はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「ミス・ドラ」7巻&「バケルくん」4巻発売

2007-05-09 23:50:02 | 藤子不二雄
 先月末から今月頭にかけて、「ミス・ドラキュラ」第7巻(最終巻)と「バケルくん」4巻の2冊が発売された。藤子作品の単行本が同時期に2冊出るのは久しぶりだ。

 3月の映画ドラ公開前後から、自分の中では藤子作品に対してテンションが下がり気味だったのだが、これらの新刊や図書館で未読作品を読んで、徐々にテンションが上がってきた。やはり「初めて読む作品」には、新鮮な驚きがある。もちろん、藤子作品は何度でも楽しめるが、それはまた別次元の話だ。
 せっかくだから、当ブログでこの新刊2冊を取り上げておきたい。



・「ミス・ドラキュラ」第7巻(ブッキング)

 隔月で出ていた本作も、いよいよ最終巻。
 2ヶ月に一度の楽しみだったので寂しくもあるが、ようやく「ミス・ドラキュラ」が全話単行本された事は、非常に喜ばしい。もっとも、私は奇想天外社の旧版を持っておらず、作品自体は初読だったのだが。
 5巻以降は、全話がマイクロフィルムの復刻となっているので、単行本未収録分は全て原稿が所在不明なのだろう。そのため線が粗くなってしまったのは残念だが、きちんと読める状態で全話収録してくれた事は最大限に評価したい。「状態が悪いから」と、4巻で終わりになってしまっていたら、それこそ中途半端で勿体ないと思っただろう。

 本作は、4ページのショートギャグ作品なので、特に「これ」と強い印象のあるエピソードをあげにくいが、主役のミス・ドラキュラこと虎木さんよりも、むしろ佐木やフーコなどを中心とした一般庶民の人間模様が、7巻にわたるエピソードの中で積み重ねられていく様が楽しかった。
 最終話の唐突さも、いかにもA作品らしい。何でアメリカなのかとか、突っ込んではいけないのだろう。これで、置き手紙があれば完璧だったのだが。

 ところで、A先生は、あとがきで「海の王子」を最後の合作とされている。これまでA先生が合作について語った文章では、最後の合作は「オバQ」とされていたので、気になるところだ。
 個人的には、最後の「合作」と言える作品は「仙べえ」だと考えている。案と絵の分担制だが、両先生の個性が上手く融合している作品だと思う。もっとも、これはA先生御自身が既に忘れているのかもしれないが。



・ぴっかぴかコミックス「バケルくん」第4巻(小学館)

 正直言って、もうぴかコミではドラしか出ないかと思っていた。今頃になって続刊が出た点も驚きだ。そう言えば「パーマン」も4巻は結構遅れて出ていた。ともかく、アニメ化されていない作品を出版してくれるだけでもありがたい。
 4巻で好きな話をあげると「ゴキブリラーメン」「かげの通りま」あたりか。後者は「パーマン」や「エスパー魔美」にも通じる読後感を持つエピソードだと思う。

 この4巻では、「バケルくん、サンタになる」「楽しいお正月」の2本が単行本初収録。印刷状態からみると、おそらく雑誌からの復刻だろう。原稿所在不明のせいで、これまで未収録だったのかも知れない。
 ともかく、これで「バケルくん」単行本未収録作品は残り1本となった。その1本も「ネオ・ユートピア」会誌38号(「バケルくん」特集号)に再録されているので、FFランド+ぴかコミ+NU38号で「バケルくん」は全て読む事が出来る。
 ぴかコミだけで考えても、てんコミ2冊分に相当する分量が出ているのだから、1990年代後半~2000年代初頭のてんコミ品切れ時代よりははるかにいい状況だ。

 さて、そろそろぴかコミの藤子作品にも新タイトルが欲しい。有名どころでは「新 オバケのQ太郎」低学年向けの単行本未収録作品にカラーが多いので、刊行を希望したい。「熱血コロコロ伝説」の付録に新オバQが付けられるのだから、ぴかコミでも出せない事はないだろう。ぜひ、お願いします。

