流石に毎日 Dave Evans お聴いてるというわけにいかず、取り出したレコは Bob Dylan である。最近「Desire」を買ってきてそのラストチューンにノックアウトされたのだが、生来ヘソが曲がって付いてるせいかそうなると同じひとの違うレコに手が伸びるという寸法。さて、じゃ一体ナンでしょう?ここは'62年だかにリリースされたファ-スト・アルバム『Bob Dylan』なのであります。伴奏は自分のかき鳴らす Gibson J-50のみ。オブリガートでハモニカをプープー入れる以外はがなる様な唄があるだけ。ディランの最初の4枚は多少のヴァリエーションはあるものの、このスタイルで貫かれている。あなたも昔のフォーク・ファンになったつもりで、今の音楽事情ではちょっと考えられないヘヴィーな体験をなさってみては如何だろうか。発売アルバム数が二ケタになった辺りの「ナッシュヴィル・スカイライン」で突如美声で唄って周りを吃驚させたディランなのであるが、実はアッチが地声よ、と昔のクラスメートが証言したので、するとこのリリース手前までファンは「創られた」歌声に酔わされていたんだ。一体何が真実で何が創作なの?歌詞をまったく理解せずに聴いてる私にとって、彼の唄声と酷評されたことすらあるギター・プレー、そしてプヒープヒーハモニカがすべて、全てなのさ。ここまで聴いてきて、いま丁度‘朝日の当たる家’まで来たが、オリジナルアレンジは Dave Van Ronk のものなんだそうだ。ほら聞いてみ、節廻しのそこここやうたごえそのものにRonkが感じられるから。というわけで、先日フランスの映画祭でよい成績を残したコーエン兄弟の映画は今年のみものですぞ!ささ、皆で映画館へ足さ運ぼう。ロンクやディランが、あのフォークのゴールデンエイジへあなたを誘ってくれるよ
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