糠雨に薄墨たらす桜かな 菅原鬨也
春爛漫と咲き誇る桜は、誰からも愛されている花だ。しかし、ひと言に桜といっても、朝桜、夕桜、夜桜とその美しさと趣は、それぞれに違って見える。そして、ここでは糠雨に濡れそぼつ桜だ。「薄墨たらす桜」は、まるで無言の慟哭のようだ。しかし、やがて雨が上がった時、雨の雫に洗われた桜の花びらが、薄紅色に光っていそうな気がした。「滝」主宰の幻想的な桜の一句だ。「滝」5月号〈飛沫抄〉より抄出。(Midori)
春爛漫と咲き誇る桜は、誰からも愛されている花だ。しかし、ひと言に桜といっても、朝桜、夕桜、夜桜とその美しさと趣は、それぞれに違って見える。そして、ここでは糠雨に濡れそぼつ桜だ。「薄墨たらす桜」は、まるで無言の慟哭のようだ。しかし、やがて雨が上がった時、雨の雫に洗われた桜の花びらが、薄紅色に光っていそうな気がした。「滝」主宰の幻想的な桜の一句だ。「滝」5月号〈飛沫抄〉より抄出。(Midori)