アオスタの旧市街の中心よりやや北、ドゥオーモのそのまた北側に、
一段低くなっている公園のような場所があります。
ここが古代ローマの集会場や市場があった場所、その名も「フォロ・ロマーノ」です。
小さい広場だなぁ、と思っていると大まちがいで、
実はこの下に半地下状の柱廊(criptoportico)が広がっているのです。
それもアッと驚くスケールで。上の写真の左上にある黒い扉がそのアンダーワールドへの入り口です。
このスケール、写真で伝わるでしょうか。100m走ができそうな長さで柱廊が続いています。
これが2000年以上も前のものだと考えると、ちょっと驚きです。
歩いてまわることのできるスペースはL字型になっていますが、
実際には中庭をぐるりと囲むように柱廊が一周していたようです。
作られた頃には通路は外の地面と同じ高さだったようで、中庭には神殿が建てられていたそうです。
別にこの通路で集会を開いたりしていたわけではない(と思う)ので、誤解のないように。
神殿を取り囲むスペースの南側には、市場などが置かれていたと思われるスペースがあります。
通路の外側に、壁で仕切られたスペースが残っています。どんなものが売り買いされていたのでしょうか。
それにしてもこの大量の石、いったいどこからどうやって運んできたのでしょうか。
山から切り出してきたとしても、運ぶのには大変な労力がいるはずです。
パッと見ですが、アーチの構造はローマの水道橋によく似ています。
ローマからこんな寒いところへやってきて技術を伝えた技師の人は、どんな気持ちでいたのでしょうか。
「テルマエ・ロマエ」のルシウスのことをぼんやりと思い浮かべた、アオスタのアンダーワールドでした。
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