はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

11/25 ドラえもん「くろうみそ」ほか

2005-11-26 22:53:48 | アニメドラ感想
 ここ2,3日で色々とネタがたまってしまったが、まずはアニメドラの感想から。


「くろうみそ」(脚本/高橋ナツコ、絵コンテ・演出/三家本泰美、作画監督/久保園誠)

 原作では、珍しくパパがのび太に「2ページほど」説教する姿が印象的だったエピソード。
 今回のアニメ版も、ほぼパパが主役と言える扱いだったが、原作と比べると声の演技・作画の両方が相まって、終始いらついていると言うか、興奮しているような印象を受けた。アニメリニューアル後、これまで描かれてきたパパのイメージとは、微妙にずれている感じだ。ただし、この話のノリを考えると、むしろこのパパの方がふさわしい気もする。いつもの、のんびりとしたパパでは、あの説教は成り立たないだろう。
 話全体では、パパとのび太のやりとりもテンポ良く進んでいたし、のび太&パパの苦労の描写も悪くなかった。特に、前者については、原作とは違ってパパの説教の合間にドラの合いの手やのび太の反応が挿入されていたが、アニメで延々とパパの話を続けると画面が単調になっただろうから、こちらで正解だったと思う。
 だから、パパの性格の変化を気にしなければ、まずまず楽しめた。ただ、前述した原作の名ゼリフ「2ページほどやる」が無くなったのは仕方ないにしても、それに変わるアニメならではのセリフがなかったのは残念だ。しかし、この部分は単純に「2分ほどやる」など時間に置き換えても面白くないし、「○カットほどやる」などとしてしまっては子供には意味不明だ。まさに原作のセリフは「マンガならでは」のもので、アニメ化が難しい部分だろう。また、個人的な事だが、太田さんの声がイメージしていたよりも高い声で、ちょっとショックだった。

 それにしても、コンビニ全盛の今時に、原作通りの「商店街の一斉休業」には、ちょっと無理を感じてしまった。本編でコンビニが出てきた事はないから、たまたま近くにコンビニがないのだろうと脳内補完する事は出来るが、今の子供は疑問を感じるだろう。「2ページほどやる」共々、アレンジで無理のない展開にして欲しかった。



「無敵コンチュー丹」(脚本/与口奈津江、絵コンテ・演出/安藤敏彦、作画監督/中村英一)

 基本的には原作通り。アニメならではのアレンジも、特に見あたらなかった。強いて言うならば、のび太が葉っぱを食べる描写が、野菜に変更されたくらいだろうか。また、ドラえもんがモハメッド・アリの事を説明していたが、時代を考えると当然だろう。この場面では、アリの事を知らないのび太が視聴者の代わりを務めていたわけだ。
 前述のように、内容はほぼ原作通りなのだが、オチのテンポが少し悪くなっていた気がした。虫とりあみと殺虫剤の部分は、原作のようにさらっと流したほうが面白かっただろう。殺虫剤については、実際にのび太に効いてしまう描写を避けた結果なのかも知れないが、逃げ回る場面はいらなかったし、ゴキブリホイホイを踏みつぶす部分は意味不明だった。全体として、あまりパッとしない出来だったと思う。

 ところで、これまで中村英一作監回は、大山ドラ末期に近い顔のドラえもんが描かれる事が多かったが、今回は大山ドラは大山ドラでも、顔のバランスが1980年代中盤風だった。あの顔のドラは個人的には非常に好きだが、やはり今のデザインに混ざると、浮いてしまっていると思う。