【やっともらえたのに背負って持ち帰ったありがたき月夜見の水】
chinさん、noboさん、春山さん、次々と知人が追いついてきた。chinさんにはゴールしたらハリマネに状況を伝えてねって遺言もどき。でも必ず戻るからって。一緒に第2CPの月夜見駐車場に到着した。さぁ、水だ。ボトルごと下さい!どん!って感じだ。ポカリの1.5リットルボトルがどうだって出されたけど、甘い水は飲みたくない。ピュアな水を。ペットボトルごともらい角に座ってさぁ一気飲み。ん?何だ?美味くない。しかもごくごくと飲めない。あんなに楽しみにしていたのに何だ?急に力が抜ける。
前に目をやるとさんぽさん、バンビくん、DMJ7号くんが大の字だ。どうしたどうした。って他人を気遣っている場合じゃない。それではと出発した3人と交代で同じ場所にとうとうひっくり返った。エイドで横になるなんて初体験。少し水をカラダ全体に行き渡らせなきゃならん。
踊る視線の先にrikaさんの姿が飛び込んできた。失礼ながら横になったまま声をかけて呼んでしまった。続いてアズさんが、ハリ天さん!と横にやってきた。さらにばぶぅも登場だ。結構元気でいつもの柔和な笑顔のまま、ハリ天さんより先にここを出るなんておこがましいけど・・・フフフ、ま、今年たくさんいい目を見たからいいでしょって、颯爽と闇の中に消えていった。そ、いいこと悪いことフィフティフィフィフティだ。アズさんも、rikaさんもあれこれ元気に補給して立ち上がってしまった。二人を見送る。5分、10分。水気が行き渡るのではないかと期待していたのだ。
しかしこうして横になっていても何も状況は改善しないことにやがて気づく。8時間を経過してしまった。仕方ない。立ち上がる。行くよ。タイムアタックはもう別次元のごとく遠ざかってしまったので、ただ帰ればいいだけさ。腹もくくったから楽なもんだぃ。と、せめて、一人強がり。
【by オールスポーツ】
だけど、本当はこの先に延々と続くコースの概要をしっかりと理解しているだけに、うんざりしてくる。とりあえずは御前山だ。とにかく黙って進めばいいのだ。ピークの度に両膝に手をついて休む。こんなことするのは初めてだ。撃沈した去年の信越五岳の時でさえここまでは醜くなかった。
御前山9時間28分。もう当然の如くベンチに座り込む。すでに痙攣は激しく激しく、安全ピンを投入せざるを得なくなっていた。痙攣についてはこちとら慣れっこだから大丈夫だ。問題は馴染みの薄い「吐き気」だ。頭痛もする。やっぱりベンチに座り込んだからと言って何一つ改善されることはない。立ち上がれハリ天。
下りの振動で内蔵が揺すられ、さらに気持ち悪さが増す。いよいよ事態は深刻だ。我慢に我慢を重ね、でももう半ばやけくそで大ダワを目指す。10時間が経過してしまった。何がサブ10だよ。
【by オールスポーツ】
そして大ダワ。毎度の雲助さんとかおちゃんが迎え入れて下さる。お二人と話していたら急激に元気が出てきた。テント前にさんぽさんが再び座り込んでいる。まさかリタイア・・・な訳なかった。他人事ながら一安心して先に出発。背中にかおちゃんの元気な声援を受けながら暗闇に突っ込んでいくと、何時間ぶりかの普通感覚。走れる。緩い上りも普通に走れる。思わずスキップ感覚湧き上がる。このまま突き進めたなら最高だった。現実は甘くない。1kmほど突き進んでジ・エンド。
パタリと足が止まってしまった。一気に気持ち悪さが襲いかかってくる。振動を与えると頭、胃、そして脚のあちこちが悲鳴をあげる。わかったわかった。そ~っと脚を置く。そろりそろりと進む。永遠に大岳山は近づいて来ないのでは、そんな絶望的スピード。
最後の岩場の上り。ちょっとでも力を入れようものなら激しい痙攣がやって来る。お前、調子に乗るのもいいかげんにせぇよ。そう毎回毎回安全ピンでご機嫌取りなんて出来ねぇんだよ!おっと語調まで荒くなってしまう。でも正直なところ完全に固まる感じの内転筋やハムストにほとほとお手上げ。安全ピンの秘術を使えば、必ず復活はするけどもうどうでもいい感じだ。岩の途中の木にもたれかかり選手に道を譲る。
大岳山頂にはいつもスタッフとして大リーガーさんがいてくれる。それを楽しみに頂上に立ったけど今年は仕事のため不在だって。そうか、ちょっとがっかりして山頂表示の下の岩に腰をおろした。11時間17分経過。しばらくするとさんぽさんが到着。夜の大岳山頂からは西にシルエット富士が見えるんだよ。残念ながら夕刻は姿を見せていた富士なのに雲の中に隠れてしまっていた。
