「ハットリくん」DVDに望むこと

 ニュースとしては少々遅いが、アニメ「忍者ハットリくん」DVD-BOXの発売が決定した。「ドラえもん」以外のシンエイ藤子アニメのテレビシリーズでは初のDVD化なので、大変注目している。

 上のリンク先の「たのみこむ」記載の情報によると、8月31日に9枚組で「BOX1」が発売される予定になっているが、まず気になるのは、ディスク1枚に何話収録であるのか、そして、きちんと全話収録されるのかという点だ。
 アニメ「ハットリ」は、レギュラー放映された作品だけで694話もあるが、本編の尺は帯番組時代が約6分、30分番組時代が約9分と短い。同じく本編の尺が6分程の「ドラえもん」DVDが1巻あたり16話収録なので、仮に「ハットリ」も同様であると仮定すると、16×9でBOX1には144話入ることになる。だとすれば、全話収録されると仮定すると、BOXは第5巻までだろうか。

 そして、もう一つ気になるのは、どのような形態で収録されるかという点だ。「ハットリくん」は、「ドラえもん」と同じく、放映開始当初は関東地方のみ平日18時50分~19時の帯番組で放映され、全国ネットでは毎週日曜日の朝9時半からの30分枠で3話ずつ放映された。この時期に限っても、帯番組形式で短縮版OP+本編のみの形で収録されるのか、30分番組形式でOP+本編+忍者体操+ED+次回予告まで全て完全に収録されるかで、大違いだ。個人的にはテレビアニメ版「デビルマン」DVDで「キー局版」「ローカル局版」の両方の放映形態が選べるようになっているのと同じように、「帯番組版」「日曜版」の両方のフォーマットで観られるようにして欲しい。

 さらに、「ハットリ」は帯番組+30分番組という形態だけでなく、1983年4月からは月曜19時の枠に移って帯時代の再放送2本+新作1本となり、続いて1985年4月からは「藤子不二雄ワイド」内で再放送1本+新作1本、そして1987年4月からは再び帯番組に戻って新作が週2話となり、最後に同年10月からは「パオパオチャンネル」内のコーナーとして1987年末まで週1話の新作が放映された。1988年以降は同枠で引き続き再放送されたため、最終話は特に「終わり」を感じさせるエピソードではない。
 このように、放映形態が複雑な変遷を辿っているだけに、今回のDVDではどんな形で収録されるかが非常に気になるのだ。帯と30分枠の両立が無理なら、個人的には最低限でも1985年3月までに関しては、30分枠での当時の放映形態を再現して収録して欲しいと思っている。

 ともかく、今回の「ハットリ」DVDが商業的に成功すれば、続いて他のシンエイ藤子アニメのDVD化も夢ではないだろう。その意味でも「ハットリ」DVDはぜひ売れて欲しい。購買意欲を高めるという意味でも、収録形態にはこだわって欲しいものだ。発売元のコロムビア・ミュージックエンタテインメントは、手塚アニメに関しては「手塚治虫アニメワールド」のブランドで、細部までこだわりを見せたDVDを多数発売しているので、その調子で藤子アニメに関してもがんばって欲しい。
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