ピオ・クレメンティーノ美術館を過ぎ、階段を上がると「大燭台のギャラリー」があります。
ギャラリーとはいっても、いわゆる廊下なのですが。上の写真が入り口の様子です。
名前の由来にもなっている大きな燭台が左右にあるのがわかるでしょうか。
天井では、教皇レオ13世が「このギャラリーは、私が依頼して現在の姿になったんだからね」と主張しています。
まあ、主張したくなるのがわかるくらい、天井の装飾は見ごたえがあります。
一方、展示されているものといえば、玉石混交で雑多なものが展示されています。
上の写真はたくさんの胸を持つ豊穣の女神ディアナ(アルテミス)ですが、
どこから見ても後世に作られたレプリカとわかります。
これは何かの柱頭部でしょうか。古代ローマの生活が再現されています。
ブタ(イノシシ?)を調理しようとしている家族がいるかと思えば、彫刻を彫っている?人もいて面白いですね。
こちらは大きな彫刻の「足」です。
軍足(エスパドリーユ)を履いているので、兵士の姿をした彫刻だったのでしょう。
再び天井を見上げると、すみからすみまで、ていねいに装飾がなされています。
ミケランジェロの天井画にも感服しますが、これだけのものを仕上げる労力を考えると頭が下がります。
ギャラリーの出口の扉には、これまたごていねいにレオ13世の胸像が飾られています。
日本の歴史で言うと、日清戦争の頃の人ですから、ローマ教皇の権力もそれほどは強くないはずですよね。
良くこれだけの財力があったなあ、と感心してしまいます。