十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

稲架

2018-12-30 | Weblog
日の匂ひ月の匂ひや稲架襖
ひと粒に山河のひかり今年米
瓢の笛まなざし遠く吹きくれし
小鳥来る復興支援募金箱

*「阿蘇」1月号、岩岡中正選

【選評】 「稲架襖」に注がれた日月のあふれるような光と影、風と一切の風土の恵みが、ここに豊かにこめられている。匂い立つような風土とそのいのちが、ここにある。稲架襖を詠むのに大きく日月をもってきたところが、この句のポイント。作者と一体化した身体性の句である。(中正)

日本の暮しの中から、季語が次第に失われつつあることを実感するが、ここ熊本にはまだまだ残されている風土や自然があることを嬉しく思う。(Midori)