JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

素直な心は油絵の具に染められて・・・

2008年07月14日 | d-f

今日は一日、雨が降ったり晴れたりとハッキリとしない天気でした。母などは
「やっと梅雨入りか」
なんて、言っておりましたが、この雨が多少は農家のお悩み解決になったのでしょうか?

昨晩は『至福の試聴会』で、なんやかやと午後から飲み通し。K君と仕入れてきたジャック・ダニエルも5分の1を残すのみとなってしまいました。
「今夜は営業してまっせ。ビールが旨いぜぃ!」
と、れいのバーのママからのメールが入ったものの、さすがにこれにお答えするわけにはいきませんでした。(笑)

飲み残しのジャック・ダニエルの瓶を見ていてふと思ったのですが、最近の洋酒の瓶ってミョーに安っぽくなったように感じませんか?
いやいや、もちろん私が安酒ばかり飲んでいるせいもありますけど、昔はもっと重みのある瓶だったような・・・・・・

あはははは、それは値段から受ける感覚が多いに関係しているんでしょうね。
例えば、テネシー・ウイスキーの代名詞のように言われるジャック・ダニエルを、私が始めて飲んだのは、大学2年生の時だったと思います。(どう考えてもこの時点で二十歳ですから、それ以前に飲んでることじたい、あり得ないはずなんでありますが・・・)
そうそう、神奈川県は大和市にあった『J.○』というお店、前にお話ししましたよね、フィル・ウッズの「ALIVE AND WELL IN PARIS」を、誰のアルバムかも、なんていう題名かも分からなかったE.Kさんというお客さん(私が、田舎のジャズ喫茶でアルバイトをしていた高校時代のこと)、イメージを言っただけでそれをかけてくれたといたく感動して、中央に出てきたら遊びに来るよう言われたというそのお店です。
あの頃のジャック・ダニエルといえば、1万円を下らない高級酒、私の口になど入るわけもないお酒でしたが、気前よくタダで飲ましてくれたE.Kさん、今はどうされているんでしょう・・・・・・

ってその話じゃなくて、当時は自由化以前のお話ですので、洋酒はべらぼうに高かったのであります。
新婚旅行で海外なんかに行ったヤツのお土産といえば、ジョニー・ウォーカーの赤か良くても黒、もしくはブランデーのナポレオンと相場が決まっていましたっけ。今思うと可笑しくもありますねぇ。でも当時はそれを「ありがたやぁ、ありがたやぁ」とチビチビやったものです。
日本のウイスキーにしたって、私が飲んでいたのは、トリスかサントリー・ホワイトがせいぜいで、たまに髭ニッカを「旨めぇ~~」なんて飲んでたんですから、これが他人のおごりとなるとダルマか角、リザーブ、ローヤルなんて手も出ませんでした。

それが月日が流れ、いつの間にか、やれ「バーボンは何じゃなきゃいかん」とか、「スコッチは、島もんのシングルモルトだろ」とか、まぁ舌が贅沢になって、
いかに、洋酒の値段がとんでもなく安くなったとはいえ、あの頃の謙虚さは何処へ行ってしまったのでしょうねぇ・・・・

今こうしてジャック・ダニエルの瓶を「何だか安っぽくなった」と言っている自分は、ひょっとしたら逆に、「素直な水性絵の具のような感性を、贅沢という油絵の具で塗りつぶして、上っ面の贅沢に浸っているだけのちっぽけな人間なんじゃないか」なんても思うのであります。

もうすぐやって来るコルトレーンの命日には、高校時代を思い出してサントリー・ホワイトを一本、空けてみようかなぁ・・・・・・

さて、今日の一枚は、昨日に引き続きビル・エバンスとフルートの共演です。
昨日、すでにこのアルバムは紹介済みだろうと、リンクを張ろうとしたら、なんと紹介してなかったんですねぇ、ならばと今日に持ってきました。

話によるとこのアルバムはかなりピリピリした中で録音されたそうで、レコーディングは難航を極めたそうです。
原因は、聴いてわかるがごとく、エバンスとジェレミー・スタングの対決?
まぁ7曲を4日もかけて録音している事を思えば察しはつきます。

「ただし、その緊張感というか、ピリピリ感がこのアルバムの最大の魅力であり、もともと静かな二人が、対決しているから面白い。これぞインタープレイだ。」とおっしゃっていたのは、中山康樹氏であったでしょうか?

そんなことはともかく、私は「STRAIGHT NO CHASER」での、エバンス、ジェレミー、エディー・ゴメスからのエバンスのソロ、そしてジェレミー、ゴメスからのジェレミーのソロ、さらにエバンス、ジェレミーからのゴメスのソロ、そしてテーマと、この一連の流れにはググッと引き寄せられます。好きです。(笑)
正直、ハービー・マンよりジェレミーのフルートに魅力を感じるバブ君でありました。

WHAT'S NEW / BILL EVANS
1969年1月30日, 2月3,5日, 3月11日録音
BILL EVANS(p) JEREMY STEIG(fl) EDDIE GOMEZ(b) MARTY MORRELL(ds)

1.STRAIGHT NO CHASER
2.LOVER MAN
3.WHAT'S NEW
4.AUTUMN LEAVES
5.TIME OUT FOR CHRIS
6.SPRTACUS LOVE THEME FROM BRYNA PRODUCTIONS "SPARTACUS"
7.SO WHAT



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
角瓶そして竹鶴 (yayoishibainu)
2008-07-14 19:40:06
こんばんは。。。
このアルバムは 高校時代より通い始めた
神戸三宮『木馬』のマスターが
季刊ジャズ批評別冊(昭和56年)に投稿された記事で知りました。
一昨年 私のレコード棚にも加わり愛聴しております。

私の学生時代の贅沢は この『木馬』で角瓶をキープする事でした。
常時は『ホワイト』でしたが。。。
何故か縁の無かったニッカウヰスキーですが
最近 『竹鶴』に魅了されておりますよ。
でも いつもは焼酎なのですよ。

返信する
yayoishibainuさん (バブ)
2008-07-15 18:02:17
そうですか、角派でしたか(笑)
私がバイトをしていたジャズ喫茶にも、カウンターの隅でいつも角を飲んでいる・・・オッサン顔の高校生がいましたっけ(もちろん、いけないことですよ)

私は、あまり焼酎が特異じゃないもので、未だに洋酒、日本酒に頼っておりますが、角やダルマやホワイト、トリスてな酒はほとんど口にしなくなりました。
やっぱり口が贅沢になってしまったんでしょうかね。
返信する

コメントを投稿