「ゲゲゲの鬼太郎」第5作 第6話「大パニック!妖怪横丁」感想

2007-05-06 23:50:46 | 水木しげる
 第4話の一反木綿に続き、今回は砂かけ婆の主役回。また、これまであまり詳しい描写のなかった「妖怪横丁」の様子が描かれたエピソードでもあった。


 今回の敵妖怪・のびあがりとの戦闘は、早々と鬼太郎が吸血木になってしまい、砂かけ婆メインで進んだ。第1話でも描かれていた「砂の調合」によって作った戦闘用の砂が使われたが、新要素としては面白いアイディアだと思う。そう言えば、展開は違うが原作でも、のびあがりを追いつめるのには灰を使っているので、案外しっくりと来る。
 例によって鬼太郎自身の戦闘は短いが、今回の主役・砂かけ婆の見せ場はたっぷりとあったから、これでいいだろう。

 ところで、実は第1話から気になっていたのだが、本作の砂かけ婆はこれまでのシリーズに比べると、性格がきつくなっているように思う。もちろん、家賃を滞納しまくる妖怪長屋の住民にも問題はあるのだが、その点を考慮に入れたとしても、本話は怒りすぎだと感じた。
 特に、最後の場面では、自分で砂集めをやらせたのに子泣き爺達にあたるのだから、ちょっとひどい。子泣き達が吸血木になった時は「もう家賃はいらん」と言ってはいたが、話全体の印象としては、この場面の方がとってつけたような印象を受ける。スタッフの狙いとしては、砂かけ婆を「普段は厳いが、根は優しい」キャラとして描こうとしているのだろうが、今のところ厳しい面が前面に出過ぎている感じだ。
 砂かけは、第2作・第4作と同じく山本圭子が演じているだけに、かえって「同一人物(妖怪?)にしては性格が違いすぎる」と感じてしまうのかも知れない。例えば、子泣き爺は本シリーズでは「だだっ子」的な面が強調されているが、声が違うせいか「これが今回の子泣きなんだ」と、もう受け入れてしまった。

 また、今回は妖怪横丁における妖怪達の生活が一通り描かれて、どんな妖怪が住んでいるかもだいたいわかった。今後は、横丁に住んでいない妖怪が敵として登場するのだろう。そう思って見ると、たしかに横丁には善良そうな妖怪ばかりがいるようだ。もし、見上げ入道や天邪鬼あたりが住んでいたら違和感があるだろう。
 悪い妖怪は横丁から居住を拒否されているのか、それとも自分から横丁を避けて外の世界にいるのだろうか。


 次回は「燃えろ!目玉おやじ」。やはり、本シリーズではレギュラー妖怪一人一人にスポットを当てる方針なのか。予告映像を見ると夜行さんも登場するようなので、誰が声をあてるかが楽しみだ。第4作のように、登場するたびに声が違うという事態は避けて欲しい。
 なお、敵妖怪は「雪女」とのみ告知されており、冷凍妖怪の残り二匹・雪男と雪ん子が出てくるかどうかは不明。

発見!オカメ仮面

2007-05-05 17:38:49 | 藤子不二雄
 「あやうし!ライオン仮面」は、「ドラえもん」好きな人にとっては今更説明の要が無いほど有名なエピソードだろう。作中作としては、かなり知名度の高いタイトルだと思う。このタイトルを聞けば「もはや、のがれることはできんぞ」や「グエーッ」が頭に思い浮かぶのではないだろうか。
 この、ライオン仮面や弟オシシ仮面のやられっぷりが面白いせいか、最近はネット上でネタにされる事も多く、「ライオン仮面 オシシ仮面」で検索してみると、こんな具合だ。人気(?)にあやかったのか、今年公開された映画「ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い」では、冒頭でオシシ仮面フィギュアまでが登場した。


