十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

虚子忌Ⅱ

2018-04-10 | Weblog
幹にちよと花簪のやうな花     高浜虚子

 久しぶりに、『虚子俳話』を開いてみた。鎌倉を詠んだ句に出会えて嬉しかったが、掲句は『虚子俳話』の最後に掲載された句である。昭和34年4月5日の句ということは、虚子が亡くなる3日前の句。虚子は亡くなる直前まで、桜を見ながら、こんな素敵な写生を行なっていたことになる。大きな幹に、「花簪のやうな花」とは、何と的確で、チャーミングな比喩!
 60年前の4月8日、その日は桜の枝が折れるほどの風が吹いていたと、椿先生が仰っていた。(Midori)