十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

大根

2018-02-09 | Weblog
大根を抜けば浮世の穴ひとつ
晩秋の鐘の音ひとつづつ暮るる
一瀑を荘厳したる冬紅葉
鹿鳴くや紫紺の闇を慄はせて


*「阿蘇」2月号、山下しげ人選

【選評】 大根を引き抜くと穴が出来るのは当たり前のこと。その当たり前のことをわざわざ「浮世の穴」と言ったことで何とも言えない俳味となっている。(しげ人)

今年は野菜の高騰で、白菜泥棒まで出てくる始末。大根を詠むにも力が入るが、掲句は以前に大根を抜かせてもらった時を思い出して詠んだ句。(Midori)