 しかし、ライオン仮面とオシシ仮面の壮絶なやられっぷりはよく語りぐさとなるが、一人、ほとんど忘れられている可哀想なヒーローがいる。そう、「オシシ仮面のいとこ」こと「オカメ仮面」だ。
 先の二人に比べてオカメ仮面が話題になりにくいのは、本編に姿が全く登場せず、唯一ドラえもんの「場面が変わって、オシシ仮面のいとこの、オカメ仮面がでてる」と言うセリフでしか存在が確認できないため、圧倒的に印象が薄いせいだろう。

 はたして、オカメ仮面とはどんなヒーローなのか。
 個人的に以前から気になっていたのだが、先日ついにその姿を見る事が出来た。きちんと藤子・F・不二雄先生の手によって描かれたオカメ仮面の絵が存在したのだ。
 このブログでは、これまで漫画の画像は掲載していなかったが、こればかりは実物を見せなければどうしようもないので、以下にご紹介する。





 と言うわけで、これが「オカメ仮面」です。思いっきり名前のまんまの格好だ。
 ご覧になって、「ドラえもん」のどこを読んでもこんな奴は出てこないと疑問に思われた方がいらっしゃるかもしれない。実は、このオカメ仮面は「ドラえもん」ではなく、「小学五年生」昭和42年12月号に掲載された「パーマン」(サブタイトル無し)に登場したキャラクター。ライオン仮面やオカメ仮面より3年以上早くお目見えしていたと言うわけ。前回のエントリで言及した、「パーマン」に登場する「ネタ的に面白いキャラクター」とは彼の事だったのです。

 上の画像で、オカメ仮面は「正義のみかた」を名乗ってはいるが、その正体はギャド連の犯罪技術開発部長で、オカメ仮面を名乗ってパーマンを操り、邪魔な外国の犯罪組織を壊滅させようとしていた。
 だから、やはり「正義の味方」としての「オカメ仮面」は、幻のヒーローだと言うべきか。いや、もしかしたら「ライオン仮面」に登場したオカメ仮面も実は悪人で、くらやみ団と通じていると言った設定があるのかもしれないが、「ライオン仮面」の12月号以降を読む術がない以上、それは確かめようがない。


 とは言え、「あやうし!ライオン仮面」本編では全く姿を見せなかったオカメ仮面が、実は作者によって描かれていたと言う事実だけでも、十分注目に値すると思う。まあ、このブログをご覧になっている方の中には、何人かとっくにご存知だったと言う人もいそうだが。
 最後に、オマケとして扉絵もご紹介しよう。この絵だけを見るとオカメ仮面がパーマンのボスのように見える。それにしても、携帯カメラの最初の活用が、こんな形になるとは思わなかった。



これが扉絵


東京ぶらり旅

2007-05-04 23:42:10 | 旅行
 5月2日・3日の一泊二日で、連休を利用して東京に遊びに行ってきた。
 今年に入って、3月に二回ほど関東方面に出かけているが、いずれもはっきり予定(両方ともアニメ関係のライブ)があり、また3月は忙しかったので目的のライブに行くだけで精一杯だった。
 だから、久しぶりに特に予定を組まずに、東京をぶらついてみたかったのだ。


 まず、一日目の5月2日は、昼間は主に上野の国際子ども図書館で、単行本未収録の藤子不二雄作品を借り出して確認した。今回は、旧作「パーマン」の「小学三年生」以上の学年誌掲載分と「たのしい幼稚園」版の「モジャ公」をチェック。
 旧「パーマン」の低学年向け作品は、多くがぴっかぴかコミックスに収録され、本来のカラー絵で手軽に読めるようになったのだが、中・高学年向け作品は今のところフォローされる気配はない。「たの幼」版「モジャ公」もフルカラーで楽しい作品だが、毎回2ページまたは3ページで12回連載なのでページ数が足りないためか、一度も単行本化されていない。もったいない事だ。

