アレッツォのドゥオーモは、
サン・フランチェスコ教会から北へとのびるチェザルピーノ通りの坂道を上りきったところにあります。
ゴシック様式で建てられた、外壁の淡い茶色が美しい教会です。
正面扉のアーチ部分は、繊細な彫刻がほどこされています。
内部は典型的なゴシック様式で、後陣のステンドグラスが特に印象的です。
また、交差ヴォールトの天井には細密なフレスコ画が描かれています。
主祭壇にある、祭壇画を兼ねる彫刻は「サン・ドナートの石棺」と呼ばれ、
もともとはアレッツォの司教をつとめたサン・ドナートの遺体を納めるためにつくられたもので、
さまざまな彫刻家の手が加えられています。
堂内にはいくつもの礼拝堂があり、中には主祭壇と見まごうばかりの豪華なものもあります。
そして、見逃せないのは左手奥の説教壇に隠れるように描かれている
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「マグダラのマリア」です。
ピエロらしいカッチリとした絵で、無表情に見える顔の描き方も、
逆に内に秘めた強い意志のようなものを連想させます。
ドゥオーモを訪れる機会があったら、ぜひお見逃しなく。