さんぽさんに続いて大岳山を下る。途中で先行。いつもなら大岳山を越えたらこっちのもんだって所。勝手知ったる我が家の庭なのだ。しかし我慢の時間は続く。なんとか、なんとか踏ん張ってようやく「綾広の滝」上の水場到着。
ボトルを洗い、水をゴクッ。さっきより美味く感じたけど、飲み込んだ途端気持ち悪くなる。ダメだ。すぐ横のベンチに座り込む。隣にやっぱり体調不良のさんぽさんが座り込む。二人とも「うつむき地蔵」と化す(命名:クリプトナイト夫妻)。しばらくするとクリプトナイト夫妻到着。ようやくの思いで仰ぎ見るように声をかける。でもかえって心配をかけてしまった。
今度はハリ天が先に腰を上げる。よろよろと出発。何年か前の富士登山競走部の時の勢いは二人に微塵もない。だけど、ここは庭だ。少しピッチは早まる。なのに第3CPの長尾平まで一気に進むことが出来ない。両膝に手を着いてしばらくうつむくこと数度。ようやく長尾平。女将さんが待っていてくれた。ここにリキちゃんがいた。どうやらちょっと前に抜かれたらしき、お互い気づかなかった。座り込んであれやこれや話していると気が紛れ、よし行こうって気になる。
リキちゃんと一緒に出発。昨年もリタイアだったドカ練番長ことリキちゃん、最後まで止めないことが一番の薬だ。自分は青息吐息だったけど復活したというリキちゃんを嬉しく見送った。ゴールしたら監督(ハリマネはリキちゃん達のチーム監督)にちゃんと伝えておいてよ、必ず帰るから。
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ようこそです!
思えば序盤からずっと前後しましたよね。ご一緒だった方が表彰式云々のお話をされていたので、お、強豪だなとマークしてました^^
が、あんなことで、こんな結果になってしまいました。お話しした時はお互いくじけてましたからね。来年はガチンコで走り合えたらいいですね。頑張りましょう。どうぞよろしくです。
初めて書き込みです。
途中でお会いしましたどらんくとーちゃんと申します。
普通なら絶対途中リタイアの状況だったと思いますがその状況での完走、凄いことです。
自分では絶対できません。
来年、是非リベンジしてください。
自分も大したことありませんが、リベンジしたいと思います。
私なんかより、のまさんこそあの股関節の痛みを抱えながらよくぞって感じです。完走だけでもお見事なのに楽々10時間台。やっぱり相当にお化けですね^^
直前のテーピングが少しでも力になったのであれば嬉しいです。
私は気力体力充実していた割には、夜になってすっかりダメになってしまいがっかりでした。
また来年です。
交感神経の過緊張で胃腸が全く働かなくなっているんでしょうね。(ちなみに胃腸は逆の副交感神経支配)体が、もうやだぁ~って悲鳴をあげている状態。
適切な水分補給はもちろんですけど、長時間運動に体を慣らしていかないと難しいですよね。レースでは思っている以上に体が緊張しています。
そうそう、かなりやばい状況なのに結構行けるんじゃって楽観視してました。アンパンマンの顔交換、確かにそんな感じ!
でも11km地点というのがやっぱりね。ひたすらけちったつけが夜になってドカンドカンって襲いかかってきました。
ま、もう止めるエネルギーすらなく歩いたってところです^^;
ご愛読毎度ありがとうございます♪
こういう声を励みに、自分の記録用にもと思い、しつこく書いてみました。
いよいよ最終章突入です。
今回のハセツネはトラブルにあって苦しんだという知り合いが多かったような気がします。
特に水にまつわるトラブルで苦しんだ方が・・・
その中でもハリ天狗さんのは絶体絶命の大ピンチですねー。
右足のテーピングありがとうございました。
結局痛みは出たもののおかげさまで完走することができました。
一体、どーすればよいのでせうか??
「もっと早めに水分を」なのでせうか??
大体症状が出るのが12時前くらい、、、小動物は早く寝ろってことかしら???
早寝早起き朝ごはん???
マロンの敵は「渋滞 雨 吐き気」です!!
かと思ったら大撃沈劇だったんですね。
やっぱりあの長い道中、しかも思いのほかの暑さ水なしじゃ堪えますね。
凡人だったら即リタイヤのところ、根性の完走流石です(・・)」
読み進むたびに、ぞ~ってなりました。
最終話、どうなっちゃうんですか?