 半日かけて、「パーマン」「モジャ公」ともに、借り出せる限りはチェックする事が出来た。
 「モジャ公」は、連載第1回の掲載誌が欠号だったのは残念。「パーマン」は、本の状態が悪くてコピー不可の話がいくつかあった。また、「パーマン」では、ネタ的に面白いキャラクターを確認できたので、これは近い内に当ブログでご紹介したい。
 ともかく、未収録だから必ずしも駄作だという訳ではないと言う事を、改めて認識させられた。

 なお、一日中ずっと図書館にいたわけではなく、昼間は秋葉原に移動して、ケデラッタさんとお会いした。
 お互いの近況(主に、最近のアニメ視聴状況)などを話したり、藤子作品の新刊を購入するために書泉やヨドバシカメラに行ったりと、2時間ほどご一緒した。秋葉原はうろつくネタには事欠かないし、上野とはJRで二駅なので動きやすい。
 夕方は、神田の古書店街などを回った後、カプセルホテルにチェックイン。


 二日目・5月3日は、またも秋葉原へ出向いた。
 前日は昼間に少しいただけだが、今日は10時から15時くらいまで、特にあてもなくぶらついていた。確たる目的が無くても、いくらでも時間を潰せるのだから、ある意味恐ろしい土地だ。
 また、本日は銀河満月さんにお会いして、軽い昼食をとりながら1時間ほど「ゲゲゲの鬼太郎」談義に没頭した。アニメ新作はもちろんだが、過去のアニメシリーズや原作まで、話題は尽きない。個人的には、歴代シリーズの出演声優について突っ込んで話せたのが特に楽しかった。できればもっと話していたかったところだが、銀河満月さんにご予定があったので、13時に解散となった。

 15時頃に秋葉原を離れて、中野ブロードウェイへ。
 最近は、中野に行っても「まんだらけ」をザッと回る程度の事が多かったのだが、今回は時間に余裕があったので、まんだらけを含めて古書店を一軒一軒じっくりとチェックする事が出来た。
 ただ、前日も含めて古書の購入は少々調子に乗ってしまい、買いすぎで中野を離れた頃にはカバンがパンパンになってしまった。以前にも書いた気がするが、荷物が多くなると四次元ポケット(中身は不要。ポケットだけでOK)が、本気で欲しくなる。

 その後は、夕食などで時間を潰して、帰宅。楽しい二日間だった。目的があって出かけるのもいいが、あまり深く考えずにぶらつくのも面白い。
 それに、ケデラッタさんと銀河満月さんは、直前に連絡したにも関わらず付き合って下さり、楽しい時間を過ごす事が出来た。お二人には大変感謝しております。



 なお、先月末に私もようやく携帯電話を導入したのだが、今回の旅行では携帯の便利さを身をもって実感する事が出来た。以下、すでに携帯を普通に使っている人にとっては「何を今更」な内容だろうと思うが、新鮮な気分のうちに携帯を使ってみての感想を書いておく。

 まず、これまでは出先で人と連絡を取る事は難しく、ネットを参照するにもいちいちネットカフェ等に行く必要があったが、携帯があればメールで待ち合わせの約束なども容易であり、この点が一番便利で感動した。今回、ケデラッタさんや銀河満月さんに無事にお会いする事が出来たのは、携帯の力によるところが大きかった。
 実は、現時点で本来の「電話」機能はまだ全然使っていない。携帯を導入してから今日までの2週間弱での感触では、電話機能はオマケのような印象すら受けてしまう。もちろん、いざと言う時は直接会話できる電話機能は必要だろうが、簡単な連絡はメールで事足りるし、これなら話し声で周囲に迷惑をかける事もない。
 メール以外にもネットにもつなげられるし、音楽も聴けてゲームも出来る。知識としては知っていた事だが、実際に使って見ると、小さいくせに多機能で本当に便利だ。仮に電話機能が無くても十分に所持する意味はあると思う。地元では品切れだったUSBケーブルも秋葉原のヨドバシで入手したので、これから更に色々といじるのが楽しみだ。