はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「ゲゲゲの鬼太郎」第3作DVD化決定

2005-11-11 23:22:54 | 水木しげる
 「ゲゲゲの鬼太郎」(第3作)のDVD-BOX化が、ついに発表された。東映アニメーションの過去の作品が次々とDVD化されて行く中、東映アニメの看板作品の一つと言える鬼太郎がこれまで手つかずだったのが不思議なくらいだが、ようやく来たかという感じだ。

 第1作からではなく、いきなり第3作の発売となるのは、視聴者によく浸透しているシリーズを選んだと言うことか。そう言えば、タイムボカンシリーズのDVDも第6作目の「逆転イッパツマン」からリリースされた。LD時代は、タイムボカンシリーズのBOXは第3作「ゼンダマン」で止まっていたので、人気が高く全話ソフト化の希望が多かったイッパツマンを選んだのだろう。
 「鬼太郎」も事情は似ており、第2作と第4作は全話ビデオ化されているが、第3作は地獄編を合わせると全115話で最も長いシリーズだったせいか、ビデオは第10巻・第40話までで止まっていた。それに、第3作の高い知名度も考えると、DVD化第1弾に選ばれた事は理解できる。第1作もビデオ収録漏れ作品があるし、そもそもレンタルビデオ自体、現在ではなかなかお目にかかれないのだが、営業戦略的には第3作と言う事か。

 ただ、個人的にはアニメ「鬼太郎」で一番好きなシリーズは、1971年~72年放映の第2作だ。第3作放送開始以前の幼稚園~小学校低学年の時期に何度も再放送されており、第2作の怖さが心に刻み込まれてしまっている。今でもたまにビデオを見返すのだが、やはり何度観ても面白い。
 私にとってのアニメ「鬼太郎」は、この第2作の鬱&怪奇路線だったので、1985年に第3作が始まった時は、いきなり吉幾三の歌が流れて、ずいぶん面食らったものだ。今思えば、吉幾三版OPは東京プリン版「ドラえもんのうた」といい勝負の、大胆なアレンジだった。
 本編も、第2作と比べて明るい路線になっており、なかなか馴染めなかったが、作品としては悪くないアニメだと思う。近年のフジテレビ721の再放送で改めて観直してみたが、原作の秀逸なアレンジもあるし、シリーズ後半は鬼太郎以外の原作を使ったり、アニメオリジナルもあったりとバラエティ豊かで、ユニークな話も多い。

 肝心のDVD-BOXの内容だが、上のリンク先によると全話収録で税込78,750円と1話あたりの単価も安いし、「全話」なので、現在再放送で飛ばされる「韓国妖怪ぬっぺらぼう」も入るのだろう。それに、この第3作BOXが売れれば、第2作もDVD-BOX化されるかも知れない。ちょっときついお値段だが、購入を検討してみたい。

11/11 ドラえもん「けん銃王コンテスト」ほか

2005-11-11 22:25:36 | アニメドラ感想
 久々に、放映当日にアニメドラの感想を書くことが出来た。ちょっと嬉しい。しかし、本日も19時45分に帰宅したのでリアルタイムでは観られず。最後にリアルタイムで観たのは、いつだっただろう。金曜日は、なかなかさっさとは帰れない。



「けん銃王コンテスト」(脚本/与口奈津江、絵コンテ・演出/腰 繁男、作画監督/中村英一)

 いつもは冴えないのび太が、特技の射撃で大活躍。原作でものび太の勇姿に心躍らされたが、本日のアニメ版も、原作に劣らない出来だった。
 原作でも、のび太は十分に格好良かったのだが、動きが付いたアニメでは、相手に先に打たせて余裕満々の姿や、車のミラーでスネ夫達の襲撃を悟って素早く撃つ場面など、のび太が、より格好良く描写されていた。ジャイアンとの対決の場面は、犬をけしかける展開が原作と多少異なっており、ちょっと無理を感じたが、その後の直接対決は、(一時的に?)反射神経までよくなったのび太のアクションがたっぷり描かれており、見応えがあった。

 そして、個人的に一番注目していたオチの場面。原作では「晩ごはんまだ?」の次のコマが、すぐにオチになっており、無駄な描写を極力省いた展開が笑いを増幅させているのだが、アニメでこの笑いを描くのは難しいだろうと思っていたのだ。
 しかし、今回は「晩ごはん」のセリフでのび太の顔をアップにして、その後すぐにオチの場面に転換する演出でなされて、原作に迫るテンポのよさとなっており、かなり満足できた。ママに空気ピストルが当たる場面を描いていたら、台無しになっていただろう。

 さて、今回の原作との相違点として、空気ピストルの効果が「気絶」から「眠る」に変えられた事が挙げられる。もちろん射撃対決なので気を遣ったのだろうし、原作でも、後に描かれた「ガンファイターのび太」では、同様の効果を持つ「ドリームガン」が登場したので、それに合わせた意味もあるのかも知れない。
 これまで、原作からの設定変更では無理を感じることが多かったが、今回はオチの「ママはいつ目をさますんだね」に、きちんとつながっていたし、寝てしまったのび太が説明を聞いていないと言うギャグもあり、上手い変更だった。今後も、様々な事情で原作を改変せざるを得ない場合はあるだろうが、今回のような出来ならば、納得できるだろう。



「おおかみ男クリーム」(脚本/早川 正、絵コンテ/しぎのあきら、演出/腰 繁男、作画監督/志村隆行)

 どちらかというと地味な原作だが、結構大胆にアレンジされていた。
 最大のポイントは、「ドラえもんの丸い顔」が、話の中心になっていた事だろう。ドラえもんがクリームの効き目をテストする時も、鏡で自らの顔を見て変身したし、ママに至っては、ドラえもんが同行したばかりに、かえって変身しやすくなっていたくらいだ。
 さらに、そのネタにもう一捻り加えて、ママがドラえもんの顔を見そうになると、無理に顔を変形させるというギャグも入れられた。このネタ、最初のうちは笑えたが、お客の家に来ても繰り返されていて、ちょっとくどく感じだ。しかし、ドラの変形顔が後期大山ドラ(特に渡辺歩作監回)のような崩し顔ではなく、一貫して藤子・Fタッチを保った表情だった点は、素直に嬉しかった。だが、今のキャラ設計も渡辺歩なのだから、不思議なものだ。

 全体的に、ママのフォローをするためにドタバタしていたドラえもんの、コミカルな部分の印象が強かった。顔変形のアレンジなどには賛否両論あるだろうが、原作の雰囲気を残しつつ、新たな面白さを加えようと言う試みは、歓迎したい。個人的に大山時代で一番面白かったと思っている1980年代中盤も、原作を尊重しながらも、アニメならではの見せ方を加えて面白さを増していたのだから。