あと十年存へたしや帰り花
この数日、失敗ばかり続いた画をなんとか描き上げた。今度は何とかものになりそうかと思い思い画きあげた絵を前にして、腕を組みながら眺めていますと、このところ遅々として上達しない自分に腹が立って来た。いったいこのまま何年経ったら上手くなるのだろうと考えていますと、ふと、大病持ちの自分は、このまま病気が進まないよう全神経を注ぎ、あと十年は生き存えたいと、画と関係が無いことかもしれないことを考えていた。後、十年、寝たきりにならず何とか家族に迷惑をかけないでいるには八十二歳である。何歳まで生きたいなんて明快な目標を持ったことのない私だったが、誰でも明日の命を保証は出来ないが、本日只今、八十二歳まで生きることを第一の目標とすることにした。毎日、毎日不安と緊張の日々が続く十年、目標に向かって一日一日を大切に生きようと改めて誓った日となる。