作で初めて「鬼太郎」に触れるような子供は、単に「怖い話」としてしか認識しないだろうが、原作や過去のアニメ版を知った上で観ると、あの結末には驚くしかない。
観終わってから思い返すと、今回は話の要と言うべき「同じ大きさのこぶでお返しさせてもらう」が無いし、後輩(本話では「木下」)の態度も原作とは異なっており、これでは原作通りのオチになる訳がないのだが、初見では違和感を覚えつつも、あのオチは予測できなかった。よくよく考えれば、話の発端となったアラン捜査官の霊視もきっちり伏線になっていたのだ。
そんな感じで観ていたから、吉永(先輩)への「お前の罪を思いだせ」の問いつめの下りでは、たかだか妖怪の存在を馬鹿にした事が「罪」なのか、今回の鬼太郎はやけに厳しいなと思ってしまった。そうしたら、あのオチだ。見事にだまされた。今回は「ゆうれい電車」の話を知っている人を引っかけるために作ったのではないかとさえ思ってしまった。
今回の大胆すぎるアレンジ&結末改変で、話のテーマが「妖怪を馬鹿にする人間におしおき」から、「吉永の過去の罪を暴く」に変わってしまっており、「ゆうれい電車」のアニメ版として考えると不満もある。それに、ねずみ男が全く登場しないのも寂しい。
ただ、本話に関しては「どうせまたいつもと同じ展開だろう」と思い込んでいただけに、「してやられた」感が強く、ここまで話が変わってしまえば、元の筋とのテーマの違いを気にしても意味がないような気もする。
見事に騙されて、新鮮な驚きを味わう事が出来たと言う点で、今回のアレンジは評価したい。
なお、ゆうれい電車のキモとなる「怖さ」については、描写自体はなかなかよかったと思うが、いちいち妖怪の名前がテロップで出る(ねこ娘まで)ので、ちょっと観ていて醒めてしまった。今回は、無理にあのテロップは出さなくてもよかったのではないか。
ついでに、一つ最後に言っておきたい。「骨壺」を「こつつぼ」にしてしまってはダメだろう。あれは「ほねつぼ」だからこそ味があるのだし、この点については特に変える意味が感じられなかっただけに、残念だ。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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やはりこの話は面白いですね。
3作目では先輩の男の声を屋良有作氏がやっていましたが、ひょうすべを「こんなの大したことないぞ」と馬鹿にするシーンで、偶然でしょうが後の「ちびまる子ちゃん」の「まるちゃんおばけ屋敷へ行く」のエピソードでやはり屋良さん演じるさくらヒロシが、ひょうすべを見て「こんなののどこが怖いんだ」と言うシーンを思い出して笑ってしまいました。
また、個人的には第3作は妖怪達の脅かし方がコミカルすぎてちょっとムードが違うと感じます。私は、第4作の「霊園行・幽霊電車!!」が、4本あるアニメ版の中では、原作のムードを尊重している点では一番だと思います。第1作の「ゆうれい電車」も、白黒故の暗いムードがなかなかいいですね。
「幽霊電車」のねずみ男の「頭がおよわい人たちだ」→「頭がかたい人たちだ」や、「妖怪軍団」の目玉親父の「くさみで気がくるいそうだ」→「くさみで死んでしまいそうだ」。
「鏡爺」の「気でもくるったのかーっ」→「ああっ!やめろ鬼太郎」に気付きました。
一方、「土ころび」は土ころびの出自が、ちくま文庫では「人間」ですが、マガジンオリジナルでは「百姓」とあります。
規制の基準がもう一つ見えません。
おおはたさんのお持ちの中央公論社版はどうでしょうか。
今度出る全集では、セリフは初出の物にもどすとされているので、どうなるか注目しています。