沈丁花心重たき日を香り 宅野幸子
「沈香」と「丁字」の香りにたとえて、沈丁花の名があり、
とても強い芳香を放つ。その香りに出会う時、あるいは気づく時というのは、
一体どんな時なのだろう?心弾む日ではなく、やはり「心重たき日」
でなければならないような気がする。「心重たき日に」でなく、
「心重たき日を」とした一字の助詞に、作者の詩心が感じられる。
ふっと、震災の日のことが頭を掠めた。
「阿蘇」6月号「雑詠」より抄出。(Midori)
「沈香」と「丁字」の香りにたとえて、沈丁花の名があり、
とても強い芳香を放つ。その香りに出会う時、あるいは気づく時というのは、
一体どんな時なのだろう?心弾む日ではなく、やはり「心重たき日」
でなければならないような気がする。「心重たき日に」でなく、
「心重たき日を」とした一字の助詞に、作者の詩心が感じられる。
ふっと、震災の日のことが頭を掠めた。
「阿蘇」6月号「雑詠」より抄出。(Midori)