トーディからの帰り道、私たちは今度はトーディ・ポンテ・リオ駅までのバスに乗り遅れてしまいました。
(実は、そのすぐあとにペルージャ行きのプルマンが通ったのですが、
電車で帰ることしか頭になかった私たちは、そのバスをやり過ごしてしまったのです。)
バスに乗り遅れたことで、
またしても駅で1時間ほど待つことになった私たちは、
何もないトーディ・ポンテ・リオの駅で途方にくれつつ、
駅の待合室でただボーっと時間をつぶしていました。
そこで見つけたのが、写真のコーヒーの自動販売機です。
自動販売機がどうしたの?という人もいると思いますが、
実はイタリアは自動販売機がとても少ない国なのです。
特にコーヒーは、どんな小さな町にも必ず一軒はバールがあり、
町の人たちは必ずそこで自分の好みのコーヒーを注文します。
また、タバコもタバッキで買う
(タバッキではバスの切符やサッカーくじなども売っている)ため、
街中ではほとんど自動販売機は見かけません。
ですから、この自動販売機を見かけたとたん、
私たちは「ためしに飲んでみよう」と考えたのです。
飲んでみたのは“カプチーノ”です。
イタリアでは、きちんとクリームがあわ立っていないものは
カプチーノとは呼びません。
ですから「ほんとにあわ立つの?」と疑いつつボタンを押したのです。
で、出てきたものは、
とりあえず日本で飲むよりは本物らしいカプチーノでした。
考えてみると、ずいぶん前に泊まったフィレンツェのホテルに、
同じ自動販売機が置いてありました。
確か、朝食のときにカプチーノを飲んだ記憶があります。
待合室には「イタリアの緑のハート…ウンブリア」と
書かれたポスターがはってありました。
それ以外には本当に何もないところでした。